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6歳と7歳の決着!新潟の伝統の一戦は真夏の夢のような大波乱!!

   実に厄介で大難解な競馬と言えば、新潟夏の伝統的一戦「新潟記念」です。ハンデ戦で新潟外回りの芝2000m。最終日で夏の間に走り込まれた馬場コンディション厳しい状態。しかも、今年は秋雨前線の影響で当日の天候もありフルゲートの18頭。ポジション取りなどでジョッキーも頭を抱える難解な一戦となりました。

  そんな頭を抱える一戦となった今年の新潟記念。ある1頭の馬に目が留まりました。カラテです。ところが、折からの降雨でパワフルさスタミナを要求される馬場コンディション。加えてトップハンデの57.5k。マイル戦でその決め手を磨いて来たカラテ。熟考の末に直前で立ち止まり、印を☆印に格下げしてしまったのです。

ところが、競馬とは摩訶不思議なドラマ。いつも中団ないし後方待機から直線勝負に出て来るカラテが、抜群のスタートを決めて先行各馬の直後で、前の動きを見ながらの展開。

ゴールドスミスが主導権を取ったものの後続が接近して一団の展開。これにたまらんとばかりに外からカイザーバローズが口を割り気味に3角で先頭。

前半の半マイルが48秒3、1000m通過で60秒5。まさにスローペース。そのためカラテは好位置をゆっくりと追走。これが結果的に大きな後押しになりました。

直線で馬場の中央をフェーングロッテンが先頭に立ちます。その内からカラテ、そして同じ枠の1番人気ヒートオンビートが伸びて来ました。ここでカラテの鞍上の菅原騎手は躊躇なく仕掛けます。勢いが違いました。抜け出したカラテを追ってヒートオンビート、外からフェーングロッテン、フォワードアゲンが追撃。

このとき驚いた1頭がいました。4コーナーを最後方近くでまわり、大外に進路をとったユーキャンスマイルが猛然と追い込んで来たのです。3年前の新潟記念を制したユーキャンスマイル。7歳馬とは思えないような強烈な末脚(ラスト33秒0は自己ベスト)をフル回転させてグングンと肉薄。

早目に抜けだしたカラテもラスト33秒3の決め手を発揮。大外から迫ったユーキャンスマイルを振り切り逃げ切り勝ち。6歳と7歳の結着。ハンデが57.5kと57のワンツー。10番人気と9番人気による1、2着。重賞では滅多にお目に掛かれないような結果となりました。

前々で流れに乗った53kの3歳フェーングロッテンがしぶとく3着に頑張りました。また、1番人気のヒートオンビートは最後の伸びを欠いて5着に敗退。2番人気のサンレイポケットがあまり見せ場なく8着。

  3連単は70万9120円也。難解で波乱は分かっていたのですが、それにしても今年の新潟記念は真夏の夢馬券となったようです。

 

内か外か!? 判断ミスが大きく左右した結末!!

  8月最後の日曜日。札幌では恒例の6ハロン戦「キーンランドカップ」が行われました。今年の札幌は中間の降雨の影響もあって、芝1200mとはいえポジション、コース取りが大きく影響したように思われます。

  1番人気で大外枠の3歳馬トウシンマカオは、川田騎手が騎乗と言うこともあって、多くの支持を集めました。連勝中のウインマーベルが2番人気。抜群の手堅さを見せている短距離巧者ジュビリーヘッドが3番人気。4番人気のヴァトレニ、切れ者エイティーンガールが5番人気と続きました。

  オパールシャルムがジワジワと主導権。これに外からレイハリア。そして内からヴァトレニが続きます。これらを見ながらウインマーベル。この後ろがジュビリーヘッド。外からトウシンマカオ。スタートで後手を踏んだヴェントヴォーチェは後方でインピッタリ。同じような位置に好スタートから下げたメイショウミモザ。そしてエイティーンガールもいます。

前半の3ハロンが34秒5。馬場コンディションもありますが思ったよりも逃げ馬が一息入れたようなペース。

  3コーナー手前で内から動いたのがヴァトレニ。強気に先頭に立ちます。オパールシャルムが2番手。先頭から最後尾まで一塊、ダンゴの展開。従って外々をまわる馬も多く見られました。

逆にインをピッタリと出遅れたルメール騎手のヴェントヴォーチェは、無理なく最短の距離を走ります。

そして4コーナーでは内をピッタリに逃げるヴァトレニ。そして好位からウインマーベルが仕掛けます。一団の後続は4コーナーで外に大きく膨れます。大外に大きく膨れたメイショウミモザは致命的な不利。

  ポッカリと開いた内からヴェントヴォーチェがスルスルと上昇。懸命に頑張るヴァトレニ。2番手のウインマーベルに内から迫るヴェントヴォーチェ。3番手以下が離れます。

3頭の激しい叩き合いはゴール前で真ん中から抜け出したヴェントヴォーチェが優勝。初重賞制覇となりました。ウインマーベルが半馬身遅れて2着。同じく半馬身差でヴァトレニ。外から伸びたトウシンマカオ、粘ったオパールシャルムと続きました。

後方待機組は厳しい展開の中で、直線大外から鋭い脚を見せたエイティーンガールが6着。ジュビリーヘッドは中団で伸びを欠いて7着。メイショウミモザは折角、好スタートを決めながら後方に下げる消極策。終始外々を走らされて、4コーナーでは外ラチ沿いに振り回される致命的なロス。期待しいていただけに騎乗方法も含めてガッカリでした。

逆に、出遅れても見事なプレーを見せたルメール騎手。今年は海外騎乗が多く、騎乗機会が減りましたが、さすがの好判断です。見事な重賞2勝目でした。