天皇賞に続き人気馬が総崩れ。3連単は230万円台のウルトラ穴馬券となりました。
このレースは3連単が開始されてから4年、過去3年はいずれも10万円以上の配当で、一昨年は1番人気が2着(ローレルゲレイロ)だったにもかかわらず、3連単が973万9,870円という度肝を抜く馬券。当時、ピンクカメオ(17番人気)が優勝。内田博騎手がJRAの初GI制覇でした。
その内田博騎手が今回騎乗したグランプリエンゼル。13番人気も納得の実績。ダート1,200mの500万で10番人気。先行してギリギリの勝利。続くこれまた1,200mの橘S。芝の重馬場で11番人気。そこでも人気のエイシンタイガーを相手に半馬身差の僅差で優勝。420K台の小柄で、いつも一杯一杯の競馬。東京芝は1度昨秋の500万サフラン賞で12着。到底どこから見てもGIで好走できるような素材とは思えません。しかも、1,200mを専門に走ってきて、全3勝が1,200m。1,600mは未経験。あのピンクカメオさえOPのマイル戦、菜の花賞の勝ち馬で、当時、NHKマイルC18番人気で3着のムラマサノヨートーも500万ながら芝1,600mを快勝した実績があったのです。
そんな入着さえ期待薄なグランプリエンゼルが初マイル戦で、破格の1分33秒0で3着。どうして、何故?どうやって?答えが見つかりません。
先日のダービートライアル青葉賞優勝のアプレザンレーヴを、毎日杯でもの凄い切れ味で突き放し優勝したアイアンルック。皐月賞馬アンライバルドを相手にスプリングSで接戦し、ニュージーランドTでは余裕の圧勝を飾ったサンカルロ。朝日杯FS3着で共同通信杯を圧勝したブレイクランアウト。これら有力3頭に後塵を浴びせる驚きの快走。この現実を予想しろというのは、いくら穴党の私でも未熟のせいか無理でした。
ところで、NHKマイルCを制したジョーカプチーノ。2番手以下を離し気味に逃げたゲットフルマーク。前半の半マイルが45秒5、5F通過が57秒2。比較的緩みのない流れです。ただし、ジョーカプチーノは離れた2番手で5F通過が57秒7。そこからまた大きく離れた3番手がグランプリエンゼルと、2着に押し上げたレッドスパーダ。とくにレッドスパーダは5F通過が59秒0。最高の馬場コンディションでこの59秒0はスローに近い流れ。ゆえにラスト33秒7の切れ味で勝ち馬を猛追できました。
2着馬にラスト33秒7の脚を使われては、後方待機で優れた瞬発力を持つアイアンルック、ブレイクランアウト、サンカルロの切れ者でも無理。それも団子の形の展開であれば瞬発力の違いで一気にノシ上がってきたのでしょうが、離れ離れの縦長の展開では、まず後続馬に勝ち目はありません。上位馬と着差を詰めるだけで精一杯です。上位5頭は逃げ、先行、好位置と、前で展開して、直線はなるだけ内に入ってきた馬ばかり。この辺にも超高速決着に対応できたポイントがありました。
それにしても、ポツンと理想的な2番手で流れに上手に乗った藤岡康騎手。直線逃げた馬を捕まえたら、そこにゴールがあったという印象のジョーカプチーノ。今まで見たこともない圧倒的に強いレース。1分32秒4は、あの名馬キングカメハメハを凌ぐ時計。凄いことになりました。逆にこんな大偉業達成で反動が気掛かりです。
ブレイクランアウトを筆頭に、何頭かはダービーに駒を進めそうですが、その動向は今後も日々目を離せません。
Archive for 競馬
そりゃ競馬だから何があっても不思議はないけど、グランプリエンゼルは何故?やはり内田マジックかなぁ・・
人気馬が玉砕した天皇賞・春に悲しき口笛が・・(T_T)♪
