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Archive for 2017年8月25日

ああ!これは悪夢なのか!真夏の札幌で何が起きた!!

注目していた函館記念で9着と惨敗したサクラアンプルール。休養明け?道悪?出遅れ?すべてが敗因だったような気がしました。 「こんなもんじゃない。中山記念でロゴタイプやアンビシャス、ヴィブロスといったGIレベルの馬に先着。それも厳しい位置から最速のパンチ力で、優勝したネオリアリズムに肉薄した力は相当なものだ。狙いはひと叩きした今回の札幌記念だ。札幌記念こそが勝負なのだ。よし倍返しだ、10倍返しだ!大勝負に出るぞー!」私は手ぐすね引いて待っていた一戦でした。

相手は別定戦だから常識的に見て、まず実績からヤマカツエース、エアスピネル、サウンズオブアースの3頭。他はアングライフェンとマウントロブソンかな。 私は単勝、馬単、馬連はヤマカツエースの1点。3連単が1番サクラアンプルールの1着固定。そして念のため3連複も抑えれば万全だろう。はやる気持ちは勝利の勝鬨状態でした。

1番枠を引いたサクラアンプルール。中山記念でインの馬込みを割って強襲した走りから内枠はありがたい。私はそう考えました。

そしてスタートをうまく出たサクラアンプルール。中団のインをキープ。逃げるロードヴァンドール。2番手に控えるマイネルミラノ。タマモベストプレイの外からじわじわとエアスピネル。それを直後でピッタリとマークのヤマカツエース。この2頭を警戒して背後で脚を温存するサウンズオブアース。それらの動きを中団のインでじっと我慢するサクラアンプルール。

4コーナーでマイネルミラノが逃げるロードヴァンドールに並びかけて先頭に立つか立たないかの時に、馬体を併せて来たエアスピネル。すると外からヤマカツエースが肉薄。それに続くサウンズオブアース。

そんなときに中団インから4コーナーで外に出したサクラアンプルールが猛然とスパート。

そこでお疲れ気味のマイネルミラノが脱落。エアスピネルが先頭に立つと、待っていたとばかりにヤマカツエース。この2頭はいつもより早めの印象でしたが、サウンズオブアースも続きます。

そして、外で満を持していたサクラアンプルールが、中山記念で見せたような末脚が炸裂。外からヤマカツエースに並びかける間でもなく一気に捉えると先頭に立ちます。そして突き放しにかかりましたが、なんと外から猛然と追い込んで来る馬がいました。なんだあれは?それがナリタハリケーンでした。近況不振の8歳馬です。先頭に立ったサクラアンプルール目がけてグイグイ肉薄。 なんとかクビ差、サクラアンプルール(6番人気)が先着して初重賞勝ち。2着がナリタハリケーン。そして1番人気ヤマカツエースが3着。サウンズオブアースが4着。2番人気のエアスピネルが5着でした。

それにしても、ブービー人気だったナリタハリケーン。成績的に近走はパッとしなく、しかも8歳馬。それで別定の57k。この程度の馬がGIで良績あるヤマカツエースやエアスピネル、サウンズオブアースに先着するとは、騎乗した藤岡康騎手もビックリの快走でした。

時計が2分0秒4、2年前のディサイファが1分59秒0。3年前のハープスターが1分59秒1。良馬場ではこれくらいの決着でしたが、今年は例年よりも平凡な時計になってしまいました。そこにナリタハリケーンの度肝を抜く好走があったように思います。

私が購入した馬券には「1・2・3・7・13」の電光掲示板だけが空しく点滅しておりました・・。

チャンスありと思った騎手心理が招いた関屋記念!!

「新潟外回りだから行きたい馬を行かして、じっくりと乗ればチャンスが出て来る」ほとんどの騎手はそう考えて騎乗していたはずです。ただ1頭を除いては・・・。 その1頭がマルターズアポジーでした。いつも緩みないペースで逃げるタイプ。今回の関屋記念も間違いなく逃げの作戦。

これで、はたと考えたのが中京記念を勝ち、目下破竹の3連勝中のウインガニオン。いつものように逃げるということは、マルターズアポジーとガチンコ勝負。「それは避けたい。ならばマルターズアポジーを行けるだけ行かして、こちらは2番手から直線で捉まえればいいんだ。直線が長いので後続の脚に注意して仕掛けのタイミングを計ろう」津村騎手はそう考えていたはずです。

同じことは2、3番手に付けたマイネルハニーにも同様のことが言えました。昨年の関屋記念を2、3番手の正攻法で2着のダノンリバティもしかり。

つまり逃げるマルターズアポジーは無視して、それぞれ自分たちのペースでレースを進めよう。なれば結果はおのずとついて来るはずだ。そう考えていたように思われます。

むろん、後方で待機の1番人気メートルダール。そして2番人気ロードクエストも新潟2歳Sを制した直線の外回りに全精力を傾けます。同じようにブラックムーンもラスト直線勝負で待機策。

そなると、逃げるマルターズアポジーにとっては、新潟外回りの1600mが久しぶりだったとはいえ、むしろ他が見逃してくれるぶん有利な材料だったのです。

マルターズアポジーの武士沢騎手は、開口一番「うまくいきました」とコメント。まさに、それはマルターズアポジーのマルターズアポジーによるワンマンショーだったのです。

躊躇なく主導権を取りに先頭に立つと、外から進出したウインガニオンの津村騎手が即座に抑えます。これにマルターズアポジーが呼応。オールザゴー、そしてダノンリバティといった後続各馬の騎手も手綱を絞ります。ヤングマンパワーも好位でシッカリと折り合いに専念。

中団の後ろくらいにロードクエスト。その後ろのインにダノンプラチナ。同じくらいの位置をメートルダールとブラックムーン。最後方追走をトーセンデュークが追走。

前半の半マイルが46秒6。そして1000m通過が57秒9と、緩みない流れです。こんなペースで2番手のウインガニオンがシッカリと折り合って末脚を温存。3番手にマイネルハニー。その直後にダノンリバティ。ヤングマンパワーも好位置で展開。

さて、大きな水を開けて4コーナーを離した先頭でまわるマルターズアポジー。2番手のウインガニオンとかなりの差です。マイネルハニーもいますが柴田大騎手の手が動いています。その内にはダノンリバティ。マイネルハニーの外からヤングマンパワー。最内をついてダノンプラチナ。11秒1-11秒0の高速の決着。大きくリードを取っていたマルターズアポジーを必死に追うウインガニオン。マイネルハニーは脱落。続くダノンリバティとヤングマンパワー。最内からダノンプラチナ。外から馬込みを縫うようにロードクエスト。

勝負あり!マルターズアポジーの逃げ切り勝ち。ラスト3ハロンが34秒3。ラスト1ハロンは12秒2を要したものの堂々たる逃走劇でした。1分32秒2は自己の持ちタイムを大きく更新。

ウインガニオンが2番手を死守する形で2着。ダノンリバティがクビ差3着。そこから半馬身差まで詰め寄ったヤングマンパワーが4着。

2番人気のロードクエストが6着。ラストは33秒3。そして1番人気のメートルダールが後方のまま12着。ブラックムーンも後方で見せ場なし。最後は流していました。

私はこういうケースもあるかな、と考えて勝ち馬には△印だったのですが、気がかりだった大阪杯、七夕賞の大敗は微塵も感じさせない上々の内容でした。 やはり、単騎逃げの馬は不気味な存在です。改めて再確認させられました。