真夏のハンデ戦で、傾向は波乱含みの様相。馬場のインサイド寄りは芝が剥げてボコボコしたコンディション。
そんな中で、中京記念はスタートを切られました。内からアメリカズカップ、マイネルアウラートが前に出て行きます。ダッシュが鈍かった連覇を狙う2番人気ウインガニオンが、外から津村騎手がしごいて先頭に立ちました。
内の2頭が早く仕掛けて出たぶんペースがグンと上がります。前半3ハロンが33秒8、半マイルが45秒3。
これらの動きを見ながらロジクライの浜中騎手は、少し離れた4番手を確保。グレーターロンドンは中団の後ろをキープ。その後方に4番人気リライアブルエース。ワントゥワン、ガリバルディは最後方。
4コーナーを先頭でまわったウインガニオンは、馬場中央に進路を取り、その内側にマイネルアウラートが必死に食らいつきます。ポッカリあいたインサイドからアメリカズカップ。一気に仕掛けて先頭に立ちかけます。 ウインガニオンの直後に迫っていたロジクライが、前を行くウインガニオンの外に出すものと見ていると、なんと急激に内側に斜行。たまたま直後に他の馬がいなかったのですが、浜中騎手は持ち替えて左ステッキで矯正せず、右ステッキを入れたために、ボコボコ馬場の内側に突入。前にはマイネルアウラートと外のウインガニオン。仕方なくこの厳しい間をこじ開けるようにして割って入ります。そのときにマイネルアウラートと接触したように見えました。
それでもラスト100mで先頭に立ったロジクライ。ところが後方で末脚を温存していたグレーターロンドンが、満を持して直線大外からグングンと肉迫。フロンティアもそこにいます。
ゴール前でロジクライを捉えたグレーターロンドンが優勝。しぶとく馬体を並べていたロジクライが2着。一旦、3番手に外から伸びて来たフロンティアを、寸前で大外から鋭く迫ったリライアブルエースがクビ差先着し3着。
デムーロ騎手の3番人気ワントゥワンが5着。アメリカズカップが6着でした。一方、連覇を狙って逃げたウインガニオンは8着に撃沈。
1分32秒3のレコード決着。ラスト3ハロンが35秒3。明らかに先行した馬にとっては厳しい展開となりました。持ち味をフルに生かした田辺騎手のグレーターロンドン。ベストの距離で、すべてが理想的に運びました。この決め手は今年の秋の中距離路線で楽しみです。 一方、惜しくも2着に敗れたロジクライ。私はまず負けられないとの思いで◎をうちましたが、直線ですぐ前にいるウインガニオンの外に並びかけるものと考えていたら、気性なのか内に大きく切れ込むロス。しかも避けたかったインサイドの馬場寄り。そんな状況下で、何故、浜中騎手は右ステッキから左に持ち替えて、矯正しなかったのか、まったく解せません。
真っ直ぐウインガニオンの外に出していれば、着差から逆転していた可能性があったと思います。そういう意味でも残念な一戦でした。