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Archive for 2021年7月16日

馬があうとはこのことか!本格化の夏を謳歌するT・Tコンビ!!

それは人と馬の相性なのでしょうか。「馬が合う」とはよく言ったもので、夏の福島伝統のハンデ戦「七夕賞」は、その相性の良さが結果に出た一戦となりました。

  優勝は2番人気に推されたトーラスジェミニ。内から主導権を主張したロザムール(7番人気)を先にやり、無理に追いかけることをしないで2番手をキープする戸崎騎手のトーラスジェミニ。前走の初めてのGIとなった安田記念で、2番手追走からGI級の名マイラーを相手に見せ場十分。金星に匹敵するくらいの僅差の5着に頑張った馬です。以前は主導権を取れないとアラアラだったトーラスジェミニ。

戸崎騎手と安田記念で築き上げた新境地を、2000mの福島の舞台で花を咲かすことが出来ました。

一人旅で逃げるロザムール。鞍上はデムーロ騎手。前半60秒(稍重)の平均ペース。ガッチリと2番手で折り合いを付けさせるトーラスジェミニ。3番手に3番人気のブラックマジック(3番人気)。そして内ピッタリにマウントゴールド(11番人気)。中団に控えたのが昨年の覇者で1番人気に推されたクレッシェンドラヴ。  

展開が動いたのは3コーナー過ぎ。早目にトーラスジェミニが気持ちよく逃げるロザムールの外に並びかけて行きます。そして先頭に立つ勢い。ブラックマジックが続きます。カウディーリョ、外からワーケア。その内にクラージュゲリエ、最内にマウントゴールド。

4コーナーを内にロザムール、馬体を少し離して並ぶトーラスジェミニ。大きな泥が飛びます。ラチ沿いからマウントゴールド。ラスト200mで先頭に立ったトーラスジェミニ。内で頑張るロザムール。大外からショウナンバルディ、その内にプレシャスブルー。

  抜けると思われたトーラスジェミニでしたが、内で盛り返すロザムールに意外に手こずります。最内からマウントゴールドも接近。外からショウナンバルディが強襲。

結局、トーラスジェミニがロザムールにゴールでクビ差先着。そこから1馬身半離れてショウナンバルディ(9番人気)がマウントゴールドをハナ差捉えて3着。

1番人気のクレッシェンドラヴは直線ジリ貧の14着。同様に後方で待機した4番人気ヴァンケドミンゴも12着と動けず凡退。ブラックマジックは8に後退。今年も1番人気は苦戦の敗退となりました。

  初重賞制覇となったトーラスジェミニ。今回の七夕賞の優勝で一皮むけた観があります。戸崎圭太と言う騎手を得て、本格化の夏となりそうな様相です。

モノの違いを見せつけた秋の秘密兵器が圧倒!!

大混戦と見られていた「ラジオNIKKEI賞」。3歳馬によるハンデ戦。そして小雨が降る馬場コンディション。小回りの福島芝1800m。フルゲートの16頭。まさに難解な一戦となりましたが、私の目には自分でもビックリするくらいの自信があったのです。

その名はヴァイスメテオール。私自身のコラムでも書きましたが、2走前の中山のことです。1勝クラスの2000mでしたが、スタートで後手を踏み、離れた最後方に置かれる厳しい展開。ところが直線でまさに次元の異なる末脚、破壊力で馬込みを割って突き抜け、ゴール前は余裕で3馬身差。不良馬場で圧倒的なそのパフォーマンスに衝撃。GI級の逸材のスケールを持った馬に違いない、私の脳裏にはふつふつと期待感で溢れるくらいでした。

  ラジオNIKKEI賞は小回りの福島の舞台だが、スタートを五分に出ると小回りでも間違いなく乗り切れる、私には強い自信があったのです。

そんな強い思いが通じたのか、ヴァイスメテオールはほぼ五分のスタート。中団のインをキープ。主導権は外からノースブリッジ。その外から2番手にタイソウ。そしてグランオフィシエ、シュヴァリエローズが好位をキープ。

スタートが一息だったボーデン(1番人気)、アサマノイタズラと後方。その前には2番人気のリッケンバッカーがいます。

前半の5ハロンが60秒7。いくらか水分を含んだ馬場コンディション。比較的ゆったりとしたペースで流れます。

そして、勝負どころの4コーナー手前で中団インにいたヴァイスメテオールが動きます。内から3頭目の外目の位置にスルスルと進出。先行した3頭の外に並んで来ました。

内では逃げ粘るノースブリッジ。その外にタイソウ。2頭の背後から内を通りワールドリバイバル。それらに外から一気に並びかける間もなく、ケタ違いの破壊力で抜け出すヴァイスメテオール。あとは独壇場でした。余裕綽々と2馬身半差の横綱相撲。役者の違いを見せつけたのです。

内から伸びたワールドリバイバルに2馬身半差。逃げたノースブリッジが3着。それについてまわったタイソウが4着。好位で展開したシュヴァリエローズが5着。先行した馬が上位を占めました。

4コーナーで外に振り回されながら大外から詰め寄ったボーデンが6着。2番人気のリッケンバッカーは9着。アサマノイタズラは13着と惨敗。

  優勝したヴァイスメテオールは5戦3勝。518kと馬格に恵まれたキングカメハメハ産駒。母のシャトーブランシュはローズS2着。マーメイドSで優勝。この秋の飛躍が大いに楽しみです。