ステラヴェローチェに春はやって来るのでしょうか。ふっと私にはそう思えました。
3冠馬
コントレイルに女傑グランアレグリアが引退。4歳世代の
トップクラスにいるステラヴェローチェ。どうも不運さが目立っています。
単勝1.8倍と断トツ人気に推された
「日経新春杯」。いつもトップ路線を歩んで来たステラヴェローチェ。
皐月賞、
ダービーで3着。
菊花賞と
有馬記念が4着。あと一歩のところで勝ち上がれなかったGI善戦マンでしたが、とは言っても今回の
日経新春杯は、いかにも格落ちした顔ぶれが相手で、まさにうまいところに店を広げた、と言う思いがありました。
ところが、どっこい運命の神様は、そう易々と彼に微笑みの表情を見せることはありませんでした。

強力な逃げ馬が不在。おそらくスローペースで展開するに違いない。そう考えたM
デムーロ騎手は、いつもよりも早めの位置である中団の外目をキープ。4コーナーで外から浮上。先行馬を射程圏に入れてラスト・スパートのタイミングを計ります。

そして、ラスト200mのハロン棒で外から難なく先頭に立つと、それを待ち構えていた1頭がいました。ステラヴェローチェの背後で徹底的にマークしていた同期の川田・
ヨーホーレイク(3番人気)がそれです。目標が先頭に立ったことを確認すると、ここぞとばかりに外から一気に並びかけて来ました。

2頭の激しい叩き合い。結果は追うものの強みか、ゴールではステラヴェローチェを完全に捉えて優勝。
ダービー以来という長期に渡る休養を乗り越えて初
重賞制覇。まさに
皐月賞5着の地力を見せつけました。
それにしても、それにしても全力走だった
有馬記念から中2週の強行軍で、何故、この
日経新春杯に参戦して来たのでしょうか。

ちなみに、
日経新春杯は過去9年で、
有馬記念からの出走馬は優勝ゼロ。しかも3着までの馬券の対象になったことすらありません。

思えばステラヴェローチェは不良馬場の
神戸新聞杯でレッド
ジェネシスを下し、当面の敵、
ダービー馬シャフリヤールに先着。ところが疲労が完全に抜け切れていなかったのか最大目標の
菊花賞が無念の4着。
とすると、暮れの
有馬記念で激闘し4着。それら蓄積された疲労が残っていた可能性があります。よもや
ダービー以来の同期ヨーホーレイクに、アッサリと差し込まれるとは関係者も思いもよらなかったのかも知れません。
ステラヴェローチェにGI制覇という栄冠を手にすることが、果たしていつにのでしょうか。おそらく
春の天皇賞が最大の目標になるはずです。
