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衝撃!遊びながら勝っちゃった日本ダービー!!


   

その騎手は終えたばかりの夢の最高の舞台で、少し高ぶる気持ちを抑えながらもこう言いました。

「遊びながら勝っちゃうのですから、素晴らしい馬です!」。それはまさに度肝を抜くような衝撃的な優勝でした。

3歳牡馬コントレイル(父ディープインパクト)。皐月賞を制して4戦4勝で臨んだ夢の大舞台「日本ダービー」。宿敵サリオス(2番人気)も霞む単勝1.4倍。スタンドの大歓声こそないものの2冠に王手をかけたコントレイルにとっては、まさに史上に残る記録的な支持を受けてターフに登場しました。

レースは外からウインカーネリアンが仕掛け気味に先頭に立ちます。2番手がコルテジア。その後が出たなりに自然とコントレイル。その外に並びかけるディープボンド。そしてヴェルトライゼンデ、ガロアクリーク、外から仕掛けてヴァルコス。これにほとんど差がなくワーケアとアルジャンナ。その外、中団前にサリオス。さらに内にはサトノインプレッサ。並びかけるようにビターエンダー。一団で展開します。

前半の5ハロンを過ぎたあたりから後方に位置していたマンオブスピリットが、外から捲るようにグングン上昇。一気に先頭を奪います。5ハロン通過が61秒7。それは想定されたようにスローで進んで行きます。

そして、4コーナーを先頭のマンオブスピリットがややリード。外に並びかけんとコルテジア。その外にディープボンド。それらの動きを見ながら直後のコルテジアが抜群の手応えで虎視耽々。

そして、ラスト300m付近で軽く福永騎手が仕掛けると、それに即座に反応してコントレイルが馬場の中央を堂々と先頭に立ちます。そこからコントレイルの真骨頂。異次元の強さ、破壊力で後続をまったく問題にせず、ラストが最速の34秒0で再加速。ライバルのコントレイルを徹底的にマークしていたサリオスを、おいでおいでとばかりに3馬身も余裕で突き放し栄光のゴールイン。

それは、まさに役者の違い、貫録の違いの結末だったような気がします。むろん、サリオスも良く走りました。外からラスト34秒1の鋭い脚を見せながら、コントレイルの強さには脱帽。ひとつ時代が異なれば2冠馬に輝いた可能性があります。

3着は一旦、中団に位置を下げたヴェルトライゼンデ。最内から迫ったサトノインプレッサ、そして好位からしぶとく伸びたディープボンドを振り切り3着に頑張りました。

そして、ワーケアはラスト34秒3の高速決着に無念の8着。一方、サトノフラッグは後方のまま冴えず11着。さらにダーリントンホールも後方で13着入線。ワーケア、サトノフラッグともに、ひとつ歯車が噛み合わなかった印象が残ります。

7262頭が目指した頂点、「日本ダービー」。最先端に到達したコントレイル。無敗馬によるダービー制覇は、奇しくもディープインパクト以来、実に15年ぶりの大偉業となりました。

また、5番枠のコントレイル。父のディープインパクトと同じ5番枠。さらに、あのオルフェーヴルもダービーは5番枠。それは3冠馬の機運が、運命が導いているのでしょうか。