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Archive for 2013年5月15日

名ストッパー大魔神!5度目の挑戦でようやくGI制覇に辿り着いた歓喜の汗と涙!

 優勝セレモニーから花束を手に引き上げてきたひと際、背の高いスーツ姿の御仁。それが“大魔神”こと佐々木主浩さん。傍らにはその子供たちと、今もって見目麗しい加奈子夫人。

 桜花賞、オークス、秋華賞の牝馬3冠で宿命のライバル、ジェンティルドンナの前にいずれも2着。ジェンティルドンナを欠いたエリザベス女王杯では、道悪巧者のレインボーダリアのクビ差2着。GIというタイトルが、ヴィルシーナにとっては、なんとも遠い1年でした。

 そして、今回のヴィクトリアマイルはヴィルシーナにとっては、あの宿敵ジェンティルドンナが不在。しかも、桜花賞でジェンティルと半馬身差で渡り合ったマイル戦。休養明けの大阪杯をひと叩きして、まさに背水の陣ともいうべき一戦だったのです。

 ゴール前のデットヒートで昨年の覇者、ホエールキャプチャの執念のような追い込みを退け、電光掲示板には”ハナ差“の文字が点滅。

 「やりましたねー、おめでとうございます!」という言葉には聞きなれているはずの大魔神。

 私の顔を見るなり「あ、アベコーさん、ありがとうございます。もの凄く嬉しいです」と、滝のように流れ出る汗を拭きながら、ありったけの笑顔で返してくれました。

 少し離れたところにいた加奈子夫人も私の顔を見るなり「また2着かと思いました。本当にありがとうございます。まだドキドキしていますよ」と、幸せスマイルで気持ちを表していました。

 今年のヴィクトリアマイルは昨年のクイーンズバーンのような典型的な逃げ馬を欠いて、前残りの競馬になりそうな予感がありました。

 スタートと同時に飛び出したのがヴィルシーナ。それは抜群のスタートでした。一方、ホエールキャプチャは躓き気味のスタート。結果的にこの差が最後の最後に出るとは、この時点では、当然ながら知る由もありませんでした。

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 そして周りに目を配り何が行くのか、行かないなら自分が行こうか、とばかりに内田博騎手が相手の出方を探ります。

 そして、ヴィルシーナの内から戸﨑騎手のアイムユアーズが並んで行き、これを抜いて先頭。内田博騎手のヴィルシーナが手綱を引いて2番手。その内にからマイネイサベルが1番枠とヴィルシーナをマークするということからか一転した積極策。外から進出してきた少し掛かり気味のメーデイアと共に3番手を争います。その後ろにドナウブルーと3番人気のサウンドオブハート。中団には内にオールザットジャズがいて、その直後に2番人気の切れ者ハナズゴール。外側にはホエールキャプチャとイチオクノホシ。後方にはジョワドヴィーヴルとレインボーダリアで、最後方がアロマティコ。

前半34秒6、半マイルが46秒3。昨年のヴィクトリアマイルと同じようなペースで流れて行きます。

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 主導権を取ったアイムユアーズの直後で満を持していたマイネイサベル。前のヴィルシーナの内から一気に仕掛けて先頭に立ちかけたのが直線ラスト400m手前。これを見たヴィルシーナの内田博騎手もラストスパート態勢。他の先行勢がこれに咄嗟に反応できず置いていかれます。中団から外に出したホエールキャプチャの脚色が良く前に急接近。先頭はマイネイサベル、追うヴィルシーナ、外からホエールキャプチャ。ハナズゴールも直後に迫っていましたが鋭さがなし。大外からジョワドヴィーヴルも来ています。

 内にマイネイサベルその外にヴィルシーナ、そして並びかけたホエールキャプチャ。3頭の激しい叩き合い。真ん中のヴィルシーナがグイと鼻先を伸ばしたところがゴールでした。それにピッタリと馬体を併せたホエールキャプチャ。

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 ゴールを過ぎて共に顔を見合わせて「どっち?」とばかり表情を投げかけ合う二人。そして電光掲示板には「11」番の馬番号が点灯。スタンドは大歓声。

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 1分32秒4の優勝タイム。昨年と同タイムの決着でした。また、この時計は4年前の勝者ウオッカ、3年前の優勝馬ブエナビスタと同じタイムだったのです。

 ヴィルシーナはこのあと宝塚記念を視野に調整を進めて行くことになりそうです。またジェンティルドンナの対決が楽しみになりました。

人気同士の神経戦はプレッシャーでともすると惨めな結末になる?!

