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Archive for 2013年3月23日

阪神大賞典から古馬の長距離戦線に見る現実と未来!

 私は長距離のマラソンレースが大好きです。1マイルを2回も走る春の天皇賞。レース中のジョッキーと馬の会話にも似た、そのお互いの呼吸が短距離戦では決して見ることができない、いわば芸術と競走のコラボのように感じるからです。また、長距離戦には必ずといっていいくらい出て来る血統的な背景。これも長距離戦のドラマを盛り上げるのにかかせません。

 3月17日の阪神では、天皇賞の前哨戦ともいえる「阪神大賞典」。昨年はぶっち切りの人気に推されたオルフェーヴルが、アクシデント的な逸走により不覚の2着。場内は大パニックでした。

あれから1年、今年は2冠馬、そして暮れのグランプリ有馬記念を制したゴールドシップが参戦。これで今年の阪神大賞典は盛り上がりを見せるだろうと、一瞬考えたのですが顔ぶれを見て驚きました。

菊花賞4着で前走の京都記念2着のベールドインパクト、ステイヤーズS3着、万葉S優勝のデスペラード。長距離戦に実績があるフォゲッタブル。10歳でステイヤーズSを制した最年長のマラソンホースであるトウカイトリック。

まあ、これらはOKとしても、オープンでは馬券に絡んだことがなく、大敗続きでお手上げ状態のピエナファンタスト。ダートに新天地を求めたもののまったくダメで、ただ長距離で使えるレースがあれば出て来る8歳のお荷物的モンテクリスエス。前走のダイヤモンドSでは16頭中16番人気で2年以上も馬券の対象になっていないエンドマークを背負っている観のあるコスモヘレノス。おそらく条件レースに出ても勝てないような馬が、別定のGⅡに挑戦してくるのですから、2冠馬でグランプリホースのゴールドシップにあまりにも失礼。アタマ数さえ揃えばいいといった風潮のある最近の競馬の傾向が垣間見ることができます。

私たち競馬ファンは、たとえ頭数が少なくても、例えばゴールドシップVSオルフェーヴルVSルーラーシップの3頭立てでも、ファンは興奮して勝者には惜しみない拍手を送るはずです。それが本来の競馬であり、ファンが待ち望んでいる競馬だという思いがしています。

そんなお荷物的なメンバーも加わった今年の阪神大賞典。もちろん、単勝1.1倍のゴールドシップ一色でした。

1_1 2_1 3_1

ダッシュが鈍くて最後方に置かれたゴールドシップ。3番人気のデスペラードと共に後方で待機策。そのすぐ前には2番人気のベールドインパクトと、4番人気のトウカイトリックがいます。主導権を取って快調に飛ばすマカニビスティー。まさに捨て身の逃げ作戦。2番手で控えるフォゲッタブル。私の予想ではこのフォゲッタブルがゴールドップの2着争いの筆頭と予測。

前半の1000mが61秒2で、2000m通過が2分3秒3という珍しいくらいに緩みない流れで縦に長い展開。

「内回りで縦に長い展開になると前が残りやすい」と考えたゴールドシップの内田博騎手は、2週目の3コーナーからスパート。4角で先頭集団に追いついて、内から抜け出すフォゲッタブル、そこを中からベールドインパクトが接近。その外にゴールドシップ。さすがにゴールドシップの力量が一枚上手で、あっという間に先頭。内で頑張るフォゲッタブル。福永騎手が懸命に追うベールドインパクトがアッサリ脱落。そこへ満を持して外からデスペラードが強襲。

4_1 5_1 6_1

優勝は2馬身差の横綱相撲でゴールドシップ。激しい2着争いは追い込んだデスペラード。惜しいかなフォゲッタブルが3着。そこから5馬身離れてベールドインパクト。しごく順当な結果になった阪神大賞典。

昨年の同レースの売り上げを約20パーセントもダウン。長距離重賞を減らせという声も聞こえる中で、今回の阪神大賞典のように何でもかんでも出走できればいいという関係者の考え方が、改めて問われるところです。

7_1 8_1

トライアル戦、最後の砦を死守した1番人気ロゴタイプの皐月賞期待値は!?

