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Archive for 2022年9月16日

衝撃の剛腕!岩田康の大胆な騎乗を見たか?!

    秋競馬の開幕週は中山でマイルのハンデ戦「京成杯オータムH」。良馬場であれば例年、高速決着となるのですが、今年は1勝クラスよりも遅い1分33秒6。かつ、優勝馬から10着までのタイム差が0秒5差。どっと各馬ゴールに飛び込んできた格好です。

  優勝した1番人気ファルコニアは好スタートからすかさず正攻法の3番手をキープ。この位置で流れに乗りました。

ダッシュ良く飛び出したベレヌス(4番人気)。同型馬が不在とあって出来るだけペースを落として逃げようと西村淳騎手は作戦を組み立てていたはずです。加えて、先行するだろうシュリがスタート前に跛行で出走除外。

それゆえ前半の3ハロンが35秒5、そして半マイルが47秒5。未勝利クラス並みのペース。この超スローペースでは見せ場なしに終わってしまうと、考えたのか岩田康騎手のミッキーブリランテ。後方から外を一気にまくるように仕掛けて出て行きます。2コーナーをまわるとベレヌスに変わって先頭。これにベレヌスは抵抗を見せず2番手で納得。しかも、12番人気とあってミッキーブリランテを後続馬の騎手はスルー。

先頭のミッキーブリランテから後方まで一団の展開。4コーナーで逃げるミッキーブリランテの外からベレヌス。その外にファルコニアが接近。またそのひとつ外にはクリノプレミアム。いつもより早めに中団インで待機したデムーロ騎手のミスニューヨークが、外に出せず、仕方なく馬込の中を狙って前を窺います。

このスローペースに内で頑張るミッキーブリランテ。ゴール前で並びかけるファルコニア。激しい叩き合いの末にクビ差ファルコニアに軍配。そこへ後続も殺到。内で頑張るベレヌスと外のクリノプレミアムの厳しい間を割らんばかりにミスニューヨーク。ゴール前で前を塞がれて不運のブレーキ。それでも諦めず追うミスニューヨーク。その争いは外のクリノプレミアムが、ミスニューヨークをクビ差抑えて3着。ベレヌスは5着。

  2番人気に推されたダーリントンホールはスローペースで後方待機。結局流れに乗れず12着と敗退。遅い流れを読んで正攻法で騎乗したファルコニアの吉田隼人騎手。あの大阪杯を彷彿させる騎乗ぶりでした。

また、意表をつく大胆なレースを見せたミッキーブリランテの岩田康騎手。あっぱれの騎乗だったと思います。

一方で、ベレヌスの西村淳騎手は内枠からすんなりとペースを落として、単騎逃げの形に持ち込めることを考えていたはずですが、結局、抵抗も出来ないままミッキーブリランテに主導権を譲ってしまったことが悔やまれます。さすがに若い西村淳騎手と、ベテランで剛腕の岩田康騎手が相手ではガチンコのケンカは出来なかったのかも知れません。

 

6歳と7歳の決着!新潟の伝統の一戦は真夏の夢のような大波乱!!

   実に厄介で大難解な競馬と言えば、新潟夏の伝統的一戦「新潟記念」です。ハンデ戦で新潟外回りの芝2000m。最終日で夏の間に走り込まれた馬場コンディション厳しい状態。しかも、今年は秋雨前線の影響で当日の天候もありフルゲートの18頭。ポジション取りなどでジョッキーも頭を抱える難解な一戦となりました。

  そんな頭を抱える一戦となった今年の新潟記念。ある1頭の馬に目が留まりました。カラテです。ところが、折からの降雨でパワフルさスタミナを要求される馬場コンディション。加えてトップハンデの57.5k。マイル戦でその決め手を磨いて来たカラテ。熟考の末に直前で立ち止まり、印を☆印に格下げしてしまったのです。

ところが、競馬とは摩訶不思議なドラマ。いつも中団ないし後方待機から直線勝負に出て来るカラテが、抜群のスタートを決めて先行各馬の直後で、前の動きを見ながらの展開。

ゴールドスミスが主導権を取ったものの後続が接近して一団の展開。これにたまらんとばかりに外からカイザーバローズが口を割り気味に3角で先頭。

前半の半マイルが48秒3、1000m通過で60秒5。まさにスローペース。そのためカラテは好位置をゆっくりと追走。これが結果的に大きな後押しになりました。

直線で馬場の中央をフェーングロッテンが先頭に立ちます。その内からカラテ、そして同じ枠の1番人気ヒートオンビートが伸びて来ました。ここでカラテの鞍上の菅原騎手は躊躇なく仕掛けます。勢いが違いました。抜け出したカラテを追ってヒートオンビート、外からフェーングロッテン、フォワードアゲンが追撃。

このとき驚いた1頭がいました。4コーナーを最後方近くでまわり、大外に進路をとったユーキャンスマイルが猛然と追い込んで来たのです。3年前の新潟記念を制したユーキャンスマイル。7歳馬とは思えないような強烈な末脚(ラスト33秒0は自己ベスト)をフル回転させてグングンと肉薄。

早目に抜けだしたカラテもラスト33秒3の決め手を発揮。大外から迫ったユーキャンスマイルを振り切り逃げ切り勝ち。6歳と7歳の結着。ハンデが57.5kと57のワンツー。10番人気と9番人気による1、2着。重賞では滅多にお目に掛かれないような結果となりました。

前々で流れに乗った53kの3歳フェーングロッテンがしぶとく3着に頑張りました。また、1番人気のヒートオンビートは最後の伸びを欠いて5着に敗退。2番人気のサンレイポケットがあまり見せ場なく8着。

  3連単は70万9120円也。難解で波乱は分かっていたのですが、それにしても今年の新潟記念は真夏の夢馬券となったようです。