
感動のラストラン。そう昨年の
日本ダービーを無敗で制した東京競馬場で芝2400m。昨年、世紀の女傑アーモンドアイに惜敗した無念さを晴らすべく舞台。3冠馬
コントレイルにとっては全集中、一世一代の最後の背水の陣でもありました。
圧倒的な1番人気に推された
コントレイル。
毎日王冠と異なり抜群のスタートを決めて中団の前方をキープ。すぐ前にはライバルであるシャフリヤールとオーソリティが展開。まさに
コントレイルにとっては絶好のポジション。その前後には
サンレイポケット、ユーバー
レーベン、グランドグローリーがいます。

スタートで遅れたキセキが、2コーナーをまわると、最後方から外をまわってグングンと上昇。そして3コーナー手前で外から先頭に立つと、2番手に下げたアリストテレス以下を引き離して行きます。そして4コーナーでは8馬身差くらい。大逃げとなりました。前半の5ハロンが62秒2。1600m通過が1分37秒7。明らかなスローペース。

直線しぶとく頑張るキセキの外から3番手にいたオーソリティが抜け出しにかかると、その外から満を持していた
コントレイルが並ぶところなく一気に先頭。内のオーソリティ、外の
コントレイルの間に入ろうとしていたシャフリヤール。年長の
コントレイルに怯んだのか前に出ようとせず3番手でギブアップの様相。

抜け出した
コントレイル。結果は粘るオーソリティ以下に2馬身差の横綱相撲。3着がシャフリヤール、4着と5着が
サンレイポケット、グランドグローリー。アリストテレスが9着。キセキが10着。ムーア
騎手のブルームは11着。

スタンド前にウイニングランから戻った福永
コントレイル。ゴール前でスタンドに向かって深々と頭を下げます。スタンドのファンから拍手、そして拍手の嵐。その目からは溢れる涙。そして涙涙・・。
コントレイルに対する敬意と感謝。それを瞬時に感じ取った
福永騎手。刻々と別れの時間が迫る中で、思いが走馬灯のように駆け巡ったのかも知れません。
競馬はギャンブルですが、多くの人を引き付ける壮大な感動のドラマでもあるのです。
きっと多くのファンは、ありがとう
コントレイル、ありがとう
福永騎手。そして
矢作厩舎のスタッフの皆さん。その思いはラストランを通して、旅立つ
コントレイルに寄せていたのかも知れません。
