
それは、まさしく度肝を抜くくらいの衝撃的な強さでした。
皐月賞に直結する「
弥生賞」は、3歳の代表格的精鋭がいる中で独壇場の強さを発揮。まるで相手を子供扱いするような圧巻の
パフォーマンス。
この日、単勝1.8倍。ぶっちぎりの人気を集めたダノン
プレミアム。暮れのGI
朝日杯FSで横綱相撲。今回は初めての中山、初めての芝2000m。課題もあったのですが、それらをまるで一笑に付すかような独壇場の強さ。

主導権を取ったのは、一番外から私の◎
サンリヴァル。ダノン
プレミアムも好スタートから楽々2番手をキープ。1コーナーを
サンリヴァルが先頭でまわると、続くダノン
プレミアムに4、5馬身差のリード。
このダノン
プレミアムを目標に、各有力馬はマークする形。最初の3ハロンが36秒0。やはり予測した通りのスロー。2番手のダノンから3番手以下もやや離され気味でリビーリング。その後ろに
ジャンダルム、さらに2番人気のワグネリアンが続く展開。3番人気オブセッションも直後にいます。
前半の5ハロン、1000m通過が61秒5。“よし、
サンリヴァルにとっては願ってもない流れだ”しかも、ダノン
プレミアムも直後ではなくて、間隔があって願ってもない展開だ。これは、これは逃げ切るパターンか?!そう私の頭の中を、私の未来予想図が過りました。

ところが、ここからがダノン
プレミアムがケタ違いの逸材であることを間もなく認識することになるのです。余力十分に先頭で4コーナーをまわって来た
サンリヴァル。離れた2番手にいたダノン
プレミアムがいつの間にか、外から今にも
サンリヴァルを捉まえようとする勢いで並びかけて来たのです。


そして手綱をガッチリと握っていたダノン
プレミアムの
川田騎手が、手綱を緩めると、ターボエンジンのように凄い勢いで、直線内ではなく外目へと進路を取ります。
川田騎手はレース後「3、4コーナー辺りの馬場がよくないので、足元を考えてあの位置を取りました」とコメント。
凄い!馬場のことを考えながら4コーナーを膨らみ気味にラストスパート態勢。3番手以下が差を詰めて来ましたが、前とはまだ差があります。
内ピッタリと逃げる
サンリヴァル。そとから再び迫るダノン
プレミアム。ゴール前の2ハロンは11秒0-11秒6。そして軽く仕掛けると一気に
サンリヴァルに並びかけて、と同時にサッーと先頭に立ちます。あとは余裕でゴールを目指し、そのままゴールイン。

2着争いは内に
サンリヴァルその外に
ジャンダルム。またその外から一番の伸び脚を見せたワグネリアン。
結果はワグネリアンが2着。そしてピッタリと並んで
サンリヴァルと
ジャンダルムが3、4着争い。際どいハナ差で
ジャンダルムが3着となりました。
人気サイドの決着でしたが、3番人気のオブセッション。後方から4コーナーで外に逸走し、その煽りでアサクサスポットが外ラチに弾かれてしまいました。6着のトラスト
ケンシンから4馬身差も水が開いて7着。
鞍上のルメール
騎手は「まだまだ馬が若いです」と肩を落としていました。

2分1秒0の勝ち時計は、2年前のマカヒキが1分59秒9と、ほぼ互角でしたが、レースの上り3ハロンが、35秒1に対して今年は34秒3。ダノン
プレミアムのこの圧倒的なレベルの差。余力を残してライバルたちを子供扱い。いやはや度肝を抜かされた
弥生賞でした。
