ルーラーシップがもし敗れるとしたらどういったケースのときか!?出遅れる癖があり、道悪馬場のときか?それでも昨春の金鯱賞で大きく出遅れながら、重馬場を克服して勝っているし、決定的な死角とはいえないな。長期休養明けの有馬記念で力走した反動、そう二走ボケがあるかも知れない・・。答えはそれくらいしかないぞ。
単勝1・4倍と圧倒的な人気に支持された「AJCC」のルーラーシップ。別定とはいえ不良馬場でこの人気。良馬場であれば1・1倍くらいの支持を受けたかも知れません。
前走の有馬記念では出遅れて最後方グループ。しかも、スローペースで差し、追い込み馬には厳しい展開。なおかつ4角では大外を回るコースロスがありながら、ゴール前で矢のように伸びてきてオルフェーヴルの4着。僅か0秒2差の接戦。ラスト3ハロンは最速の33秒2という強烈さでブエナビスタに先着。宝塚記念以来の実戦だったこともあり、この有馬記念はルーラーシップにとって後世に語り継がれるような一戦でした。
そんなルーラーシップにとっては、4歳馬で初めて対戦するナカヤマナイト、トーセンレーヴのクラシック組はいるものの赤子の手をひねるくらい容易なメンバー構成のAJCCだったはずです。
福永騎手がスタートに気をつけていたせいか、今回は珍しくほぼ互角の発馬を切りました。控えて後方で折り合いに専念。いつでもスパートできるように先行馬を射程距離に入れて馬場の外目で虎視眈々。
意表をついて大博打に打って出たトーセンレーヴのルメール騎手。今回が初コンビだったこともあり、なんとデビュー以来初めて逃げる形の競馬。これで面食らった形が逃げる予定だったリッツィースター。外からツクバホクトオーにも先に行かれて、そこを宮崎北騎手が必死に御しようとするものですから、馬が口を割って走るリズムがチグハグ。5番人気に推されて応援しているファンも多かったのですから、自分の形を主張すべきだったはずです。それがファンに対してのプロ騎手の礼儀でしょう。おそらく若い彼には重賞という重責が予想以上に重すぎたようです。
前半1000mを63秒8という超スローに落としながら逃げたトーセンレーヴですが「他の馬が外からきたらハミをガーっと取って行きたがってしまった」とルメール騎手。いつも追い込んで来る形の競馬をしていた馬で、これまでは前の馬に後ろから並びかけて行ってハミを取らせていたのが今回は逆のパターン。これではこの馬の持ち味が生かせません。対ルーラーシップ用の作戦だったと思いますが、明らかに作戦失敗でした。次回は長距離に出走してくると、折り合いが課題になりそうです。
ナカヤマナイトは好位置のポケットで楽々追走。いつでもスパートできる態勢で、早めに外に出すと、4角を回って柴田善騎手が持ったままで先頭に並びかけたのですが、大外を回ったルーラーシップの前に取り付くスピードが速くて、あっという間に並んだと思ったら、あっという間にナカヤマナイトを突き放し、余裕の3馬身差で圧勝。まさにスケールの違いを、まざまざと見せつけました。
馬体から受ける威圧感、ひと回り大きくなったような印象を受けます。無敵の連勝街道を突き進むオルフェーヴル。打倒一番手はこのルーラーシップかも知れません。春の天皇賞が待たれます。
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単勝1・4倍!スケールが違ったルーラーシップ。GI戦線視界良好(^o^)/
今年のGI戦線の主役OTTR砲の一角が先週、今週と大立ち回り!!
昨年暮れのグランプリ有馬記念で上位を占めた2頭がいよいよ始動。その1頭であるトーセングローリーが先週の日経新春杯に登場しました。有馬記念では9番人気ながらさすがに地力の高いところを披露して3着と力走。
その有馬記念の3着が本物であるのかどうか、日経新春杯はそれを確認させる意味でも大事な一戦でした。ハンデが58・5K。昨年の1番人気、ジャパンCを制したローズキングダムは有馬記念を出走取り消し。このとき58Kのハンデを背負って3着に敗退。
GI未勝利、GI2着もないのにローズキングダムより重い58・5Kのトーセングローリーは大丈夫なのか?不安視する声もあったのですが、それはまったくの杞憂に終わりました。内枠ということもあって中団のインで折り合いに専念。4角では前が壁でスパートできない状態でしたが、直線で内外に広がったときに、うまく外に出すと抜きん出た脚色で力強く伸びて圧勝。着差以上の迫力を感じさせました。ここ10年で58Kを背負って優勝した馬はゼロ。2着が1頭あるのみ。それゆえ58・5Kでの優勝は今年のGI戦線を占う上で、大きな自信になったはずです。
もっとも、2着は皐月賞3着があるもののGI、GⅡが未勝利。まだ役者が下のダンバラードで、相手に恵まれた印象は拭えません。昨年は有馬記念3着のあと京都記念、日経賞と連勝。その勢いで天皇賞では1番人気に推されて13着。宝塚記念でも4番人気ながら13着。気温が高くなると不振に堕ちる傾向がありました。この弱点を克服出来るかが今年の大きなテーマになりそうです。
このトーセングローリーも含めて池江寿きゅう舎には、ご存知3冠馬で有馬記念も制した無敵の連勝街道をひた走るオルフェーヴル。さらに秋の天皇賞でレコード勝ちし、ジャパンC2着のトーセンジョーダンが控えています。いわゆる池江寿きゅう舎のOTT砲。先の有馬記念では1・3・5着。春の陣に備えてオルフェーヴル、トーセンジョーダンともに充電していますが、今年の古馬GI戦線の主役であることには違いがありません。
今週は池江OTT砲に対して、その牙城を崩さんと虎視眈々のルーラーシップがアメリカJCCに登録。有馬記念では宝塚記念以来、実に半年ぶりの実戦。スタートで出遅れて最後方に置かれる不利。しかも、有馬記念が11秒3-11秒3という後方待機馬には厳しい展開。そんな環境の中からゴール前で大外から目の覚めるような追い込みを見せたのがルーラーシップ。女傑エアグルーヴを母に持ち、父が人気のキングカメハメハ。5歳を迎えた彼には期待する声が大。打倒OTT砲を目標に、まずは今週のAJCCのR砲の快走が注目されるところです。
ところで、日経新春杯で4着に敗れたビートブラック。直線で先頭に立ったところに、その外からダノンバラード、さらに外からトゥザグローリー。3頭並んで叩き合いという状況でしたが、明らかに外の2頭の脚色が良く3番手に落ちたところで、騎乗した浜中騎の手綱を持つ手が止まったような印象がありました。ゴールが目の前でもあり、3着に納得したような姿勢。その時、ラチ沿いの最内から猛然とマカニビスティーが襲い掛かり差し切ってしまったのです。3番手に落ちたときに自己判断による気の緩みがあったとしたら大問題。前にも怠慢プレーによる騎乗で、ある騎手が厳罰に処せられたこともあり、誤解を招かないプレーでファンの期待に応えるべきだと思います。