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Archive for 2022年6月11日

汚名返上だ!ようやく手にした待望のGI制覇!

 春のGIシリーズの最終戦。72回を迎えた伝統の「安田記念」。勝者は3週前の「ヴィクトリアマイル」で、2番人気に推されながら、僅差の5着に敗れたソングライン(4番人気)。

「ヴィクトリアマイル」の反省から、鞍上の池添騎手は「厩舎の期待になんとしても応えたい。その一心で騎乗しました」と振り返ります。続けて「いいスタートが切れたのでポジションを取り、結果的にそれがうまくいきました」。

  レースはホウオウアマゾンが予定通り主導権。外からレシステンシア、内からカフェファラオ、ダイアトニックが、前で流れに乗ろうと画策。そこへ流れが遅くなると考えたダノンザキッドが、間をこじ開けるように2番手をキープ。その背後にファインルージュ、その後ろをサリオス。それを前に見て中団の外にソングライン。

そして、ソングラインをマークする形で2番人気のシュネルマイスター。そこにはセリフォスもいます。そして、1番人気のイルーシヴパンサーは、いつものように最後方で末脚勝負に徹しています。

前半の半マイルが46秒7、予想通り落ち着いたペースで流れます。内ピッタリと逃げるホウオウアマゾン。勝負どころの4コーナーで内の馬場状態を考慮して、内側から中央近くに持ち出したダノンザキッドが、抜群の手応えでホウオウアマゾンに馬体を並びかけて来ました。ダノンザキッドの真後ろにいたファインルージュが、ダノンザキッドの内から併せる形でじんわりと進出。

馬場の外目から迫って来たサリオス。その外からソングライン。これらを追うように一番大外がセリフォス。そして、2番人気のシュネルマイスターが満を持して馬場の中央を割るように強襲。

ゴール前は内、外の6頭が横並びになる、まるでハンデ戦のような大激戦。そんな中でサリオスの外から鋭く伸びたソングラインが、内から強襲したシュネルマイスターを振り切りクビ差先着。アタマ差でサリオスが3着。大外から伸び脚が目立った3歳馬セリフォスが4着。内のファインルージュとダノンザキッドがハナ差で5、6着。

  そして、1番人気のイルーシヴパンサーは後方から最速の32秒6の強靭な末脚で追い上げてきたものの僅か0秒2差の8着。結果的にあまりにも展開が不向きだったように思えます。と、同時にこれがGIの壁かも知れません。

昨秋のGI「マイルCS」のグランアレグリアに続く牝馬の優勝。ヴィクトリアマイルを制したソダシと同様に、「時代は牝馬強し!」の傾向は当分マイル戦では続きそうな予感がします。

大合唱でユタカ・コール!53歳の天才という男が凱旋!!

  「ユタカ!ユタカ!ユタカ!」大観衆で埋め尽くされた東京競馬場のスタンドから、拳を振り上げて「ユタカ・コール」の歓声が鳴り響きます。

  「いやあ、最高ですね~。大観衆の前で、この結果は凄く嬉しいです。感無量です」と53歳の天才は、はにかむように両手を高く挙げて、そのコールに応えていました。司会者が「このコールを叫びたくて待っていたんです」と返すと、「ユタカ!ユタカ!ユタカ!」と、再び場内に響き渡っていました。

  第89回目を迎えた東京優駿「日本ダービー」。皐月賞で上位を占めた4頭が支持を集める中で、武豊騎手ドウデュース(3番人気)が、直線外から先頭に立ったアスクビクターモアを一気に捉えると、大外から迫って来たルメール騎手のイクイノックス(2番人気)をクビ差振り切り優勝。

9年前のキセキ以来、6度目の日本ダービー制覇。それはまた53歳という最年長でのダービー優勝でもありました。

  レースは逃げ宣言をしたデシエルト。岩田康騎手が必死にしごいて先手を主張していきます。内から好スタートを決めたアスクビクターモア(7番人気)が、すんなりと2番手でしたが、同型のビーアストニッシドが前に出ようとして、内のアスクビクターモアと2番手を争う形。そのため逃げたデシエルトの2ハロン目が10秒8を記録。2400mの半分、1200m通過が1分10秒6。緩みない展開となってしまいました。

中団に皐月賞馬のジオグリフ(4番人気)と、直後に1番人気のダノンベルーガ。そして、それらをマークするように中団後方にドウデュース。その背後にピタリとイクイノックス。外枠の人気馬がそれぞれを牽制する形。

緩みない流れで進んだ今年のダービー。直線に入り先頭のデシエルトにアスクビクターモアが並びかけたのがラスト400m。このときの2000m通過が1分58秒2。そして早々に先頭に立ったアスクビクターモア。まわりに他の馬がいないので内、外とふらつきます。

そのときでした。直線外から猛然とドウデュースが強襲。先頭のアスクビクターモアに馬体を並べたのがラスト200m。そしてイクイノックスが内から直線大外に持ち出して迫って来ます。早めに先頭に躍り出たドウデュースをめがけて猛然と追撃。

一方で、馬込みの中から内目を通ってダノンベルーガ。3番手に下がったアスクビクターモアの内から迫ります。一旦、3番手に上がったように見えましたが、アスクビクターモアの最後の踏ん張りで差し返します。

結果は、優勝ドウデュース。クビ差でイクイノックス。3着はアスクビクターモアがクビ差ダノンベルーガを振り切りました。

2分21秒9はダービー・レコード。スタンド前に凱旋するドウデュースと武豊騎手。スタンドは“ユタカ・コール”で迎えていました。

私の◎アスクビクターモアはレコード決着に正攻法で臨み、ダノンベルーガの追撃を退けた内容は大いに称賛ものです。秋の菊花賞が楽しみです。