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Archive for 2012年10月31日

「インサイドストーリト」の主演男優賞はM・デムーロが最敬礼!

 その時、赤と黒縦縞に黒袖の1頭の馬が一気に先頭。地面を揺るがすような大歓声の中をゴールへ向って真一文字に駆け抜けていきます。
 それはまるでアカデミー賞の授賞式でビロードのような敷き詰められた真っ赤な絨毯の上を、選ばれし者だけがウォーキング出来る特別な空間。それにも似た誇らしげに、そして力強く勇者は駆け抜けて行きます。
 エイシンフラッシュでした。あの一昨年の日本ダービーで栄冠を手にした5歳の代表格エイシンフラッシュでした。前を遮るものはなし。視界良好。対岸ではフェノーメノ、カレンブラックヒルなどが争っています。
 エイシンフラッシュのためにだけ用意されたVロード。ゴールに到達した瞬間、あん上のM・デムーロは勝利のステッキを右手に高々と掲げて、興奮をそのまま全身でアピール。
 それはアカデミー賞で主演男優賞を手にしたときのトロフィーを高々と掲げて、喜びを全身で表現したしたときのパフォーマンスそのものでした。
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 今年は近代競馬150周年という記念すべき年の天皇賞。7年ぶりに天皇皇后両陛下をお迎えして、例年以上に盛り上がった天皇賞となりました。
5  出走馬の中にオルフェーヴルの名前こそありませんでしたが、3歳GI馬で無敗のカレンブラックヒル、そしてダービー2着のフェノーメノが参戦。レコード決着だった昨秋の天皇賞で1、2着のトーセンジョーダン、ダークシャドウ。有馬記念でオルフェーヴルの2着だったエイシンフラッシュ。宝塚記念でオルフェーヴルの2着馬ルーラーシップ。まさにトップクラスの馬が集結。
 ところが、高速馬場が続いた東京競馬場に土曜日の夜半から雨。天気予報は日曜午後から雨でしたが、ほぼ午前中で小雨は上がり、午後になると陽射しも見える天気となっていました。
6  それもあってか芝コースはインサイドよりアウトサイド、できるだけ外側を選択して走らせようとする各騎手の思惑があったようです。このことが結果的に大きく左右することにもなりました。
7  主導権を取ったのは2番枠を引いたシルポート。小牧太騎手が気合を入れて捨て身の逃げ。みるみるうちに後続との差を広げていきます。離れた2番手にカレンブラックヒル。この展開は毎日王冠と同じ。また離れてダイワファルコンが3番手で、そこからまた間が開いてフェノーメノ。直後にアーネストリー、その外にジャスタウェイ。そしてダークシャドウが中団の外。その内にエイシンフラッシュ。ナカヤマナイトがいて外にトーセンジョーダン。後方のインには出負けしたルーラーシップ。先頭のシルポートから一気に縦長になる展開。
8  前半の3ハロンが34秒8、4ハロンは46秒0。かなり速いピッチでシルポートが飛ばします。3コーナーでは2番手のカレンブラックヒルと優に10馬身以上もある大きな差。後続はほとんど動きません。1400m通過が1分20秒7。レコード並みのハイピッチで逃げるシルポート。4コーナーを大きな差をつけたまま先頭でまわったシルポート。1600m通過が1分32秒7。
9  あまりの先頭との差に4角をまわったところで、2番手のカレンブラックヒルが追い出しにかかります。ダイワファルコンが続き、少し離れてフェノーメノ。アーネストリーにジャスタウェイが進撃開始。中団のダークシャドウは進路を外に取ります。ここが勝負の分岐点でした。エイシンフラッシュが最内の経済コース。後方のルーラーシップも直線は外に進路を選択。
10_1  急激に脚色が鈍ってきたシルポートを捉えたカレンブラックヒル。とはいえ4角から仕掛けたので、初めての2000mということもあり、毎日王冠で見せた我慢強さは消え失せていました。そこを直後のフェノーメノが抜け出し、これは勝たれたかと思った瞬間、ラスト200mでガラガラの最内からもの凄い勢い伸びてきたのがエイシンフラッシュ。経済コースを走り温存した末脚を全開。一気に先頭に立つとゴールに向って真一文字。フェノーメノが抵抗する間もありませんでした。
 ゴール前で外からダークシャドウがジワジワと迫って来たのですが、後方から強烈な伸び脚でルーラーシップが強襲。
 結果はエイシンフラッシュ、半馬身差でフェノーメノ。3着ルーラーシップ、4着ダークシャドウ。カレンブラックヒルが5着。また3歳の同期、ジャスタウェイは毎日王冠に続きカレンブラックヒルとクビ差。この辺は格なのでしょうか。

