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Archive for 2010年10月27日

あまりの不運な1頭の牝馬に涙した秋の夕暮れ・・

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 「この前と同じような乗り方をしてしまいました。これはもう騎手である僕の責任。審議にはなりましたが、馬には本当に悪いことをしてしまった・・」と、力なく語る四位騎手。
 先日の秋華賞でした。優勝したアパパネは桜花賞、オークスに続く牝馬3冠を達成。スタートでアパパネと優勝を分け合ったオークス馬サンテミリオンが、大きな出遅れで最後方。飛び出したアグネスワルツが2番手以下を大きく引き離し、前半5ハロンが58秒5という緩みないない流れ。2番人気のアプリコットフィズが好位置で機を窺い、中団の外にアパパネで、内にショウリュウムーン。その後方にはアニメトバイオとワイルドラズベリー。
 主導権を取って快調に飛ばしていたアグネスワルツは3角でスピードダウンしたものの4Img_0881_320 角では後続馬が接近。武豊・アパパネもじんわりと外を通り好位置に進出。最内で手応えを残しているアプリコットフィズ。中団の内からアニメトバイオ。ショウリュウムーンも抜群の手応えで追い出しを待つ状態。外を回るワイルドラズベリーも追撃態勢。
 直線でアプリコットフィズが先頭に立ちかけると、すぐ外からアパパネがグングンと接近。アニメトバイオも上手く前を捌いて外目に出し猛追。ところが、ショウリュウムーンは抜群の手応えなのに、徐々に前の馬が壁になり、好位置にいたエイシンリターンズが内にモタれてきて、四位騎手が手綱を引き急ブレーキ。すべてはこの時点で終了。
 アパパネが猛追するアニメトバイオを振り切り優勝。しぶとく粘ったアプリコットフィズが3着で、外から力強く伸びたワイルドラズベリーが4着。サンテミリオンは最後方のままブービーから6馬身差のシンガリ負け。
 それにしても、ショウリュウムーンの16着にはショックでした。あまりにも不運。チューリップ賞で1番人気アパパネを撃破。さあ、桜花賞と臨んだまでは良かったものの直線インで詰まる不利。そこから外に持ち出し鋭く肉迫したのですが1馬身差届かず。その不利がなかったらと思われたオークスでは2番人気の支持。ここではスタンド前の大歓声に引っかかり、ゴール前では内とImg_0889_320外からサンドイッチ状態で戦意喪失。
 その後、北海道に渡り充電。選んだレースがクイーンスS。ここを勝って秋華賞に直行するのがベストという佐々木晶師の計画でした。充電した成果があって馬体も回復。ところ が、直線で抜群の手応えを残しながらインサイドから出るに出られず、余力を残したままアプリコットフィズの僅かな差の5着。悔しがる四位騎手。この悔しさを秋華賞で晴らしたいという思いがあったはずです。仕上がりは文句なし。馬体も、気合乗りも上々。
 私はウインズ後楽園の大型画面の前に陣取り、金メダリストの柔道家、吉田秀彦さんとのガチンコ対決にパドック風景を見ながら、ある種ほくそ笑んでいたのです。これは“いける”と。
一方、吉田さんは普段は穴党だそうですが、秋華賞はアパパネを本命。対抗がアグネスワルツ。▲がエイシンリターンズ。△にアニメトバイオとアプリコットフィズも入れて馬券は的中。吉田さん来場記念・限定馬券セットも的中。
 でも、うかない顔の吉田さん。配当額が少なく馬券に投資した金額を回収できなかったと、不満げな表情。限定馬券セットを購入したファン方は逆に金メダルスマイル。
 第15回「秋華賞」は、不運な少女ショウリュウムーンの馬券を握り締めて帰途についた私でした。

あの「テンポイントの詩」を歌った山崎ハコさんが、女優デビューした大作映画を引っさげて番組に遊びにきてくれました!(^^♪

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 10月17日、土曜日。秋華賞の前日。TBSラジオ「アベコーのモリもりトーク」に来てくれました。シンガーソングライターの山崎ハコさん。
実はハコさんとは5、6年前から付き合いで、よく連れ立って食事をしたり、ライヴを聴きに行ったり、大衆演劇の橘大五郎クンや、早乙女太一クンの応援で、同じ感動を求めて、一緒に時間を共有したものでした。
Img_0862_250  ついこの間、深夜にハコさんから携帯に電話がかかってきて「アベコーさん、どうしていますか?元気にしていますか。実はね、わたし今回、女優デビューしちゃったんですよ。」
 「えー、ハコさん、女優さんですか。歌手は・・?」と私。
 「もちろん、歌手は続けていますよ。わたしが言うのもなんですけど、その映画が素晴らしいの。で、是非アベコーさんに観て欲しくってね。出来たら宣伝もお願いしたいんですよ。宣伝のためならどこへでも行く気持ちでいます。本当にいい映画なんですよ」と、訴えるハコさん。

