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Archive for 2023年5月25日

あの女傑アーモンドアイを超えるか!新女傑Lの凄さ!!

それは腰を抜かすくらいの衝撃的パフォーマンスでした。84回目を迎えた「優駿牝馬」オークス。3歳牝馬2冠目を目指してフルゲートの18頭が参戦。

桜花賞で離れた最後方から時間が停止したかのような神業の追い込みを見せたリバティアイランドが参戦。単勝1.4倍の圧倒的な支持率。初めての2400m、本当に大丈夫か、という思いを、あざ笑うかのような強烈なパフォーマンス。見ていたファンの度肝を抜いたのです。

「オークス」は理想的な5番枠を引き当て、桜花賞とは一転した終始インの5、6番手の好位置をキープ。リバティアイランドにとっては、桜花賞とはまるで裏と表のような展開。そして、抜群の手応えで4コーナーをまわるリバティアイランド。

先を行く唯一敗れた経験を持つラヴェル(10番人気)の坂井騎手が、インの3番手からここぞとばかり一気にスパート。後続を突き放したかのように見えたそのとき、さっと外から忍び寄って来たのがリバティアイランド。

ラスト200mのハロン棒過ぎから、鞍上の川田騎手の手綱が初めて動きます。それは後続のどの馬たちも追いつかない別次元の11秒5。ケタ違いの迫力で、あっと言う間に並んでラヴェルを突き放しにかかります。

まさに独り舞台。それはあの女傑アーモンドアイ時計よりも速く、衝撃の6馬身差。まるで牡馬のような重厚感のある迫力。そして際立つ存在感。まさに戦後を代表する3歳牝馬のパフォーマンスでした。

離れた2番手争いは大激戦。終始リバティアイランドの背後を陣取り、機を窺っていたルメール騎手のハーパー(2番人気)が順当に末脚を伸ばして2着。また、必死に内で粘らんとする4着ラヴェルを、ゴール寸前で捉えたドゥーラが3着。札幌2歳S優勝以来の頑張りでした。シンリョクカが5着で、6着のヒップホップソウルまでがハーパーから0秒3差。一団でどっと入って来ました。

3番人気のコナコーストが7着。5番人気のソーダズリングが8着で、4番人気のフローラSの優勝馬ゴールデンハインドは先手も取れず11着と惨敗。

余力を残して6馬身差のワンマンショーを演じたリバティアイランド。牡馬並みの迫力と勝負強さ。それは戦後を代表する女傑かも知れません。そして、3冠目の秋華賞を目指すのか、それとも渡仏して凱旋門賞か。日本馬唯一の凱旋門賞優勝があるか、大きな夢と期待が広がります。

 

待ちに待ったGI制覇!テン乗りで決めた嬉しい10勝目の栄冠!!

ついについにその日が来ました。昨年からあれだけ「今年は何とかGIを手にしたい。ほんとに勝ちたいんです」と、語っていた戸崎圭太騎手。その戸崎騎手に女神が舞い降りたのです。

牝馬マイル女王決定戦「ヴィクトリアマイル」。昨年のヴィクトリアマイルの覇者ソダシ。昨年の桜花賞、オークスの2冠馬スターズオンアース。それら人気馬が参戦してきた中で戸崎騎手が手綱を取ったのはソングライン。いわゆるテン乗りで初コンビ。

  ソングラインは前走でサウジアラビアに遠征し無念の10着。とは言え、昨年は安田記念で優勝。抜群の適応力を見せている東京のマイル戦。そのソングラインから戸崎騎手にお鉢がまわって来ました。戸崎騎手は「素晴らしい馬に依頼を受けて本当に光栄です」と、語っていたほどです。

  主導権を取った1番枠のロータスランド。直後にサウンドビバーチェ。外からレーン騎手が周りを見ながらソダシが浮上して来ました。

2番枠で雨を意識したスターズオンアースのルメール騎手が、いつもより早めに位置を取りに来ました。そのスターズオンアースの直後にインにソングライン。一方で、人気の一角、ナミュールは隣り合う馬に挟まれる形で位置取りを下げます。

  ロータスランドがソダシを引き付けるように半マイルを46秒2。平均したペース。2番手をガッチリと2番手をキープ。そして、4コーナーで相手はソダシしかいない、とばかりルメール騎手のスターズオンアースが、ジリジリとソダシの外で射程圏。

一方、ソングラインは「直線は外に出したかったけど、手応えが抜群に良かったから無理に外に出すよりも、そのまま内を選びました」と、戸崎騎手。

ゴール前で先頭に躍り出たのがソダシ。それを追ってスターズオンアース。そのときでした。ソダシの内からソングラインが猛然と強襲。

ソダシかソングラインか、激しい叩き合い。ゴール前はアタマ差でソングラインに軍配。スターズオンアースが3着。大外から追い込んだディヴィーナ、私の◎サウンドビバーチェが5着。ナミュールは直線外から差を詰めて来たものの7着。

それは実に1年2ヵ月ぶりのGIの美酒。戸崎騎手にとっては通算10勝目の記念すべきGI優勝でした。

 こぼれるような満面笑み。何度も何度も右手を上げてファンに応える戸崎騎手。念願がかなった記念すべきGI優勝でした。