 皐月賞まで1ヶ月を切ったこの日、中山競馬場では最後の関所といってもいいトライアル「スプリングS」が行われました。

 ここ最近、3歳戦のトライアルレースは1番人気がコロコロと転がるように敗退。なかでも弥生賞ではクラシックの西の大将格エピファネイアが4着、同じように東の横綱格コディーノが3着と揃って敗退。6番人気のカミノタサハラ、10番人気のミヤジタイガに先着されて多くの競馬ファンはガッカリ。

 共同通信杯でラウンドワールドが4着、きさらぎ賞ではラストインパクトが6着と、1番人気が基幹レースで次々敗退。それは皐月賞トライアルの若葉Sでも、圧倒的な1番人気に支持されたメイケイペガスターが、衝撃ともいうべき8着に大凡走。共同通信杯でゴットフリート以下を圧倒した強さは、微塵も垣間見ることができませんでした。優勝したのが7番人気のレッドルーラー。さらに2着が9番人気のクラウンレガーロ。

 そいったクラシック戦線に向う風の中で、朝日杯以来の登板となるロゴタイプにとっても、今回のスプリングSは安穏とした状況ではなかったはずです。

 ところが、ロゴタイプの田中剛調教師は、騎手当時から自身の身体を磨き上げることがプロの世界でいかに大事かということを、常に実践してきた人。土曜日のレースが終わると、夕日を背に一人コースを走っていた姿を、何度か見かけたことがあります。日頃のトレーニングの大切さを自分自身が身を持って体験。今回のロゴタイプの場合もしっかりトレーニングを積み重ねて臨んだはずです。それが馬体重のプラス4Kにも表れているようでした。

1 2 3

 抜群のスタートを決めたロゴタイプが一旦、2番手に下げると、ワイルドドラゴンが内枠を生かして主導権。2番手に押し上げてテイエムダイパワー。その直後にロゴタイプ。Cデムーロ騎手はロゴタイプの折り合いだけを専念。それを見るように内から3番人気のタマモベストプレイ。中団にはサーストンニュースと外にはマンボネフュー。そしてアクションスターとマイネルホウオウ、その外にザラストロ。後方にはフェイムゲーム、アドマイヤオウジャ、シンネン。

 前半3ハロンが36秒8というスローな流れに、ザラストロが我慢しきれず外から一気に上位に浮上。内にワイルドドラゴン中にテイエムダイパワー、外にはザラストロ。3頭が雁行する形でレースを引っ張ります。ロゴタイプにとってはラッキーでした。前の3頭を2馬身くらい離れた後ろの位置から見る形。しかも、3角から4角にかけてロゴタイプの周りに他馬がいないので、進路、走行を邪魔されることもなく、まさに最高にスムーズな展開。

4 5 6

 直線に入るやいなや抜群の手応えで、直線やや外目に出すと、一気に先頭に立ち後続を待つ余裕。ロゴタイプにすぐ内から好位置で仕掛けのタイミングを待っていたタマモベストプレイが肉迫。またロゴタイプの外からマンボネフュー。そして直線の坂を上がった辺りから大外を強襲するマイネルホウオウ。それでも、ロゴタイプの脚色は歴然。力強いフッワークでゴール板前を突き抜けました。左手をスタンドに向け、人差し指を立てて満面笑みのCデムーロ騎手。

 2番手争いは激戦。内からしぶとく伸びたタマモベストプレイ、大外から鋭く伸びたマイネルホウオウ、直線窮屈な馬込みを割ってきたフェイムゲーム。アドマイヤオウジャは馬込みのど真ん中に突入して前が壁。これには応援していた者として残念。

7 8 9

 タマモベストプレイが1馬身半差で2着。クビ差でマイネルホウオウが3着。ハナ差でフェイムゲームが4着でした。

 まさに結果はロゴタイプの快勝でしたが、4着のフェイムゲームと、優勝馬はその差0秒3差。恵まれた理想的なポジションで、何の不利もなくレースが進められたことから考えると、もちろん、皐月賞の有力馬には違いないのですが、これで本番の皐月賞も安泰ということは早計。まだまだ皐月賞のドラマの筋書きは予測不可能なのです。