fbpx

Archive for 2017年9月28日

レイデオロが横綱相撲!菊花賞キャンセルの摩訶不思議?!

菊花賞トライアルの「神戸新聞杯」。圧倒的2.2倍の支持を受けたレイデオロ。ルメール騎手はスローと見てガッチリと好位3、4番手をキープ。直線中程で早めに先頭に立つと、後続を寄せつけずに2馬身差の横綱相撲。ゴール前は余裕綽々でした。

これで菊花賞には向かわず、当初の予定通り11月26日のジャパンCに直行となるとのことです。

それにしても、生涯1回しか挑戦できない、クラシック「菊花賞」を早々とキャンセルするとは、なんとも解せない話です。

日本ダービーで名実ともに日本一と言う頂点に立ちながら、菊花賞をパスすることを公言。3000mの距離は向いていない!2400がこの馬の限界だ、ということらしいのです。

3000mの距離は、ほとんどすべての菊花賞出走馬が未知なる部分。ライバルに比べて分が悪いということなのでしょうか。その線引きはオーナー、そして藤沢和調教師が熟考して選択したことなので、異を唱えることは控えますが、ダービー、そして今回の神戸新聞杯を振り返り、その判断が正解だったか、となると、なんとも微妙です。

というよりも今年の同期は例年よりも手薄な印象。そして、今回の神戸新聞杯の圧倒的内容から、ラスト3冠目の菊花賞に挑戦させても良かったのではないかと思います。 父はキングカメハメハ、母の父がシンボリクリスエス。血統的な背景から距離の問題はありません。

神戸新聞杯を乗り終えたあとのルメール騎手は「馬が大人になって、乗りやすくなりました。スタミナはあるし、目標は先だけど楽しみです」と、スタミナがあることを公言していました。

ラスト3ハロンが11秒3-11秒4-11秒8。この流れに圧倒的な迫力で星を伸ばしたレイデオロ。菊花賞パスがなんとももったいない印象です。

さて、神戸新聞杯で2、3着したのが2番人気のキセキ。そして3番人気サトノアーサー。人気通り順当な結果でした。

キセキは好位で展開するレイデオロに対して中団のインを追走。直線で馬込みの間を割って伸びて来ました。ラスト3ハロンが唯一33秒台で33秒9。

一方で、サトノアーサーは終始レイデオロの背後について、伸びて来たのですが、キセキの決め手に屈してしまった格好です。

逃げたアダムバローズの2番手に付けてレースを進めた4番人気のダンビュライトが、一息伸びを欠いて4着。16k増の馬体は成長分と見ていますが、先に行ったぶんレイデオロの目標にされた形でした。現在の賞金が1050万。菊花賞出走が微妙です。

私は逃げると見ていたマイスタイルに注目していたのですが、スタートが甘くなり仕方なく3番手。4角では外にレイデオロに並ばれて、そこからヨーイドンの決め手の勝負では持ち味を生かせませんでした。残念です。

G1戦線に躍り出た新星ミッキースワロー&ラビットラン!!

迫って来たG1「菊花賞」と「秋華賞」。3歳馬にとっての頂点。まず、阪神で行われた秋華賞トライアルの「ローズS」。

優勝した8番人気ラビットラン。4コーナーまで後方待機。直線で大外に出すと、ゴール前で一気に強襲。突き抜けてしまいました。

ラビットランは7月の中京で500万を接戦でモノにしてきた馬。今回は抽選で勝って出走。キャリアが浅く、今回のローズSを入れてもキャリア5戦。米国のダート血統が色濃く、デビューから3戦はすべてダート。ところが、騎乗した和田騎手はオークス2着の愛馬モズカッチャンではなく、ラビットランに騎乗して来ました。7月の中京(芝1600)で乗り味が格別良かったのでしょうか。

主導権を取ったのが外からカワキタエンカ。1番人気のファンディーナ、そしてカラクレナイ、レーヌミノルと好位を人気の有力どころが、ひしめき合います。私の◎メイショウオワラは中団の馬込みの中。後方にはリスグラシュー。

前半の半マイルが46秒4で、5F通過が58秒6。いくらか水分を含んだ馬場コンディション。まずまず緩みないペースです。4角で前にいるファンディーナを目標に内からモズカッチャンが進出。レーヌミノルも続きます。さらに外に出したメイショウオワラが前に接近。

内ピッタリと快調に逃げるカワキタエンカ。ファンディーナを外から捉えてメイショウオワラが進出。さらに一番外からラビットラン。それを追ってリスグラシューとミリッサ。一番伸び脚のいいのがラビットラン。グングン伸びて逃げ込みを図るカワキタエンカ目がけて外から強襲。一気に突き抜けました。ラスト33秒5。ど派手なパンチ力でした。 カワキタエンカも懸命に逃げ粘り2着に頑張り、リスグラシュー、ミリッサの追撃を振り切りました。メイショウオワラが5着。惜しかったです。

ファンディーナが6着に敗退。22k増の526k。成長分と言うよりも急仕上げの印象。7着モズカッチャンもプラス14k。残念です。

一方で、菊花賞トライアル「セントライト記念」は、1.7倍の圧倒的人気のアルアイン(10k増)を、ゴール前で外から捉えたミッキースワローがケタ違いの迫力でアッサリと捉えると、余裕の圧勝劇。

私は春から注目していたミッキースワローが、ほとんど完璧な仕上がりで登場したことから、ここは全力投球、まず負けられないと推測。パドックでは一番後ろを周回。ほどよく気合も乗ってカンペキな仕上がりと見えました。

レースは主導権を取ったサンデームーティエが前半の5ハロンを61秒8。前日の雨がいくらか残る馬場でしたが、スローペースに持ち込みました。これを内からサトノコロニクル(12k増)がスローを予測していたように好位3番手。隣にはクリンチャー(18k増)とお互いを牽制。この直後で展開するアルアイン。そして、その直後にミッキースワロー。

直線、内で頑張るスティッフェリオを捉えたアルアイン。サトノコロニクルを置き去りに力強くゴールを目指しましたが、アルアインの背後で機を窺っていたミッキースワローが余裕で並びかけて、あっという間に先頭。これからギアチェンジだと、ばかりグンと突き抜けたのです。それはまさに圧勝でした。

2分12秒7は昨年のディーマジェスティの2分13秒1よりも速く、一昨年のキタサンブラック2分13秒8も楽々凌ぐタイム。

しかも、過去10年、上り3ハロンが34秒台だったのが、5年前のフェノーメノの時で34秒7。この年が1度でした。ところが、今年は34秒0と際立っています。しかも、ミッキースワロー自身がラスト33秒4の最速。ゴール前の1ハロンが11秒0。

「時計じゃないけど、ゴール前はまた伸びる手応えだったよね。いやあ、ビックリしている」と、騎乗した横山典騎手は、隣の私にポツリと語ってくれました。

今年の秋は横山典騎手から目を離せません。