「ディープインパクトですか~!? 普通ね、走る馬というものは、まず鳴かないんですよ。パドックなんかでさ、GIのときにヒーンヒーン鳴いている馬がいる? ほとんど聞いたことがないよね。でもさ、折角だから、ヒッヒーン、プッフォー、ブルブル、プッフォー、こんな感じかな」と、猫八さん。
この日のTBSラジオ「アベコーのモリもりトーク」のゲストは江戸家猫八さん。猫八さんは昨年、11月に先代を引き継いで襲名披露。江戸家子猫、改め第4代目、江戸家猫八を襲名。
「師匠、お久しぶりです。11月の襲名披露は行けなくてすみません」と私。
「いやいや、立派な御花を頂戴致しまして、かえって申し訳ございません。あのときは横山典騎手、田中勝騎手、それに岡部幸雄さんなどに沢山ご出席して頂きました。感謝しております」と猫八さん。
「それにしても、やっとですよ。以前からこの番組に師匠を、お願いしていたんですが、お忙しくて来ていただけなくて・・」と、私。
「ホントにアベコーさんごめんなさい。なかなかうまく時間が取れなくて・・。本当にすみませんね」と師匠。
「4代目の猫八師匠とは、先代を通じて知り合えたのですが、それにしても師匠と私は同い年。これもご縁ですねー」
「本当にそうですね~。随分時がたちました。先代はホースニュース馬社の亡くなった角田二郎さんと友達でしたから、一緒に馬を持ったりしてね。そこからのご縁つながりですよ」と、師匠。
「先代といえば、生前、僕も随分とお世話になりました。浜町のご自宅にお邪魔して、昔の競馬についてお話を窺ったものです。何でも、先代は競馬の成績を自ら1頭1頭書き込んでいたらしいですね」と私。
「そうなんですよ、競馬新聞というちゃんとしたものがない時代、あるいはあっても成績らしい成績が掲載されていない時に、自分で書き込んでいましたね。巻物にして・・」と師匠。
「そうです、そんなことを言っていましたね。宝の巻物だから・・と自慢されておりました」
「そうでしょう、まあ、よほど好きじゃないと出来ません。その巻物も今はないんですよ」と師匠。
「そうなんですか、それは勿体ない。競馬の歴史的価値も十分あると思いますよ。江戸 家猫八製作ですからね。師匠! もう1回探して下さい。お願いします」と私。
「随分探したのですが、まあ、そこまで言われるなら、もう1度探してみます」と師匠。
馬名の冠に“キャット”を付けた先代の持ち馬で、とくに有名だったのは中距離以上にすこぶる強かった、その名もずばり“キャットエイト”
「本当にキャットエイトは良く走りました。先代の親父もこの馬が出るときは格別、力が入ってましたね。まるで自分が走るかのように・・。そんな姿を昭和30年代から親父の後にくっついて見ているわけですからねー。ブッシャンとかシンザンもこの目で見て、よく覚えていますよ」と師匠。
「わあ、そうなんですか! 4代目が中学の頃ですね。それにしても、先代は競馬場でお会いするたび、どんな時にも本当に嬉しそうなお顔をしていましたよ。競馬ってなんて楽しいの! という表情が今も忘れられません」と私。
「競馬場で馬が走る姿が、なにより好きでしたから・・。自然に身についていたのでしょうね」と師匠。
「江戸家猫八さんといえば、やはりウグイスの鳴き声ですか?」と私。
「そうですね、ウグイスは江戸家の伝家の宝刀のようなものですから。やってみましょうか?」と、師匠がいきなり、指を口の横に入れるや
「ほ~ほけきょ! ほ~ほけきょ。けきょけきょけきょ、ほ~ほけきょ!」いやあ、十八番とはいえ、実に見事なものです。
「リーン、リーン、リーン」鈴虫です。もちろん犬あり、猫あり、キリンまでも。
数々の動物たちの鳴き声、鳥に虫と、鳴き声は赤坂のスタジオからリスナーの方に届けられました。
ここでマリンちゃんが「師匠! 鳴き声の出し方を教えて下さい。動物の鳴きまねが出来る声優になりたいんです!」と提案。
これを快く「了解!じゃ、いいですか、人差し指の小さい穴が少し見えるくらいに、人差しの指をコの字型にして、ほっぺたにつけないように息を吐くいいですよ」指の場所は一番トーンが出るところ。いいかな?」と師匠。
「フーっ、フーっ、フーっー」と真剣なマリンちゃん。なかなか音が出ず、悪戦苦闘のマリンちゃん。やはり、にわか仕立てでは無理なようです。
「浅草演芸ホールや上野の寄席でやってますから、是非、遊びに来てください」と、優しい江戸家猫八師匠でした。
Archive for 競馬
ディープインパクトの鳴き声は難しいなあ・・と猫八さん
ああ!大声援も空しくラブミーチャンが失速!!
