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桜花賞馬6着でオークス馬10着!秋華賞戦線に異状あり。春の女王たちに何が起きているのか?!

0922_1  桜花賞優勝馬マルセリーナが6着、オークス優勝馬エリンコートは10着。秋華賞トライアルの「ローズS」は両GI馬が、惨敗ともいえる敗退。そういえば、1週前の秋華賞トライアルの紫苑Sも1番人気でオークス2着のピュアブリーゼも12着と大凡走。まさに秋華賞戦線に異状あり!なのです。
 ローズSはマルセリーナを抑えて1番人気に推されたホエ0922_2ールキャプチャが優勝。前半が61秒7で流れは超スロー。この遅い流れを読みきった池添騎手が、好スタートを決めて、2番手に付ける春とは一転した積極策。ピッタリと折り合いも付き、経済コースを走り、直線では内から早めの先頭。外から追い込んできたマイネイサベル、キョウワジャンヌ、ビッグスマイルを振り切ってゴールイン。楽な展開で経済コースを走って来たわりには、首・首・首差の大接戦。
 勝ち時計が1分48秒1、昨年のアニメイトバイオが1分45秒8。ニュー阪神競馬場に変わってから過去4年で最低のタイムです。それもラスト1ハロンは12秒0。11秒台で走れなかったことに、何か物足りなさが残ります。
 それにしても、この桜花賞馬のマルセリーナの6着、オークス馬エリンコートの凡走をどう解釈したらいいのでしょう。本来、スローペースでは着差がそれほど開かないのに、4着ビッグスマイルから2馬身差だったマルセリーナ。2、3番手で流れにのっていたことを考えると、この中身のない内容は、本番を見据えた大事な一戦だったことからも首を捻ってしまいます。
 同様に10着のエリンコート。馬体重がオークス時よりもプラス14Kと成長は見込めたものの、好位置から直線ズルズル失速。曲がりなりにもオークス優勝馬。抵抗すらできず、この10着は仕上げに何か問題があったか、レース中の大きな精神的ダメージしか考えられません。仮に仕上げに問題があったとすれば、3番人気に支持したファンに対して、余りにも失礼だと思います。
 私が狙ったビッグスマイルが4着。勝ち馬とわずか0秒1差。強烈な強さで新潟の鳥屋野特別を圧勝。秋華賞もと期待していたのですが、現在900万。ローズSは全力投球で3着以内の権利奪取に、挑戦しなければならなかったはずです。ところが、この大事な一戦に初めて騎乗となる北村友騎手。決して彼がダメだとはいいいませんが、初めての騎乗ということは、クセや短長所を完全に把握していない可能性があります。やはりここは乗り慣れた騎手にお願いすべきではなかったでしょうか。着差が着差だったことからも、口惜しさが残ります。
 一方で、ローズSのパドックや調教映像で、有力馬を絶賛していた解説者にとっては、馬を見ることの難しさを認識させられた一戦でもありました。
 ローズSはホエールキャプチャが勝ったとはいえレースで恵まれたことも事実。摩訶不思議な敗退をした春の2冠馬。彼女たちに何が起きているのか、3歳牝馬戦線はこのまま本番、秋華賞に突入します。0922_3

何かを暗示するのかゴール前ラスト“11秒6”というセントライト記念!

0921_1  注目の菊花賞トライアル「セントライト記念」は、レコードに0秒2差まで迫る熱戦でした。
 優勝は6番人気の伏兵だったフェイトフルウォー。皐月賞、ダービーで12着、13着と凡退。京成杯で優勝した馬ですがトップクラスでは力不足か、と一般の評価は一気にダウン。
 とはいえ、ダービーのあと休養し、充電したことが大正解。0921_11馬体はひと回り大きくなって成長をアピール。直前の坂路調教でも51秒台でラストが12秒3という迫力走。先週に続いての快走に再考を余儀なくされたのです。右回りの方が向いていそうな走法もありました。
 馬込みの中でキッチリと折り合って手応えは十分。なるほど、前半5ハロンが57秒5、1600m通過は1分33秒5と、先行した馬には息の入らない厳しい展開。4角で好位置に進出し、直線外目に出すとゴール前でグンと弾けたのです。
 驚いたのは人気のトーセンラーを突き放したことです。というのも、トーセンラーにとっては2番枠ということから、最後方に下げて外を回っては、この高速馬場は乗り切れない、という思いがあったのでしょう。それで中団のインを走り、まさにコースロスのない競馬。蛯名騎手にとってはベストの騎乗で対応できたのです。しかも、速い流れで願ってもない展開。4角で前を捌ければ大いにチャンスでした。
0921_2_2  直線最内からグングン加速して自慢の末脚が炸裂だ! 直線最内からグングン加速して自慢の末脚が炸裂だ!ともが思ったはずです。2000m通過が1分58秒7。あと1ハロン、200mでした。そこで信じられないことが起きたのです。12秒3-12秒5-12秒7と、ハイペースが応えてペースもダウン。これは当然です。経済コースを衝いて追い込んだトーセンラーの最高の形でしたが、なんと追いついたはずの前を行くフェイトフルウォーが信じられないような再加0921_3速。あと1ハロンのことでした。追いすがるトーセンラーを突き放すような末脚で圧勝。ハイペースの中での衝撃のラスト11秒6!でした。
 信じられないスタミナと勝負強さ。これは次なる舞台である菊花賞に向けて大仕事が出来そうな予感。父は大活躍の中長距離系のステイゴールド。母の父が日本最高のステイヤーであったメジロマックイーン。もう胸が高まるのを抑えきれません。
 トーセンラーは最高の形で2着。京都が向いているとはいえ、馬体が2K減の428Kは、成長力という点で残念です。父のディープインパクトと同様に研ぎ澄まされた馬体の造りなのですが・・。
 一方で1番人気のサダムパテックはスタートのミスが致命的。直線追い込んできたものの3着が一杯でした。ただし、506Kとダービー時よりも馬体の成長が窺えた点が収穫です。
 3番手で駒を進めたベルシャザールが4着。速い時計の決着は明らかにマイナスですが速い流れを追走して崩れなかった粘り腰はさすがダービー3着馬。賞賛ものです。0921_4