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Archive for 競馬

あまりにも平凡だった高松宮記念にローレルゲレイロの存在意義!

 今年の高松宮記念はキンシャサノキセキが人気の中心になることはわかっていたのですが、2番人気は?3番人気は?と前日からその動向をピタリ追跡。何気にグリーンチャンネルの中継を眺めていたら、解説の某氏が「タカマツミヤ記念」というので、アララ・・と思って聴き直したら、今度は「タカマツミヤは・・」と。
 更に、この方、翌日の中山メーンのマーチSにいたっては、1番人気のモンテクリスエスを「この前は初めてのダートであれだけの勝ちっぷり・・」なんて珍解説。ああ、久しぶりのダートで・・と、言っておけば良かったのに・・。それにしても隣にいるアシスタントの方、MCの二人、誰からも訂正のフォローなし。聞いていなかったのか、調べていなかったのか・・わが道を行くなのであります。
 さて、わが道をドバイに求めたローレルゲレイロ。高松宮記念は昨年優勝しているからいいや、と言わんばかりに世界に挑戦。スタートが今ひとつでも主導権を取ってやる!この意気込みで一気に先頭に踊り出てグイグイ流れを引っ張ります。結果は4着でしたが、映像からは差し返すようなしぶとさと粘り。いやあ、さすがです。立派です。高松宮記念、スプリンターズSの2冠を制したスピード馬が、世界のトップクラスでも通用することを裏付けたことで、大役は果たした印象です。
 さあ、そのローレルゲレイロの抜けた穴を埋めるべく1番人気に推されたキンシャサノキセキ。スワンS、阪神C、阪急杯と目下3連勝で高松宮記念。南半球生産馬で同期よりも半年遅生まれであることが、精神的、肉体的にようやくここへ来て大人に成長してきているような印象があります。
 レースは最内枠1番を引いた韋駄天セブンシークィーンが飛び出し、それを心得たようにヘッドライナーが2番手。3番手に内からエーシンエフダンズと外にビービーガルダン。キンシャサノキセキはこれらを見る形。2番人気のアルティマトゥーレはスタートの躓き
 内々の中団。前半3ハロン33秒5というGIにしては平凡なスピード。ちなみに、昨年がローレルゲレイロの単騎逃げで33秒1。
 この前半の流れは後方の待機馬にとっては不運でした。私の本命◎サンカルロは、いつものように末脚温存策。この流れは明らかに誤算。前半33秒0くらいの流れで、差し追い込み馬が外からどっと押し寄せてくる、そのトップでゴールを切るのがサンカルロ。直前の阪急杯の内容も、枠も理想の外枠でいける!と強気の見方でしたが、運命の神様は微笑みかけてくれませんでした。直線は中を割るように、メンバー最速の34秒1で鋭く肉薄したのですが、わずかに届きませんでした。
 優勝したのはゴール前の激しい叩き合いから、キンシャサノキセキが顔をのぞかせ、すぐ外にビービーガルダン、更にその外にエーシンフォワードの8枠勢。間にサンカルロ、その内にアルティマトゥーレ。鼻・首・首・鼻差の大激戦。
 1分8秒6は昨年の1分8秒0と比較しても、一昨年のファイングレインが小雨の中で1分7秒1を計時した時計からみても、いかにも劣勢は否めません。そんな中で、優勝したキンシャサノキセキは、スワンSが首差、オーシャンSも首差。こういった修羅場とも言える接戦をものにしてきた実績が、あるいは勝負強さが、現在の彼の進撃を後押ししている根幹になっているのかも知れません。
 是非とも来年はドバイのメイダン競馬場へ!ですね。

無敵キングダムを一蹴したアリゼオは、またまた横山典の神がかり的手腕!!

1003254 「馬に乗っていることが、こんなに楽しいときはなかったな・・」と、言っていた横山典騎手。その彼の騎乗したアリゼオが意表をつく逃げの手に出て、見事な逃げ切り勝ちを決めたのです。
 「これまで騎乗していたルメール騎手が、他の馬を気にすると言っていたので、横並びのレースにならないように、集中して走ることが出来るよう心がけて乗りました」と、横山典騎手。さすがです!
 昨秋の毎日王冠や天皇賞で女王ウオッカを撃破したときの、いわゆる一流の“勝負勘”のようなものが、現在の横山典騎手には備わっているようです。
 スタートは平凡でしたが1003252二の足が速くて5番枠から難なく主導権。逃げると思われていたカワキタコマンド、バーディバーディが来ても、まったく動じずスイスイとマイペース。というよりも、前半の5ハロン通過が60秒2。内回りの芝1,800mにしては遅いほうの流れ。この流れが幸いしたのが2着で皐月賞の優先出走権を得たゲシュタルト。好位置キープから3角で3番手。終始経済コースを通り追撃体制。フルに力を出し切りました。
 主導権を楽に取れたアリゼオはまさに一人旅の形で、直線も後続を寄せ付けず快勝。共同通信杯ではゴール前で3頭の間にサンドイッチされる形で叩き合い。不覚の3着だったことが、この日のスプリングSで生かされたような気がします。1003253
 1分48秒2、ラスト35秒6は重賞クラスとして決して優秀な時計ではありませんが、全体的に芝は時計を要している馬場コンディション。メイショウサムソン、フライングアップル、スマイルジャック、アンライバルドと、ここ5年の勝ち馬のうちでは最高タイム。
 さあ、次は皐月賞、芝2,000mは2戦2勝。この距離適性も大きな武器。そして中山芝は2戦2勝。期待馬がまたスケールアップして本番に挑みます。

 それにしても、1・4倍のローズキングダムが3着。それもゴール前でゲシュタルトと馬体が合い激しい叩き合い。それで頭差遅れたのは能力か、体調が完全ではなかったのか、それとも騎乗ミスか!?
 そもそも、皐月賞が最大目標なら1003251ば、スプリングSよりも皐月賞と同じ弥生賞に駒を進 めるべき。そのほうが本番までローテーション的にゆとりができたはず。ヴィクトワールピサとの直接対決を避けたかったのかも知れませんが、クラシックはサバイバル。本番前であっても強力な相手を打ち破って自信を得たり、あるいは例え敗れたにしても、本番まで逆転を狙い、秘策が考えられようというものです。
 馬場コンディションを考慮して、ローズキングダムは皐月賞を回避。ダービー1本に仕上げていく、という報道も耳にしますが、ヴィクトワールピサとの皐月賞対決を待ち望んでいるファンの気持ちに、是非応えて欲しいものです。

 私はスプリングSで2戦2勝のサンライズプリンスに期待していました。前日の17時現在の単勝オッズが12倍くらい。ところが、当日は7・1倍。猛烈な勢いで票数を伸ばしました。2勝とも圧倒的な横綱相撲。いずれも2,000m。非常にフットワークが大きく、また迫力があることから器の大きさに期待していたのですが、初めての右回り、初めての急坂で1,800m。いろいろ課題はあったとはいえ、出走権をゲットするにはここが最後の舞台。何 とかと思ったのですが無念の4着。スタートが悪く、中団の後ろで展開。しかも、前残りの流れで内回りでは無理でした。北村友騎手にはもう少しローズキングダムを負かすくらいの気持ちで、臨んで欲しかったと思います。恐らくこの馬は滅多にバテないタイプだと考えています。本来は皐月賞よりも東京の良馬場で長距離向き。是非とも日本ダービーにその名があることを期待しています。