
それは昨年の秋、
毎日王冠以来の実戦でした。中団の外で末脚を温存した
ザダル(3番人気)。直線で一番外に出すとゴール前で猛然と襲いかかりました。そして内から肉迫するサトノフラッグをクビ差ねじ伏せたのです。
鞍上は
川田騎手や
福永騎手、ルメール
騎手ではありません。年々輝きを増して来た
石橋脩騎手でした。
東京は伝統の
「エプソムカップ」。サッーと雨が通り過ぎるコンディションの中で、1番人気は期待の逸材、4歳
アルジャンナ。直前の
マイラーズCで2着。
鞍上にルメール
騎手を配して来ました。

スタートと同時に内からエアアルマスが飛び出して行きます。それを追って内からセダブリランテス。外から
アトミックフォースとヤシャマルが並ぶように上昇。これに外から仕掛けて意表をつくようにニシノ
デイジーが前に出て行きます。

その背後を占める形で
アルジャンナ。それに並びかけんとガロアクリーク。その真後ろのインから私の期待馬ヴェロックス(8番人気)。内から仕掛け気味にファルコニア。
中団にはヒュミドールに並ぶようにザダル。アドマイヤビルゴも真後ろにいます。その後ろがサトノフラッグ。出遅れたシュリは後方に待機。
前半の半マイルが47秒0、5ハロン通過は58秒8。高速馬場で比較的ゆったりした流れ。先頭から後方まで一団の展開。
そして4コーナーをまわると、直線の内側が傷んでいると言うことで、各馬はサッと外側に広がります。

エアアルマスを直線で内側から捉えたファルコニア。外の
アトミックフォース。その外から迫るサトノフラッグ。そして開いた内からしぶとく伸びて来たヴェロックス。
そのとき一番外から満を持していたザダルが強襲。サトノフラッグの外から内側に寄れて、その走行を妨害する形。

そして勢いで一気に先頭にたったザダル。その内から再び詰め寄ったサトノフラッグでしたが、クビ差でザダルに軍配。
3着は内で粘ったファルコニアが、ゴール前で最内側から伸びたヴェロックスをクビ差振り切りました。
1番人気のルメール・
アルジャンナは絶好のポジションを占めましたが、まったく伸びを欠いて10着。キャリアの浅さが出た印象です。

長期休養明けをモノともせず勝ち上がったザダル。まだまだ未完成のところが多く、伸長度は十分。秋が楽しみになりました。

惜しかったのはサトノフラッグ。やはり良馬場なら走る馬です。そして私が期待していた8番人気のヴェロックス(4着)も復活の気配を感じさせる内容でした。