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 お互いがお互いを意識する余りに、そこには手綱を操る乗り手同士の微妙な空気。そして時間の経過と共にかかるプレッシャー。3歳マイル王決定戦「NHKマイルC」は、そうした神経戦の様相も呈していました。

 2.9倍という圧倒的な支持を集めた重賞2連勝中のエーシントップ。初芝の毎日杯でマイル通過1分33秒7というケタ違いのスピードと、粘り腰を見せつけたガイヤースヴェルト。また勝負強さはここ右翼のレッドアリオンに、2戦目の千両賞でマイル1分33秒6駆け抜けたスピード馬コパノリチャード。朝日杯FS3着のゴットフリートが5番人気で前を追っていました。

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 当然、主導権を取ったのがダッシュ力で上回るコパノリチャード。このコパノリチャードの逃げをピッタリとマークする作戦を取ったのがガイヤースヴェルト。そして、この先行2頭を徹底してマークする形になったのが、人気の中心エーシントップ。

 コパノリチャードの福永騎手は、背後でマークされるのを承知の上での逃げ。一方でガイヤースヴェルトのウイリアムズ騎手は、前のリチャードをマークしつつエーシントップを警戒。その直後で前の2頭を相手と見ていたエーシントップの内田博騎手は、当然ながらピッタリとついて行って、早目に捉まえ押し切ることが勝利への道と考えていたように思われます。この先行3頭、眼下のライバル同士は、そのライバルを破れば優勝だ!思いは同じようでした。

 前半3ハロンが34秒4で、半マイルが46秒1。前半33秒台を連発していた過去のNHKマイルCからみても平均的なペース。高速決着が続く極上の馬場コンディションという現在の状況下にあって、この流れは先行した3頭にはまさに願ってもないペースだったように思います。

 快調に逃げるコパノリチャード。これを直後でピッタリとマークするガイヤースヴェルト。この2頭に目標を絞って進めるエーシントップ。まさに息を呑むシーンが続きます。それは4コーナーまで“静まり返った”神経戦の闘いのようにも思えたほどでした。

 エーシントップの内田博騎手にしてみれば、ガイヤースヴェルトがコパノリチャードを捉まえに仕掛けたときがゴーサイン。一方でガイヤースヴェルトにしてみれば、背後のエーシントップの脚色を見つつ、逃げるコパノリチャードを早目に捉まえたい。

 で、4コーナーを回って直線に向いたときでした。エーシントップが少し置いていかれる場面があったのです。ペースが11秒7から11秒3に上がったときでした。その一瞬を見たウイリアムズ騎手は、コパノリチャード一本の追撃体制に目標を切り替えたようにも見えました。

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 残り2ハロン、400mの時点で逃げ込みを計るコパノリチャードの福永騎手の手が動きます。それに並びかけようとするガイヤースヴェルト。2頭が3番手以下を少し離したかのように見えましたが、エーシントップ、フラムドグロワールも接近。あと1ハロン、200mを切ってコパノリチャードに並びかけたガイヤースヴェルトが先頭。懸命に頑張るコパノリチャード。その外にフラムドグロワールが接近。外にエーシントップとインパルスヒーロー。そのとき外のインパルスが内にささり気味になりエーシントップの内田博騎手が絞られる形で手綱を引きます。そして大外に出したマイネルホウオウがもの凄い脚で強襲。

 先頭に立ったガイヤースヴェルトをゴール寸前で一気に呑み込み、内にフラムドグロアール、中にインパルスヒーロー、外はマイネルホウオウが馬体を併せたままゴールイン。外のマイネルホウオウがクビ差抜け出ていました。

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 ステッキを右手で空に向け、大きな雄叫びをあげる柴田大知騎手。そして深くガッツポーズをして再度の雄叫び。

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 柴田大知騎手はこの勝ちが通算200勝目。しかも平地のGIで初制覇。1996年3月2日の初騎乗以来、4546戦目、35歳でのことでした。

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 感極まって泣きじゃくる柴田大知騎手。「勝てなかった年が何年も続いたので200勝は考えられない数字です。諦めないでよかった。本当に多くの方に感謝しています」と涙を拭いながら喜びのコメント。きっと双子の弟ジョッキーであった柴田未崎騎手(現在、調教助手)も、兄の快挙を祝福していることでしょう。