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Archive for 2017年5月12日

圧倒的強さを見せたアエロリットはどこまで強くなるか!!

  NHKマイルCは2番人気に推されたアエロリットが、まさに横綱相撲で後続を圧倒。時計が1分32秒3、ラスト34秒0。破格のタイムで余裕の圧勝でした。秋に大きな期待を繋げました。 桜花賞で6番人気。私はこのとき◎で応援したのですが、道悪馬場に脚をとられて後手にまわり、最後方から追い込んだものの惜しい5着。ゴール前の脚色は1頭だけ際立っていました。

ところが、この日のNHKマイルCは、まるでウソのようなフライング気味の抜群のスタート。1頭だけ1馬身抜けていました。こうなると、労せずして好位置をガッチリとキープ。結局、これで勝負あり!といった様相でした。

主導権を取ったボンセルヴィーソ。仕掛けて最内から2番手に上がりかけたモンドキャンノ。外から並びかけるトラスト。そこへディバインコードに外からアエロリットが抜群の手応え。

一方、1番人気のカラクレナイは中団の内。そのすぐ前にはリエノテソーロ。そしてカラクレナイの外にオールザゴー。その外からレッドアンシェル。カラクレナイの後を進むミスエルテが続き、その後にアウトライアーズがいます。

前半の半マイルが46秒1、1000m通過で57秒9。緩みない流れですが、現在の東京は典型的な高速馬場。先行した馬たちが、なかなか止まらないのです。

好位の外目で抜群の手応えを見せていたアエロリットが余裕で好位を気持ちよさそうに走っています。

 直線で逃げるボンセルヴィーソ並びかけたアエロリット。ラスト200mの手前でした。あっという間に突き放しにかかります。内で粘るボンセルヴィーソ。外からは直線に入り内から外に出したリエノテソーロが、グングンと末脚を伸ばして来ます。それに続いて後方に待機していたレッドアンシェル。その内からオールザゴー。タイムトリップもいます。ミスエルテも懸命に前を追います。

 と言っても、アエロリットの脚色から勝者はほぼ確定。詰め寄るリエノテソーロ。少し離れて内のボンセルヴィーソ。追い込んだレッドアンシェルの順でゴール板を通過。

ガッツポーズの横山典騎手。アエロリットの馬上からステッキを持った右手を高々と突き上げます。

1分32秒3、ラスト34秒3で余裕を感じたくらいでした。昨年、圧倒的な1番人気で優勝したメジャーエンブレムが1分32秒8。3年前、1番人気で優勝したミッキーアイルが1分33秒2。比較しても破格のレベルです。

おそらく秋は秋華賞を目指すものと思われますが、その後のマイルCSを含めて、3歳牝馬、大いにそのパフォーマンスが期待されます。

一方、NHKマイルCで1番人気にカラクレナイ。17着のブービー。中団のインでまったく伸びを欠きました。これにはデムーロ騎手も首を捻るばかり。

また、東京が舞台で注目したモンドキャンノは、スタートと同時にルメール騎手が仕掛けて2番手付近を確保。少し掛る仕草。直線外から豪快にレーヌミノルを差し切った迫力は見られませんでした。内で包まれる精神的なモロさがあるのかも知れません。

キタサンブラック圧巻の強さはここにあった!!

ステイヤーとして最高峰、『天皇賞・春』は、終わってみれば1番人気に支持されたキタサンブラックが、2番手追走から早めに抜け出し横綱相撲。それもレコード勝ちという圧巻の内容でした。

キタサンブラックは昨春の天皇賞で、3番手のカレンミロティックにハナ差までに肉薄される薄氷の1勝。スローペースになったときに、危ういところを露呈しました。

ところが、今年は違いました。外から飛び出したヤマカツライデンが、一気に先頭に立つと、後続をグングンと引き離し、一時は10馬身以上も2番手のキタサンブラックに水をあける大逃げ状態。

1000m通過が58秒3、1600mで1分34秒5、2000mは1分59秒7。できるだけ後続を離して、ひと泡吹かせてやろうという思いから、大きな逃げを打つヤマカツライデン。

この玉砕的ペースに動揺されず、離れた2番手で自己のペースを守るキタサンブラック。先頭から後方まで30馬身くらいの縦長の展開。

2番人気のサトノダイヤモンドもキタサンのマークで、いつでも動ける外目の中団を追走。キタサンブラックの直後にワンアンドオンリー、内にアドマイヤデウス。

そして内からシャケトラ、外に並ぶシュヴァルグラン。サトノダイヤモンドはその直後に陣取りました。

中団にはアルバート、トーセンバジルがいます。出負けしたゴールドアクターとディーマジェスティが並んで追走。そしてポツンと最後方をレインボーライン。逃げるヤマカツライデンから離ればなれの長い展開です。

ヤマカツライデンに並びかけ4角で先頭に立ったキタサンブラック。それを見たアドマイヤデウスが内から2番手を狙います。その外からシュヴァルグラン。そのまた外からサトノダイヤモンド。後続が離れます。

先頭に立ったキタサンブラック。やや脚色が鈍りましたが、2番手以下もキタサンを上回る鋭さがなく、そのままキタサンブラックが押し切り春の天皇賞連覇を達成。

2着にシュヴァルグラン。その外から詰め寄ったサトノダイヤモンド。内から詰め寄ったアドマイヤデウスが4着。離れた5着にアルバート。ディーマジェスティ、ゴールドアクターと続きました。

3番人気のシャケトラは、この緩みない流れに早めに打って出たものの体力がついて行かず9着に後退。レインボーラインは12着に敗退。

私は単勝12.0倍のシュヴァルグラン。昨春の天皇賞でも良く伸びていましたが、流れが向いてなくて3着。緩みない流れなら差し切りも十分あると見ていたのですが、最後は力比べ、持久力比べに持ち込まれてしまいました。

ラスト1ハロンが12秒2。キタサンブラックにとっては最高のペースでした。仮にラスト33、34秒台、1ハロンが11秒台となると、抜群の切れ味を持つサトノダイヤモンドが浮上したことでしょう。

よってハイペースは望むところ。キタサンブラックの武豊騎手はそう考えていたはず。ヤマカツライデンの大逃げは大きな援護射撃になったはずです。速いペースに強いスタミナホース、それがキタサンブラックなのです。従って、囁かれる凱旋門賞向きではないような印象があります。