春のマイル王決定戦、「
安田記念」。それは、ある意味で事件でした。無敵の快進撃を続けて来た女傑アーモンドアイ。そして7戦6勝の王者ダノン
プレミアム。当然この2頭が圧倒的な支持。
ところが、結末は2頭とも敗退。単勝1.7倍のアーモンドアイが3着。そして単勝3.2倍のダノン
プレミアムに至ってはドンジリの16着。この結果に場内は騒然。
「何があったんだ!」「ダノン
プレミアムはどうしたんだ!」絶叫とも悲鳴とも思える声が聞えて来ます。

事のキッカケはスタート直後に起きました。抜群のスタートを決めた一番外枠のロジクライが、スタート直後に内側に寄れて、こともあろうかダノン
プレミアムと、その隣のアーモンドアイ。またその内のペル
シアンナイト、隣のロードクエストの走行を妨害。不利を受けた馬たちの
騎手は慌てて手綱を引きます。そして全体的な位置取りが後方に置かれてしまう形。

結局、この大きな不利が最後まで応えた結果となったのです。アーモンドアイのルメール
騎手は「5馬身くらいのロスがあったね。残念です」と、肩を落としていました。
レースは内から絶妙のスタートを決めたグァンチャーレを内から抜き去って主導権に立ったアエロリット。少しペースを上げて行きます。離れた2番手で折り合いを付けるグァンチャーレ。そこからまた離れた位置にロジクライ。真後ろのインにインディチャンプ。背後にはモズアスコット、サングレーザーがいつもより早めに前の位置を確保。

そして中団の外にはダノン
プレミアム。その内にフィアーノロマーノ。ダノン
プレミアムをマークするようにアーモンドアイが追走。そしてスタートで大きく遅れたステルヴィオ。最後方がペル
シアンナイト。

前半の半マイルが45秒8と平均ペース。そして4コーナーの5ハロン通過が57秒0。高速馬場のコンディション。ラスト3ハロンは当然33秒台の決着となりました。

2番手以下を離し気味に逃げたアエロリットの
戸崎騎手。絶妙な逃走劇で直線外からグァンチャーレが来たことを確認してから追い出します。そこへ好位からグングンと伸びて来たのが
福永騎手のインディチャンプ。その後続のモズアスコットの外から迫って来たのがアーモンドアイ。内ラチ沿いから接近するサングレーザー。
懸命に粘るアエロリット。その外にインディチャンプが馬体を併せて抜け出しかけます。そして大外からアーモンドアイが強襲。この3頭が馬体を併せるようにゴールイン。
そして電光掲示板には「5」「2」「14」の馬番。優勝がインディチャンプ。初GI制覇。クビ差で粘ったアエロリット。アーモンドアイは僅かハナ差届かず3着。
以下、4着に頑張ったグァンチャーレ。サングレーザーが5着。ダノン
プレミアムは空しく最後方でポツンと入線。スタート直後の大きな不利が最後まで応えた春のマイル王決定戦となりました。

私はステルヴィオに◎を打って期待したのですが、スタートで致命的な出遅れ。
マイルCSを制した時のように好位で展開すると考えていたのですが、まさかの最後方近くで展開するとは予想外でした。しかも、4コーナーをまわって最後方から2番手。しかも直線で外を狙ったのですが、前がカベで仕方なく追い出しがゴール前300m。あまりにも不運。同時にレーン
騎手の判断ミス。それでも8着とは言っても優勝したインディチャンプと0秒4差。ラスト32秒6の切れ味だったのですから、スタートの手痛いミスが大きく応えました。レーン
騎手にはガッカリです。

一方で、離れた最後方にダノン
プレミアム。ゴール入線後に
川田騎手が下馬。無事を祈るばかりです。
