
一団のダンゴ状態で直線勝負となったら人気通りの決着になるだろうか?!そんな思いが過った世界注目の
「ジャパンカップ」。
優勝が初GI制覇となった
ヴェラアズール(3番人気)。芝に矛先を変えてからメキメキ頭角。直前の
京都大賞典では直線大外から神がかり的な末脚で豪快に一気差し。33秒2と言う破壊力。これなら
ジャパンカップでも勝負になると
厩舎サイドは強気に駒を進めて来ました。
1番人気が昨年の
ジャパンカップで
コントレイルの3着だった
ダービー馬シャフリヤール。続く2番人気が秋初戦の
天皇賞で3着と好走したダノン
ベルーガ。ヴェラアズールがそれらに続いたのです。

前半の5ハロンが61秒1。主導権を取ったユニコーンライオンが、2番手以下を引き付けた逃げ。おやおや、先行力を売り物にしてきたドイツのテュネスが、出負けして後方で末脚温存。逆に好位のインで折り合いをつけたヴェルトライゼンデのレーン
騎手は大正解のポジション。
一方で、直線外から持ち前の末脚で一気差しを狙っていたC・
デムーロ騎手のシャフリヤール。中団の外で機を窺うダノン
ベルーガ。中団後ろの馬込みで我慢の競馬のヴェラアズールのライアン
騎手。また、注目していた
オネスト(6番人気)は、ルメール
騎手を背に好位直後のインで抜群の手応え。

ところが、直線を向かえると逃げたユーバー
レーベンの直後でゴチャゴチャ。
オネストも内の最悪のポジション。同枠ですぐ前にいる内々のシムカミノルが邪魔。それでも内ラチからこれを捉えて位置を上げると、今度は逃げる前のユーバー
レーベンが邪魔。隣はヴェルトライゼンデ。動けないままに我慢していると背後にいたヴェラアズール。一瞬前が開いたところを狙ってスルスルと
オネストの外に進出。そこへ外からダノン
ベルーガ以下がどっと襲来。その外から満を持したシャフリヤールが襲来。内に寄れたためその煽りでダノン
ベルーガの
川田騎手が手綱を引く不利。

内から伸びるヴェルトライゼンデ、その外のシャフリヤール。そこへ馬込みの中からヴェラアズールが猛然と割って入り、激しい叩き合いの末に、力でこれらをねじ伏せると完勝。大きなアクションは行わずクールな表情でゴールを駆け抜けて行くヴェラアズールのムーア
騎手。

外のシャフリヤールが2着で、内のヴェルトライゼンデがクビ差3着。驚いたのは窮屈な馬込みから割って出て来た3冠牝馬
デアリングタクト(5番人気)。中1週の強行軍でしたが、ゴール前の末脚はひと際目立っていました。一昨年、アーモンドアイが優勝し、
コントレイルが2着。このとき猛然と追い込んだ
デアリングタクト。
オークスを制したように東京芝2400mはドンピシャのようです。立派な4着でした。

ダノン
ベルーガが5着、グランドグローリー、
オネストと馬体を併せてゴールイン。今年はラスト34秒2の高速決着でした。
