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典型的なラスト、ヨーイドンのきさらぎ賞から学ぶものはあったか!?


 一昨年の優勝馬トーセンラー、当時3着だったオルフェーヴル。そして昨年の優勝がワールドエース。ここ2年がハイレベルのきさらぎ賞でした。今年はそれに比べて小粒感は拭えません。

 顔ぶれから強力な逃げ馬が見当たらず、バッドボーイかマズルファイヤーがスローに持ち込んで、そのまま押し切りそうだ。私はそう考えて、未勝利戦を勝ったばかりでも、その圧倒的なパフォーマンスを買ってマズルファイヤーの奥深さに賭けました。

 今年は京都競馬場の馬場コンディションが最悪。今年に入り降雨、降雪と続いたために、芝コースのインサイドはボコボコ状態。そのため各騎手ともインサイドをガラ空きにしてレースを進める苦心の騎乗。総体的に逃げ、先行馬はスローで展開しても、直線大外から伸びてきた馬に差し込まれるレースが続いていました。

 それでも、先行策に出るはずのマズルファイヤーが狙える根拠のひとつが、この馬場にあると見ました。未勝利を勝ったときの馬体重が556K。数字からも相当なジャンボ。この巨漢を生かしきるには、こういったパワフルさを要求される馬場コンディションがピッタリだと考えたわけです。人気は5番人気。

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 スタートしました。主導権は相手を見ながら押し出される感じで、やはりマズルファイヤー。これにピッタリと張り付く形でタマモベストプレイ。インコースを空けて馬場の3分どころを走ります。その空いたインから引っかかるような仕種を見せてバッドボーイが2番手に進出。そのあとにクラウンレガーロ。またその直後には1番人気のリグヴェーダ。外にアドマイヤドバイが馬体を並べています。最後方には2番人気のラストインパクトが末脚を温存。

 前半の3ハロンが36秒6、半マイルが49秒6で、1000m通過が62秒2と、まさに超スローペース。この形で4コーナーをまわってきました。先頭のマズルファイヤーが直線もインサイドを空けてラストスパート。その外にタマモベストプレイ。内からバッドボーイですが、前半折り合いを欠いたせいか前の2頭に比べて今ひとつ。そのとき外に出せなかったアドマイヤドバイがインからグングン進出。クラウンレガーロは伸びを欠き、リヴェーダは早々とギブアップの白旗。ラストインパクトは最後方から仕方なくイン狙いでしたが、この馬場状態でラスト34秒台の決着。前と差を詰めるのがやっと。

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 逃げるマズルファイヤー、2番手から並びかけたタマモベストプレイ。激しい2頭の叩き合いは、シンザン記念3着の貫禄からか、クビ差捉えて優勝。一躍クラシック候補にのし上がりました。

 インパラトールが前日に出走取り消し。8頭立てで行われた今年のきさらぎ賞。1、2番人気が掲示板にも載ることが出来なかった特異な結果。クラシックの登竜門と称されるきさらぎ賞ですが、今年はクラシックに直結するかどうかは微妙です。それでもマズルファイヤーの馬格は魅力ですが、有力な3歳馬が多く予定している弥生賞での結果が注目されるところではあります。

 1、2番人気のリグヴェーダとラストインパクト。現在1勝馬。クラシックがはるか遠くに霞む一戦となったことは事実のようです。

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