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 スタンド前に引き上げてきたエイシンフラッシュのM・デムーロ騎手が、下馬して右足を地面に付き、ヘルメットを外して来賓席の天皇皇后両陛下に深く最敬礼。両陛下も賞賛の拍手で迎えられました。

ある決定的データで富士Sは◎○!果たして天皇賞は・・?

 「富士ステークス」はこのデータをもってすれば、間違いなく3歳馬の決着になる!2年前のガルボが13番人気で3着、昨年のマイネルラクリマが5番人気で3着。意外に頑張っているのが3歳馬。
No1  そのことに加えて、今年の秋は3歳馬が大活躍。それは中距離のオープンでより顕著。京成杯オータムHのレオアクティヴ。そしてポートアイランドSのオリービン。決定的だったのが毎日王冠のカレンブラックヒルとジャスタウェイの1、2着。GI馬が揃った古馬陣を粉砕。古馬の中距離戦では、3歳馬旋風というよりまさに台風なのです。
 しかも、これらの馬に共通するのが春の東京GI「NHKマイルC」に参戦していたことでした。ちなみに、カレンブラックヒルが優勝し、前記オリービンが4着。ジャスタウェイが6着でレオアクティヴが8着。
 それを踏まえて富士Sを考察すると、NHKマイルC3着に押し上げたクラレントは、今回乗り替わって岩田騎手にバトン。斤量が54Kで実戦をひと叩きした上積みからも、NHKマイルと同じ東京のマイル戦。ここは大勝負と見て◎。そのNHKマイルCから1週後の500万でマイル1分33秒8、ラスト32秒6という凄い時計で走ったファイナルフォームが久々でも○。
 また、NHKマイルC5着だったセイクリットレーヴが▲。この馬はエプソムC以来の実戦。さらに休養明け秋2戦を消化した朝日杯FS3番人気のダローネガが☆印。重要な印はすべて3歳馬で統一。
 結果は好スタートから中団の外側に付けたクラレントが、先行勢を捉えると早めに先頭に立ち、内にモタレながらもそのままファイナルフォームの追撃を振り切って見事優勝。同じ芝1600mのデイリー杯2歳S以来の重賞勝ちとなりました。
No2  中団から鋭く追い込んだファイナルフォーム。同じような位置から大外伸びたヒットジャポット、間を割って鋭く迫ったダローネガは、直線で前が壁になる不利があって頭差及ばず4着。
 それにしても、3歳馬4頭で上位1、2、4着。3歳馬の中距離での強さを裏付ける結果となりました。来月のマイルチャンピオンシップが大いに楽しみです。
 一方、3歳無敗の主砲、カレンブラックヒル、ジャスタウェイの毎日王冠コンビは、今週の天皇賞に挑戦。同じ3歳のフェノーメノは菊花賞を蹴って、この古馬相手の天皇賞に挑戦。ダービー2着、セントライト記念圧勝。菊花賞に出走していたらまた違ったドラマが生まれていたかも知れませんが、この3頭の3歳馬の勢いが伝統の天皇賞でも通用するのかどうか、大いに注目されます。
 ただ、枠順的に毎日王冠と同様内枠が欲しかったカレンブラックヒルが16番枠。東京芝2000mという内枠有利でこの枠順。それでも勝つようであれば、大変な偉業で歴史的な無敗馬として永く賞賛されることでしょう。歴史を変えることができるのか、競馬ファンの衆目が集まります。