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Archive for 2017年6月8日

初GI制覇のSアラジンと激ペース2着の昨年優勝馬の決着!!

今年のGI「安田記念は」は、いろいろな意味でインパクトのある一戦でした。優勝は7番人気のサトノアラジン。初GI制覇でした。昨年の安田記念で3番人気。直線追い込んで4着。そのときの優勝馬はロゴタイプ。ちなみに2着があのモーリス。

今年の安田記念は自分の予想コラムでも書いたのですが、香港の馬もいて前半から緩みない流れになると予測。アンビシャス、グレーターロンドンの追い込みタイプを重視。むろん、その中にはサトノアラジンも有力候補でした。

そして、予想通りロゴタイプ、サンライズメジャー、ディサイファ、ブラックスピネル、が前に出て来て、外のロゴタイプが仕掛けながら先頭に立ちました。ヤングマンパワー、香港のコンテントメントも前に出て来ます。

前半の3ハロンが33秒9。昨年ロゴタイプが逃げた時が35秒0。そして半マイルが45秒5、1000m通過は57秒1。まさに緩みないない流れ。

1番人気のイスラボニータは好位置のインサイドをキープ。2番人気のエアスピネルは後方3番手。そのすぐ前にレッドファルクスがいて、それに外から並ぶサトノアラジン。出負けしたアンビシャスは最後方。

そして4コーナーをまわるとラスト600m。逃げるロゴタイプはますます快調。1200m通過が1分8秒1。ここで軽く仕掛けると2番手以下が離れます。昨年のレースを彷彿させる二枚腰。そして、ラスト200mでは後続と5馬身差くらい。

先行勢はギブアップ。馬場中央から後方待機のグレーターロンドン、その外にステステファノスが伸びて来ましたが、その後方にいたサトノアラジンが、レッドファルクスを従えて、グイグイと接近して来ました。

1400m通過が1分19秒4。さすがのロゴタイプも11秒3→12秒1にダウン。そんな状況下で外のサトノアラジンが、ロゴタイプを捉えたところがゴールでした。一番外のレッドファルクスが3着。しぶとく頑張ったグレーターロンドンが4着。エアスピネルは内からようやく開いたところを押し上げて5着。

優勝したサトノアラジンからエアスピネルまでクビ・クビ・クビ・クビ差の大激戦。ステファノスが7着。半馬身差でイスラボニータ。直線前がカベで抜け出すタイミングを失って不完全燃焼の8着でした。

また、注目していたアンビシャスは勢い激しい流れのマイル戦。出遅れはいつものことでしたが、流れにまったく乗れず、最後方で4角をまわると走法がバラバラ。激しく追い出しをかけたのですが、持ち前の末脚にエンジンがかからず、中程では横山典騎手も諦めたのか無理に追うことはありませんでした。

優勝したサトノアラジンは1分31秒5、ラスト33秒5。レコードに0秒2差。見事な内容です。

それ以上に驚いたのがクビ差2着に頑張ったロゴタイプです。前半緩みないペースで進めながら、ラスト400mで再加速。ゴール前200mでは安田記念2連覇か、と思わせる一戦でした。これで7歳馬。以前なら8歳の夏。16番枠から出て強引に先頭に立ち、出色の内容を演じたロゴタイプ。まさに古豪復活を思わせる快走でした。田中剛厩舎のスタッフの皆さん、関係者の皆さんに心から拍手を送りたい進境です。

神がかりの騎乗か、凄すぎるC・ルメールと言う騎手の天下一品の技!!

   3歳クラシックの頂点、「日本ダービー」。その頂点に立ったのが2番人気に推されたレイデオロ。鞍上はC・ルメール騎手。ヴィクトリアマイル、オークス、そしてダービーとGI3連勝!また素晴らしい記録を重ねました。

今年のダービーは、皐月賞の結果からも飛び抜けた主役が不在。それゆえ、各馬、各騎手にとっては、それぞれチャンスと考えていたはずでした。 ところが、今年は強力な逃げ馬が見あたらず、どんな流れになるのか、各騎手にとっても頭を悩ますところだったのです。

おそらく内枠を引いたマイスタイルが弥生賞と同じく、横山典騎手ゆえ逃げの手に出る可能性があると見ていました。2番手にクリンチャー、トラスト、アメリカズカップ、ダイワギャグニー辺りが追走。マイスタイルの大逃げがあるかも知れない、などと考えていたら、なんと驚きました。

予想通りマイスタイルが主導権を取ったのですが、トラスト、アルアイン、ダンビュライトが、いきなり手綱をガッチリと締めにかかったのです。これで流れは極端に遅くなりました。もっさりしたスタートを切ったレイデオロ、アドミラブル(1番人気)の人気2頭は後方。人気の一角スワーヴリチャード(3番人気)は中団のイン。その真後ろにサトノアーサー。

1000m通過が63秒2。2つ前の青嵐賞(1000万)よりも2秒2も遅い極端なスローペース。

この遅いペースを感じとったルメール騎手は、向こう正面で外からスーっと前に出て行きます。結果的にこの判断が大正解でした。そして3コーナーから12秒6―12秒7。ラスト600mを残して1800m通過地点が1分53秒1。青嵐賞が1分49秒0なので、なんと4秒1も遅いペース。これでは最後方近くで4コーナーをまわって来た馬たちは絶望的です。

逃げるマイスタイルの外からレイデオロ。ルメール騎手は追い出しのタイミングを計るだけ。トラスト、ペルシアンナイト。内からダンビュライト。そしてレイデオロをマークしていたかのようにスワーヴリチャード、その外にアルアイン。アドミラブルは外をまわって中団くらいに進出して来ました。サトノアーサーは不利があり後方2番手。

ラスト200mで馬場中央から先頭に立ったレイデオロ。外からジワジワと迫るスワーヴリチャード。内は懸命に逃げ粘るマイスタイル。その後ろからダンビュライト、そしてペルシアンナイト、アルアインも粘っていましたが、外から迫るアドミラブル。

迫るスワーヴリチャードを振り切ってレイデオロが、そのまま押し切る形で栄光のゴールを駆け抜けました。

3着は粘る内のマイスタイルを大外から、なんとか差し切ったアドミラブル。クビ差でした。 優勝したレイデオロから12着のキョウヘイまで0秒9差。超スローペースが大きく左右した結果となりました。

勝ちタイムが1分26秒9、ラスト3ハロンは33秒8。青嵐賞よりも3秒1も遅いタイムとなりました。

ゆえに、スローを察知したレイデオロのルメール騎手の判断が、まさに神判断となったような気がします。