最終レースが終了。人が途絶えた検量室前。場内のテレビから繰り返し流される「天皇賞・春」。勝利者インタビューに満面の笑みで答える若き獅子、松岡騎手の姿が、画面いっぱいに映し出されていました。検量室の横を抜けると、どこからともなく突然、耳に飛び込んで来た口笛に、思わず私も口ずさんでいました。
♪丘のホテルの赤い灯も 胸のあかりも消えるころ みなと小雨が降るように ふしも悲しい口笛が・・♪ 美空ひばり若き日の名作「悲しき口笛」です。
「天皇賞・春」は人気馬が、見事なまでに壊滅。優勝は松岡騎手が騎乗した12番人気のマイネルキッツ。2着がアルナスライン。3着は追い込んだドリームジャーニー。
1番人気のアサクサキングスが9着に惨敗。2番人気のスクリーンヒーローにいたっては14着と大惨敗。3番人気モンテクリスエスも12着と見せ場なしと、散々な結果。良馬場で人気馬がこうも大惨敗とは、ファンの方もショックを受けたことでしょう。
そもそも、私はこういうケースもあるだろうと考えていました。というのも、昨年のGI戦線を牽引してきた有馬記念圧勝のダイワスカーレットに、天皇賞・秋優勝のウオッカの女王2頭。それにダービー馬ディープスカイ、菊花賞馬オウケンブルースリが出ていないのです。
そういった中にあって、昨秋、大活躍。ジャパンC優勝まで駆け上がったスクリーンヒーロー。返す刀で有馬記念に出走。トップクラスの馬を相手に限度いっぱいの競馬。いやそれ以上の激走続き。その疲労は相当だろう、春は大丈夫だろうか、と考えていたら、追い切りの日のテレビ画面に、右の肩を中心に絆創膏がいくつも。やや、これは何かの治療の痕だろう。何故、リポーターや記者は質問しないのだろう、と不思議な感じでしたが、おおよその予測はつきました。恐らく、休養明けの阪神大賞典を使ったあと、肩のあたりがギコチなかったり、右前脚がひどくコズんでいたのかも知れない。きっと阪神大賞典の疲労が出ていたのだろう、と判断。最大の敗因は今でもこれだと思っています。
アサクサキングスは天皇賞前の京都記念、阪神大賞典を連勝。それも、直前の阪神大賞典は激しいデッドヒート。雨の力の要る馬場コンディションで、3,000mの力走。疲労の度合いも高かったはずです。京都記念、阪神大賞典を連勝した馬で、天皇賞を連勝した馬は、過去10年でグランドスラムを達成したテイエムオペラオーだけ。昨秋の天皇賞、続くジャパンCが8着。有馬記念が14着。GI馬とはいえ危うい存在なのです。
そういった中で優勝したマイネルキッツ。勝ち星が昨年2月の準OP早春S以来。ゆえにオープン勝ち、初重賞制覇が天皇賞・春だったわけです。日経賞でアルナスラインの2着。松岡騎手の好判断もあったのですが、明らかに体調は上向いていたようです。レースのラスト3ハロンが35秒1。3角で4番手、流れも向きました。同じようなポジションにいたアルナスラインが首差2着。日経賞1、2着が逆転した形です。もし、阪神大賞典組が、大賞典をやめて日経賞に出ていたら、着順はともかく今回の天皇賞はもう少し走れた予感がします。それは上位5頭が阪神大賞典以外からのステップ。はっきりしています。
私の◎ドリームジャーニーが3着。気合が乗りすぎるくらいでも体調は文句なし。流れがことのほか遅く、池添騎手も早めの位置取りでしたが、そのぶんあと一息。それでも不利な流れで3着。3,200mがベストとはいえず内容的には立派でした。
4歳馬のヒカルカザブエ、モンテクリスエスは7着と12着。さすがに、GIという壁が大きかったようです。
一方で、大敗続きのコスモバルク、シルクフェイマスはGIではもう無理。今回も16、17着。天皇賞出走順位が6番目と14番目。今年ダイヤモンドS優勝のモンテクリスエスが19番目。出走順位基準を改める時期にきているようです。