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Archive for 2017年8月10日

真夏のハンデ戦!奥手の血が開花。ハナ差と言うドラマチック決着!!

 戸崎・サンマルティン(2番人気)は、好位で展開する1番人気のストロングタイタンを警戒して、その背後で徹底的にマークしていました。

大外枠から一気に主導権を取ったバンドワゴン。バンドワゴンの和田は、昨年クランモンタナに騎乗して11番人気ながら2番手から押し切って優勝。今年もクランモンタナは参戦して来たものの主導権を取るようなスピードはないと判断したのかも知れません。それでバンドワゴンは主導権を取る作戦に出ました。

人気が集中したストロングタイタン。前走のマレーシアCをコースレコードで優勝。3番手からクビ差競り勝ったものでしたが、今回の小倉記念も川田騎手で同じような作戦。

ヴォージュが2番手で、その内にはタツゴウゲキ。このタツゴウゲキは騎乗予定のデムーロ騎手が落馬で、急遽、ピンチヒッターに立ったのが秋山騎手でした。

そして、戸崎サンマルティンは中団の外。インにはスピリッツミノル。その外にはフェルメッツア。そして後方はベルーフが待機。

前半の半マイルが46秒7、1000m通過は58秒3。凄い高速馬場で、ハイペースではないものの緩みない流れ。

おそらく戸崎騎手の頭の中には、ストロングタイタンが4角先頭を狙って出て来ると感じていたのでしょう。それを踏まえてサンマルティンは3角過ぎにゴーサイン。スルスルと4コーナーでストロングタイタンの外に馬体を併せに出ました。

バンドワゴンは早くもギブアップ。2番手からヴォージュが先頭に立ちかけましたが、ストロングタイタンを置き去りにしたサンマルティンが、これを容赦なく捉まえて直線先頭。このままゴールに向け真一文字か、と思われましたが、好位でじっと我慢していたタツゴウゲキが、開いた内を通りラストスパート。秋山騎手のステッキに応えて内からサンマルティンに並んで行きます。

外にサンマルティン、内はタツゴウゲキ。激しい叩き合いで2頭並んだままゴールイン。結果、ハナ差だけタツゴウゲキが先に出ていました。

3馬身開いた3着にはベルーフの追い込みをクビ差振り切ったフェルメッツアがいました。

昨年の秋は500万クラスでウロウロしていた5歳タツゴウゲキ。52kの軽ハンデに恵まれたとはいえ、馬体を併せてからの勝負強さはたいしたものです。初重賞制覇となりました。

父がマーベラスサンデー。奥手の代表格。血は争えないということでしょうか。

ノリちゃんマジックで独創的圧勝だったクイーンC!

  横山典弘という騎手は、ときに、とてつもない事を、いとも簡単にやってのける凄いジョッキーです。

それがNHKマイルCの優勝であり、そのときの勝ち馬アエロリットが、再び魅せてくれたのが札幌のクイーンS。 ぜひ主導権を取ってマイペースに持ち込みたいノットフォーマル、同じくクロコスミア。ヤマカツグレースなどがいる中で、追い込んで際どい5着だった桜花賞の実績があるのに、なんとなんとゲートが開くやいなや迷わず先頭。外からクロコスミア、ヤマカツグレース、シャルールが来ても動じません。それどころか、逆に加速して後続をグングン離し、まさに大逃げの様相。

誰が2番人気のアエロリットの大逃げを予測できたでしょうか。このことは、実際に騎乗していた他の騎手に与えた衝撃も大きかったはずです。 もちろん、好位置で控える形もあったと思われますが、横山典騎手の選択は、真一文字の大逃げでした。

横山典騎手は「馬の気分を損ねないように乗りました。馬自身がペースをわかっていますからね。それゆえ乗っていても速いな、という感じはしませんでしたね」とコメント。

この横山典騎手の迫力に、各先行馬に騎乗したジョッキーは動揺気味。無理に競りかけようとは思わず、離された2、3番手を必死で折り合いに専念。

1番人気のアドマイヤリードは最後方でいつものような騎乗。3番人気のマキシマムドパリが、そのすぐ前にいます。私の期待していたパールコードは、少し前を強引に取りに行ったぶん、やや引っ掛かり気味。

前半の半マイルが46秒8、5ハロン通過は58秒3。緩みない流れです。にもかかわらず、度肝を抜く力強い逃走劇。

大きなリードを保ちながら直線では再びその末脚が加速。これには好位で追いかけていた馬たちがお手上げ。4馬身、5馬身とセーフティーリード状態に入ったアエロリット。さすがにラスト3Fは35秒5を要しましたが、堂々2馬身半差の独走。まさに独創的作戦勝ち。

うまく経済コースを走って来たトーセンビクトリーが2着。出遅れながら後方から直線で馬込みを捌いて伸びて来たクインズミラーグロが3着。

3番手で折り合いに専念したクロコスミアが頑張って4着でした。また1番人気のアドマイヤリードが、直線外から伸びてはいるもののバテた馬を捉えただけ。パッとしない6着でした。小柄な424kの馬体。洋芝の札幌は向かないのかも知れません。

同様に3番人気のマキシマムドパリも後方から7着。どうも洋芝は減点のような気もします。

楽しみにしていたパールコードは、スタートで前を取りにしごいたら、少し引っ掛かってしまった印象。それに馬体がプラス12k。予想外に馬体の増加がありました。夏の牝馬の一戦は、なかなか難解です。

益々パワーを付けて来たアエロリット。横山典騎手のコンビで、また一段とスケールがアップしたような気がします。