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そんな折り、10月17日予定の出演者が急にキ ャンセル。そこで、咄嗟にハコさんに連絡。予定が入っていたのを「大丈夫です!是非、出演させていただきます。アベコーさん、本当にありがとう」と快諾。
 ということで、この日の「アベコーのモリもりトーク」のゲストは、歌手の山崎ハコさんとなりました。ハコさんは大分県日田市出身。そうなんです、1回目の番組でも紹介いたしましたが、番組の私のお相手、江藤愛アナウンサーと同じ出身なのです。
 この日は、ハコさんがゲストとあって、なんと江藤アナは日田市の物産展でわざわざ買ってきた♪『ひた初恋ロール』♪を、ハコさんと私にプレゼント。ぴりりとさわやかの出会いと題されたロールケーキ。日田の女子高生のみなさんが考案されて、高文連研究作品コンクールでグランプリ作品という逸品。
 「わあ~、愛ちゃんありがとう」と感激のハコさんと私。と、番組はニギニギしくスタート。
Img_0903_250 ハコさんは1975年、アルバム「飛びます」でデビュー。ギタ ー片手にパワフルな歌声と、一方でもの悲しい刹那さがつのるような歌声。その美しき少女は一躍人気のアイドル的存在にノシ上がりました。直木賞作家の五木寛之さんの代表作「青春の門」の筑豊編の中のから『織江の唄』を作詩、それを山崎ハコさんが作曲。これを歌うと大ヒット。1981年のことでした。オールナイトニッポンのDJ、演劇の演出、エッセイの執筆。そして、寺山修二作詩「テンポイントの詩」を作曲し、歌い上げました。トウショウボーイやグリーングラスなどのライバル馬も登場。競馬ファンには是非とも聴きたい一曲です。

 「ハコさん、この度は女優としてデビューしたとか」と私。Img_0905_180
 「そうなんですよ。号外まで作っちゃったんですよ。ハハハ」とハコさん。「だから今夜は監 督以下、スタッフ、出演者がほとんどこの番組を聴いていてくれているらしいです」
 「そりゃ凄い。映画は『ヘヴンズ・ストーリー』ですよね」
 「ええ、そうなんです。瀬々敬久監督が私財を投じて作った映画なんです」
 「監督も凄い熱の入れようですね。なんでまたハコさんに依頼が来たの?」と私。
 「いやあ、実は監督も同じ大分出身ということもあって、前から応援して頂いていたらしいのですが、ひょんなことから私の名前が出て、私の知り合いを通じて直接私のところに電話がかかってきました」とハコさん。
 「それにしても、共演されている役者さんが凄いですよね。今人気の忍成修吾さんに、村上淳さん、柄本明さん、佐藤浩市さん、光石研さん、吹越満さん、長谷川朝晴さん他の凄い役者さん。女優陣も片岡礼子さん、江口のりこさん、根岸季衣さん、崔岡萌希さん、大島葉子さん、渡辺真起子さん、長澤奈央さん、本多叶奈さん。凄い顔ぶれです」
 「でしょう。でも皆さんそれぞれに忙しい人ばかりだから、一番ヒマなわたしが、この映画の宣伝を頑張っているわけなんですよ。ハハハ」とハコさん。続けて、
 「渋谷の文化村そばにあるユーロスペースには、ほとんど毎日のように行っているかも。2回目の始まる前に、皆さんの前でいろいろトークショー的なこともやるんですよ。また大衆演劇よろしく終了後にドアの横に立ち、お客様の送り出しをしているんです。この前なんかは、映画のわたしとわかると、涙ながらに手を差し伸べてきてくれたり、思わずわたしも涙を流したり・・」とハコさん。
 「それにしても、上映時間が4時間38分。長いですよねー」
 「そうなんだけど、それが観ちゃうと長さをまったく感じさせないんです。あら、もう終わりなの?という感じかな。でも、この長さだから映画館としても1日、2回しか上映ができない。あまり利益にならないから上映館が少なくて・・」とハコさん。
 「そりゃ大変だ。えーと、銀座シネパトスと渋谷のユーロスペース2館のみか・・」
 「だから多くの皆さんに観てほしい。お客様が増えれば、上映館も増えるし、上映の日にちも延びます。本当に素晴らしくいい映画なので、是非、多くの方に観てほしいんです。絶対感動するはずですよ」と、ハコさんは太鼓判。
 「おそらくアカデミー賞外国語映画賞の『おくりびと』のように外国の映画祭にも出品すると思います」とハコさん。
 映画のチラシには、この世界で、私たちは、憎しみをぶつけ合い、愛を求め合う。かつてない密度の濃い映画館体験!!「再生」への全9章、4時間38分のカタルシスとあります。
 「1年に及ぶ撮影でしたから、それぞれの四季の映像が凄くいいの。絶対感動すると思います」と、自信をみせるハコさん。
 久しぶりに力強い山崎ハコさんに会えたような気がしました。