注目の桜花賞トライアル「フィリーズレビュー」に、桜花賞出走の期待を胸にラブミーチャンが登場。地方競馬在籍ということから、このフィリーズレビューという関所を通らなければ、桜花賞の桧舞台は踏めないのです。
6戦6勝のラブミーチャン。笠松競馬・柳江きゅう舎所属。ファンから“浜ちゃん”の愛称で慕われている浜口騎手。安藤勝騎手と同じ年齢で、誕生日も同じだとか。不思議な縁を感じます。
昨年の全日本2歳優駿で圧勝した途端に、地方競馬の実況アナの及川サトルさんが、私の携帯に「アベコーさん、コパさんのお知り合いですよね、お願いがあります。ラブミーチャンを中央に移籍させないで、笠松から出さないで下さい! 浜ちゃんをずっと乗せてて下さい、とコパさんにお願いしてもらえますか」と、悲痛な声で哀願してきました。
情の深さでは人一倍のDr・コパさん。私がお祝いの電話をして、及川さんの熱望を伝えると、笑いながら「オーケーオーケー」といい、「無敗で桜花賞に行けたら、地方も中央も盛り上がるだろうなあ・・。アベコーちゃん応援を頼みます」と、コパさん。
しかし、そのラブミーチャンは桜花賞の通行手形を手にすることができず、残念無念の12着に失速。現実は厳しいですね。
14番枠でしたが好スタートを決めました。2番手のエリモエポナ(15着)が折り合いに専念したしたために、前半3ハロンが35秒0とラブミーチャンのペース。ただし、良馬場発表でしたが、いくらか時計の要する馬場コンディション。前日の古馬準オープンのうずしおステークスは前半3ハロンが35秒1。決して遅い流れでもありませんでした。
それにしても、いい感じでスイスイ逃げていたラブミーチャン。後続を引きつけた逃げで、手応えもあったと思いますが、後続に並ばれると、そこから突き放す加速力が利かず、坂を上がってからはギブアップ。こんな形のレースをすることがなかったので、馬自身が少し驚いたのでしょうか。
これでダート馬と見限るのは早いと思います。芝、坂を経験したことは、決して無駄なことではなかったはずです。この苦い経験を踏み台にして、また大望に胸を膨らますときが、きっと来るとみています。そのときこそラブミーチャンの真価が出るはずです。頑張れ!ラブミーチャン!!
一方、フィリーズレビューを制したのが、大外から凄い伸び脚を見せた9番人気のサウンドバリアー。前走のエルフィンSが9着。2走前で未勝利を勝ったばかりでしたが、ツボにはまったときに爆発的な末脚を使う馬です。それにしても、上位5頭までが同タイムでの決着。そこに鼻差2着の1番人気阪神ジュベナイルF4着のラナンキュラスがいて、私の予想の◎レディアルバローザが首差で3着。関東馬のロジフェローズ、休養明けのニシノモレッタが同着の4着。この2頭は桜花賞の優先出走権を惜しくも逃しました。