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◎カワキタエンカ悔いなし!力が入った秋華賞劇場

降り出した雨。冬のような冷たい雨が頬を伝います。牝馬3冠目の「秋華賞」が、小雨の降る京都競馬場で行われました。

人気の中心はNHKマイルC、クイーンSを連勝中のアエロリット。以下、ファンディーナ、ディアドラ、リスグラシュー、モズカッチャンと続いていました。 私はカワキタエンカ(8番人気)の逃走劇に期待。強力な同型が見当たらないことから、単騎逃げ、一人旅が期待できました。

今回は北村友騎手と初コンビ。スタートを決めると迷わず主導権、2番手は内からアエロリットが仕掛けて上がります。ところが、外からアエロリットに並びかけてきたのがファンディーナ。ここでこの2頭が掛り気味になります。懸命に手綱を引くアエロリット。同様にファンディーナの岩田騎手も懸命に折り合いを付けさせようとします。

ピッタリ背後につかれた逃げるカワキタエンカ。ペースをダウンさせることができず1000m通過が59秒1。ちなみに、12レースの準オープン、烏森S(芝1200m勝ちタイムが1分11秒1)が58秒2、1200m通過は1分11秒1の通過ラップ。良馬場ならまだしも雨が降る重馬場では、ハイペースの厳しい流れとなってしまいました。

好位にブラックスピーチ、その後ろにモズカッチャン、外にレーヌミノル。トライアルとうって変わって追い込みのラビットランが中団のイン。背後にミリッサ、その直後にリスグラシュー。後方にディアドラと続きます。

3コーナーを先頭でまわって来たカワキタエンカ。直後にアエロリット。ファンディーナが3番手。モズカッチャンが3番手に浮上して来ました。その背後にインをついてラビットランがスパート。

そして4コーナーをまわり直線に向くと、逃げるカワキタエンカを捉まえに出たのがモズカッチャン。遅れまいと中にアエロリット。そしてファンディーナの脚勢がダウン。そんな中で中団のインに浮上したのがディアドラ。すぐ前にはラビットラン、その外にリスグラシュー。

内から盛り返そうと懸命に頑張るカワキタエンカ。外から先頭に躍り出たモズカッチャン。ここでアエロリットが遅れ始めます。

そして直線ゴール前で外から2頭が肉迫して来ました。まずリスグラシューがモズカッチャンを捉まえに出ます。それを待っていたかのように外に出したディアドラが大きなフットワークで強襲。そして突き抜けました。

2着争いが内のモズカッチャン、外のリスグラシューの争い。ハナ差リスグラシューに軍配が上がりました。そのあとにラビットランとカワキタエンカが並んで4、5着。

アエロリットが7着。ファンディーナは13着に後退。ハイペースで先行馬が総崩れ結果となりました。

それゆえ、一歩早めに仕掛けたモズカッチャンは惜しまれます。また5着とは言えカワキタエンカの粘り腰が光りました。ファンディーナが控えて進めると、カワキタエンカがもう少し楽な逃げに持ち込めたような気がします。

天皇賞・秋の前哨戦で次々1番人気が敗退!!

秋初戦、注目の一戦が東京、京都で行われました。それぞれ勝ち馬に天皇賞優先出走権が与えられる「毎日王冠」と、「京都大賞典」です。

まず、東京で行われた毎日王冠は、中団に待機にしたリアルスティールが、抜群の手応えで浮上。直線で先頭に立ったダイワキャグニーを捉え、外から猛然と追い上げたサトノアラジンをクビ差振り切り優勝。

リアルスティールは2月の中山記念以来、実に7ヶ月ぶりの実戦でしたが、プラス4kとキッチリと仕上がった馬体で、いきなり本領発揮となりました。

考えてみれば、昨年の天皇賞で私が◎に指名。当時も安田記念以来の登板ながら、いきなりモーリス相手に2着。休養明け、ポン駆けに強いところを今回も見せつけました。 2着にゴール前で外から猛然と肉薄したサトノアラジン。安田記念を制した破壊力は本物でした。明らかに本格化しています。

同時に外から強烈な伸び脚を見せたグレーターロンドン。サトノアラジンと並んでラスト32秒6という衝撃のパンチ力を披露。GIでも通用する破壊力を保持していることをアピール。

さて、このレースで注目された単勝2.0倍の1番人気ソウルスターリング。強力な逃げ馬がいないということから、1番枠を引いたこともあって、スタートで前に出ると、ルメール騎手は先頭を譲らず単騎逃げ。

前半が35秒6-47秒8―60秒0。明らかに超スローペース。各馬一団の展開で、逃げるソウルスターリングにとっては、逆に後続の格好の目標になってしまった印象があります。こうなると一瞬の爆発力を持つ古馬陣のキャリアがモノをいってきます。とはいえ、直線無抵抗の8着とはあまりにもお粗末。次なる天皇賞秋が気になるところです。

またマカヒキが6着。内枠の5、6をキープしていたのですが、ラスト33秒5の決め手の勝負に対応できませんでした。ただ、ゴール寸前で鋭い脚を見せていることから、ひと叩きした次走で雪辱があるかも知れません。

毎日王冠と同様に「京都大賞典」もスローで展開しました。外から差し追い込みのラストインパクトが主導権を主張。中央からトーセンバジルの岩田騎手が仕掛けてインに切れ込み3番手を確保。これも追い込みのマキシマムドパリが2番手。そんな状況下で、1番人気のシュヴァルグランが最後方から2番手。2番人気のサウンズオブアースは中団の外に待機。そこには3番人気のミッキーロケットがいます。さらにスマートレイアーは後方インでじっくりと末脚温存。

スローで前半の4ハロンが46秒1-ラスト34秒4の決着。直線でラストインパクトの2番手に浮上したトーセンバジル(6番人気)。私の◎と言うこともあって「よし!岩田、まだ早いぞ!」と頭の中では叫んでいました。

そして抜群の手応えでラストインパクトに並びかけると、高く上げたステッキが一発、グンと突き抜けます。ラスト200mが11秒5、勢いに乗った岩田トーセンバジルが、そのまま押し切りそうにも見えましたが、インから馬込みを縫うように伸びてきたのが7歳牝馬のスマートレイアー。ゴール寸前で計ったように半馬身差し切り勝ち。あまりにも見事な切れ味。7歳牝馬にはとても見えない迫力がありました。

このあとエリザベス女王杯へ向かうとのこと。悲願のGI制覇が達成できるのでしょうか。

一方、外からシュヴァルグランが3着。できるだけ我慢して、末脚を生かす作戦だったようですが、単勝2.2倍には応えられませんでした。

また、2番人気のサウンズオブアースが13着と大敗。その敗因は不明です。