注目の秋華賞トライアル。断然の1番人気は桜花賞、オークスであのブエナビスタと大接戦の2着だったレッドディザイア。宿敵のブエナビスタが出ていなければ、当然負けられない一戦でした。
ところが、その前に大きく立ちはだかったのがブロードストリート。春当時から高い注目を集めていた馬で、事実、スイートピーS圧勝し、オークスも4着。夏はじっくり休養し、目標の秋華賞に向け出陣。それがローズSでした。先行馬を射程圏に入れた中団の前あたりに付けて、直線はポカっと開いた馬込みの中から、グイと抜け出して優勝。注目のレッドディザイアが直線猛追して首差まで迫ったところがゴールでした。何か札幌記念でブエナビスタ直線大外から肉薄して2着した一戦を、彷彿させるようなレースでした。
時計が凄いのです。1分44秒7のレコード。勝ち馬のラストが34秒2、レッドディザイアは34秒0。一昨年、1番人気のダイワスカーレットがベッラレイアの追撃を、半馬身差振り切る快勝。その時の時計が1分46秒1で1着。その比較から考えても、際立つ時計です。
ちなみに、ローズSの翌日、古馬準オープン西宮Sで1番人気のスマートギアと、先行して激しく叩き合った大器ナムラクレセント(2番人気)の優勝タイムが1分44秒8。その時計をも上回る1分44秒7のレコード勝ち。この古馬の1、2着馬は秋の重賞に出てきてもいいくらいの好素材揃い。
このローズSの快走は秋華賞に向う上で、大きなターニングポイント。そのレースを制したことにより、来る秋華賞にはブロードストリート、レッドディザイアが一段と激しい闘志を見せてくるはずです。ただし、強烈なレコード勝ちしたことにより気掛かりなのは、その反動。いわゆる2走ボケの症状がでないか、すこぶる気掛かりです。
今回、私の注目はヒカルアマランサス。前走の忘れな草賞で16着。2走前の君子蘭賞では初めての芝1,800mで1分48秒0、ラスト33秒9。キャリア1戦でのこと。中間、牧場やトレセンでしっかり乗り込んできた結果を、改めて追いかけたい1頭です。
一方、セントライト記念は私の本命、セイクリッドバレーが内から猛然と追い上げたものの惜しくも2着。それでも大きく成長の証しを見せてくれました。優勝したナカヤマフェスタは日本ダービーで、あの大雨の中を大外鋭く4着。初秋の中山は絶好の馬場。決め手が最大の売りのナカヤマフェスタには、現在の馬場状況も上々。
全芝が<2231>と抜群に手堅いヒカルマイステージ。3連勝中のアドマイヤメジャーと合わせてどんな競馬になるのか楽しみです。
また、ナカヤマフェスタにとっては、今回がダービー以来で、馬体重がマイナス6K。本番前のこれまた反動が気掛かりです。

延長の新潟開催も今秋で終了ですが、私がレギュラーで出演している競馬実況中継のBSNテレビ「ワンダフル競馬」が、先週で今年は終了。この日は、ゲストにあの人気漫才コンビのTIMのお二人が登場。番組を盛り上げてくれました。中継中にTIMのゴルゴ松本さんから「アベコーさん、このレース(10R小千谷特別)は荒れますか」と聞かれて、「荒れますね。いくら予想しても納得いかないんだから」と、自信がないことを訴えたら、なんとゴルゴ松本さんが、11番人気のリルティングソングから3連複で流し馬券。で、そのリルティングソングがしぶとく2着に大健闘。ワイド6,860円をゲット。さらに、3着にきた6番人気シセイカグヤからもワイド流し馬券がもう一枚。ところが、シセイカグヤからの馬券にはリルティングソングがなく、リルティングソングからの馬券にはシセイカグヤがないのです。ああ、ゴルゴ松本さん不覚! でもご本人はしてやったりの笑み。
「毎度のことですから。当たって儲かればそれでいいんです」と。