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Archive for 2019年6月28日

紅一点!2番手策が功を奏したグランプリ!!

なんだこれは!?「3・2・2」と、映し出された電光掲示板。終わったばかりの春のグランプリ「宝塚記念」。60回目を迎えた古馬の一戦級が揃った伝統の一戦。例年激しい戦いが繰り広げられていましたが、今年は離ればなれの結果に障害レースを思い浮かべたほどです。

圧倒的に強い牡馬陣のデータの中で、優勝は紅一点の3番人気リスグラシュー。予想通り主導権を取った1番人気のキセキの少し離れた2番手を追走。3コーナーでキセキの背後にピッタリと付いてまわり、直線中程で先頭のキセキの外に並びかけると、力強い足取りでパワー全開!余裕で3馬身も突き放す独走劇。

キセキが2番手を守り抜き、2馬身離れた3着が実力者スワーヴリチャード。そこからまた2馬身離れてGI大阪杯を制したアルアイン。その内に人気を分けたレイデオロは伸びを欠き5着。また1勝馬ながら部類の堅実派エタリオウは9着と敗退。

  主導権を取ったキセキがスタートで、なかなか先頭に立つことができず、鞍上の川田騎手が手綱をシゴいてシゴいてようやく先頭。同型馬が不在の顔ぶれ。最内枠から楽に主導権を思えたのですが、なんとやっと主導権。いつものキセキではない、私はそう考えました。そんな中で外枠から好スタートを決めたリスグラシュー。鞍上のレーン騎手は内の馬たちを見ながらスルスルと2番手に付けました。

3番手に外からスワーヴリチャードと内にアルアイン。スティッフェリオもピッタリと付きます。インサイドをレイデオロ、クリンチャーが中団で、後方にエタリオウ。最後方をポツンとマカヒキ。 前半の半マイルが47秒9、1000m通過60秒ジャスト。予測通りスローに落として逃げるキセキ。少し離し気味で楽な展開と見えたのですが、3コーナーで2番手のリスグラシューがジワジワと接近。これに後続も一団で続きます。

そして4コーナーをまわり直線に入ると、ラストスパートをかける2番手のリスグラシューが仕掛けます。ところが、3番手のアルアインとスワーヴリチャードがついて行けません。その後ろのインをキープしたレイデオロでしたが、ルメール騎手がステッキを入れても前に詰めるよる迫力がありません。

キセキを捉えたリスグラシュー。力強い足取りでゴール前は余裕を見せて3馬身差のワンサイド走。圧倒的な強さを披露しました。

離された2着にキセキ。また2馬身離れて3着がスワーヴリチャード。同じく2馬身離れた4着がアルアイン。5着がレイデオロ。牡馬のGI馬が離れ離れで敗走。エタリオウも9着。

エタリオウに騎乗した横山典騎手は「天皇賞の疲れが残っていたのかも知れない」とコメント。

今年の宝塚記念は優勝したリスグラシュー以外、2着キセキ以下、どうも本調子を欠いたような宝塚記念だった気がしました。  

衝撃!玉砕的ペースで競り勝ったとんでもない1頭!!

  それは衝撃的でもありました。3歳馬による東京ダートの「ユニコーンS」は、初めてのダートにもかかわらず堂々逃げ切ったワイドファラオ(3番人気)。その速さ、その勝負強さは度肝を抜くような初重賞制覇でした。

逃げ、先行馬が多かったにもかかわらず、1番枠から飛び出すと何が何でもと言う勢いで、外に並ぶイメル、ヴァニラアイスを抑えて主導権。初ダートでもあり福永騎手も砂を被らないように少し強引でも主導権にこだわったのかも知れません。

そのため東京ダート1600mにもかかわらず、前半の3ハロンが33秒9と言った玉砕的なペース。過去10年で最速の通過ラップ。それも古馬の頂点、GI「フェブラリーS」でも過去に見られなかった前半33秒9。このままでは東京でもあり、撃沈するものと予測した私。さらに半マイルが45秒8と想像以上の激しい流れ。

当然、逃げたワイドファラオ自身、そして2番手追走のヴァニラアイス、イメル、ダンスキャッスルも失速と考えていたのですが、直線中程から外を追い上げて来た2番人気のデュープロセスの伸び脚が目立ちます。そして逃げるワイドファラオに馬体を並べて激しい叩き合い。なんとワイドファラオがデュープロセスを振り切り優勝。着差はアタマ差でしたが内容的は衝撃的でした。 東京ダート1600mを前半3ハロンが古馬GI顔負けの33秒9。明らかにこれはある意味で無謀なペースでした。直線の長い東京で待機馬が押し寄せてくるだろう、と見ていたら後続は追走に手いっぱいだったせいか、際立った末脚で追い込んでくる馬がいません。そのなかで、かろうじてデュープロセスだけが中団外からゴール前で迫って来たのです。

しかし、逃げていたワイドファラオは玉砕的なペースだったにもかかわらず、ゴール前で外からデュープロセスに並びかけられながら、驚異の二枚腰を披露して、これを振り切って見せたのです。

さすがにラスト3ハロンは37秒1を要したものの自らのペースで1分35秒5。それで勝ち上がったポテンシャルの高さ。まさにそれは衝撃的でした。 1番人気の推されたデアフルーグは後方から伸びきれず7着。逆に6番人気のダンツキャッスルが3番手追走から、しぶとく食い下がり3着と好走。同様に2番手追走の8番人気ヴァニラアイスが4着。好位のエルモンストロが5着。ハイペースながらレースとしては先行馬が残る異例の決着となりました。

ハイペースで後方待機馬が台頭、という方程式はこのユニコーンSに限っては通用しませんでした。