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Archive for 競馬

ガルボに見る1頭の競走馬が変わるとき!!

 一昨年のシンザン記念でした。3番手でレースを進めたガルボが直線で仕掛けると一瞬にして突き抜けたのです。後続に3馬身差!圧勝でした。この一瞬の破壊力にズキン!とさせられたのです。
1_2   ところが、ガルボにとってはシンザン記念を境に、苦難の道のりが始まったのでした。あの強烈な破壊力は影をひそめてしまい連戦連敗の日々が続きました。それでも、昨年の京都金杯で2着、阪急杯で2着と、あのシンザン記念の時季になると強いガルボの姿に変身して見せたのでした。それでも、後が続かず再び苦難の旅。
2  そして、今年の2月の東京新聞杯でスローペースに恵まれて3番手から逃げたコスモセンサーとの叩き合いを制して、シンザン記念以来の3勝目の優勝。それは16戦目の美酒でした。
3  続く阪急杯では2番人気に推されたものの直線で前が壁になり、やや脚を余したような5着。それでも勝ち馬から0秒4差。これは確実にパワーアップしていると確信のようなものを感じました。
4  そして、ダービー卿チャレンジT。重馬場で走ったことがなく、パワーを要求される中山の馬場を克服できればチャンスだと考えていました。
5  ところが、中山競馬場は驚くべき大変身を遂げていたのです。前日の土曜日も6週連続の雨にたたられたとはいえ、AコースからBコースに替わったこともあって、ほぼ例年通りに近い馬場状態までに回復。
6  57・5Kのトップハンデを背負ったガルボ。デビュー以来背負う最重量。不安もありましたが、狙っていた好位置は取れなかったものの中団に控えてビシッと折り合い、直線は外に持ち出すと、力強く伸びて内から伸びたオセアニアボス、外から迫ったネオサクセスをネジ伏せてゴールイン。東京新聞杯に続くマイル戦での優勝を飾りました。
7  これぞまさしく本格化の春。474Kの馬体も430Kだったデビュー時とは、まるで大人と子供。実に逞しく成長したものです。
 目指すはマイルの王座、安田記念。暑い時期に良績がないので、これを克服すると押しも押されもせぬトップマイラーの称号が与えられそうです。

今週の桜花賞に大きなヒントを与えてくれた大阪杯での衝撃の結末!

 それは衝撃の結果でした。6番人気の4歳馬ショウナンマイティがゴール寸前、大外から一瞬の突風のような末脚で全頭ゴボウ抜き。見事な追い込みを決めました。
No1 No2
 この日、阪神競馬場は前日の雨で、天気は回復したものの馬場状態はやや重。しかも、大阪杯は典型的な逃げ馬が不在で、スローペースになることは競馬ファンであれば折込済み。本来であれば先行力があるアーネストリーが主導権を主張するのかな、と考えていたら中団に控える形。
 このスローを察知していた岩田騎手のトーセンジョーダンが内枠を利して先頭。この直後にコスモファントムがいて、1番人気フェデラリストも流れと馬場を考慮した横山典騎手が3番手。なんで出てきたのかわからない連闘のフライングアップルも同じ好位。スタートして不利のあったナカヤマナイト。その外にアーネストリー。ローズキングダムもそれほど離れていない中団。ショウナンマイティが最後方を追走。
 前半の半分、1000mが1分5秒2という流れはGⅡでも滅多にお目にかかれない超スロー。各馬離されず一団となった展開。明らかに楽なペースで逃げるトーセンジョーダンのペースでした。
No3 No4
 直線は2番手にいたコスモファントムがジリ貧状態。トーセンジョーダンをピッタリとマークするようにいたフェデラリストが並びかけてきます。中からローズキングダムに内から少し外に出したナカヤマナイト。直線中程でトーセンジョーダンを捉えてフェデラリストが先頭に立ちかけたとき、大阪杯のドラマは急展開。最後方にいたショウナンマイティが内から中を走る各馬から離れた大外に持ち出し、目にも止まらぬ破壊力で一気の差し切り勝ち。アッサリと突き抜けてしまいました。
No5 No6
 おそらく内側寄りの馬場は予想以上に悪く、脚をとられてジリジリという感じだったように見受けられ、そのぶんシッカリしたグリーンが生え揃った大外の馬場を、弾けるように追い込んだショウナンマイティの末脚が目立ったのだと思います。
 勝ちタイムが2分5秒5、レースの上がり3ハロンが35秒3。極端に水準を下回る凡タイム。前半5ハロンを65秒2のスローで逃げたトーセンジョーダンが2分5秒8でラストが35秒6。6年前のカンパニーが重馬場で2分4秒5。一昨年はレコード決着でヒルノダムールが1分57秒8。
No7 No8
 そのことを踏まえて考えると、阪神の馬場状態は降雨ということがあったにしても例年以上にコンディションが悪いようです。好天に恵まれて馬場状態が回復しても、1週間でガラリと一変するようなことはありえないはず。ちなみに、2006年に前記したカンパニーが優勝した1週後の桜花賞の勝ちタイムが良馬場で1分34秒6。ほとんどの年が1分33秒台だったことからも、やはり、この年は馬場コンディションが大きく左右したように思われます。優勝馬は6番人気のキストゥヘヴン。最後方から大外一気に追い込んで来ました。2着が1番人気のアドマイヤキッスで、5番人気のコイウタが3着。逃げた9番人気のアサヒライジングが4着。この上位4頭は1着から順に前走がフラワーC、チューリップ賞、クイーンC、アネモネ賞で、それぞれ1着馬だったのです。
 今年の桜花賞を占う上で、大きなカギを握る馬場コンディション。14番枠から出て優勝したキストゥヘヴンのように外枠の馬に不気味さがあります。果たして結果はどんなドラマが待ち受けるのでしょうか。