


「そうだ!よし!武史!GOGO!!」私は桜が満開の仁川で拳を振り上げ、絶叫していました。
この日、83回目を迎えた
「桜花賞」。単勝1.6倍。
阪神JFで圧勝した
リバティアイランドが断然の人気。対して、私は
チューリップ賞で3着だったペリファーニア。僅か1戦のキャリアで大外枠から出遅れ。そこで引っかかり気味に前に進出。それで勝ち馬と同タイムの3着。さすがエフフォーリアの半妹。2度目の阪神のマイルなら大いにチャンスだと自信の◎。
チューリップ賞を逃げ切ったときと同様にモズメイメイが主導権。これを
チューリップ賞2着のコナコースト。それらの動きを見ながら外目の枠から我がペリファーニア。

一方、
リバティアイランドが内枠で1完歩遅れて後方に置かれます。また2番人気のライトクオンタイムは中団のインで頭を上げて、
鞍上の
武豊騎手も苦労している様子。その外にルメール
騎手が乗る3番人気のハーパー。中団のインに4番人気のドゥアイズ。そして後方のインに
リバティアイランド。

「彼女があの位置で走ることを選択したのだから、僕は道中リズムを作りながら、直線で動ける準備をしていました」と、
リバティアイランドの川田騎手。

前半の半マイルが45秒9。平均したペースで展開します。直線に入ると先頭に立ちかけるコナコースト。それを背後でマークしていたペリファーニアが馬場中央の外から肉薄。
リバティアイランドは何と最後方。大外に出します。先頭とはだいぶ差があります。
「ヨシャ、決まった!そこだ!武史!」と小躍り。内のコナコーストもラストの踏ん張りでしぶとく二枚腰。

その時でした。私には一瞬だけ時間が停止したように見えました。なんと大外からケタ違いの迫力で強襲してきた黒い帽子。
リバティアイランドでした。まるで空飛ぶペガサス。神ワザ的な破壊力で並ぶところなく突き抜けていたのです。

1分32秒1、ラストが32秒9!まるでドラマのような衝撃の結末。ただただ呆れるばかりの強さ。「こんな
桜花賞は見たことがない!」と私。結局、コナコーストが2着で、3着にクビ差でペリファーニア。
リバティアイランドのアカデミー賞級の主演女優賞のパフォーマンス。スタンドや多くの競馬ファンの度肝を抜いたことは間違いありません。
2番人気のライトクオンタイムは8着。3番人気のハーパーが4着。4番人気のドゥアイズは5着でした。
