先日の12月22日(土)、有馬記念の前日、私はレギュラー出演しているTBSラジオの「元木大介のエキサイト・ベースボール・サタデー」のスタジオに向かいました。この日は有馬記念特集。と、スタジオ入り口で待っている人がいました。大沢親分(大沢啓二さん・元日本ハム監督)です。
「キミがくるのを待っていたんだよ。今か今かとね」と親分。
「えー!ありがとうございます。また、どうして?」と、一応わかっていることを聞く私。
「有馬だろー、ほら明日は有馬記念だろー。で、どうなんだい、え?」
「それより親分!(文章だけ見るとなにか股旅物?)この前のジャパンCは、僕のいった4頭でバッチリだったでしょう。いくら、いくらお買いになったんですか?」
と、親分急に情けない顔つきになって、
「いやあね、買い間違いだったんだよー」
「え!買い間違いって、親分、僕が4頭書いて、馬番号も入れて、ほぼ、この4頭しかないんです。といったら、親分はわかった、わかった、ボックスでキッチリ買う、ということだったじゃないですか!」やや興奮気味。
「おお、そうだったんだけど、間違えちゃった。どうして間違えたんだろう?・・」と、後悔顔の親分。
「ああ、そうだったんですか?それは残念です。僕はてっきり獲ったものとばかり思っていましたよ。いくらお買いに?」突っ込む私。
「いや、なにね、いつも1点1万円は買うからねー」
「ええー、1点1万円ですか?3連単も?」
「おお、そうだよ、3連単も買うよそのくらい。ましてGIだからな」と親分。
「すごい!じゃあ、1万円ということは、ジャパンCの3連単が1万5980円。え、えー!!159万8000円じゃないですか!!」
「おお、そのくらいになるな。もったいなかったな!」
「ホンとですねー。もったいなさ過ぎましたよ。僕なら2、3日寝込みますよ。バッチリ獲って、親分から例のあっぱれあっぱれ!言って欲しかったです」と私。
「そうかそうか、じゃあ、あっぱれあっぱれ(放送中につき小さい声で)」と優しい親分。
「ありがとうございます」でも、なにか心が晴れません。
で、親分に明日の有馬記念の予想、買い方を、聞いてもらっている途中で、スタッフから「アベコーさん、本番でーす」の合図。まだ、途中ながら挨拶をしてブース入り。
元木大介さん、アシスタントの青木真麻さん、そして特別ゲストの気象予報士の齋藤義雄さんも加わり、有馬記念をワイワイと展望。で、出番を終えてブースを出ると、またまた親分が待っていたのです。
「おう、お疲れさん。放送を聴かしてもらっていたよ。雨が降るとなんだって?ウオッカはやっぱりダメかい!」
親分向け有馬記念の解説は、しばらく続くのでした。
「ありがとよ、今度は間違えないで買ってみるよ。じゃあな!」と、片手を上げ立ち去る親分。ああ、球場でピッチャー交代、代打、選手交代のときにベンチから出てくるポーズだ。懐かしい・・。
とはいえ、今回は運命の神様がいませんでした。ということは、次回、大沢親分に会ったとき、あっぱれあっぱれならぬ「喝っーつ!!」でしょうか。覚悟しておきます。
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え~っ、160万円的中!!間違えたぁ??大沢親分!
JC好走組の有馬凡走は蓄積疲労!
有馬記念。その瞬間、そう、ほんの僅かな一瞬、中山競馬場は水を打ったような静けさになりました。
マツリダゴッホが優勝したのです。9番人気でした。もちろん、マツリダゴッホが優勝したことに、驚いたファンの方がいたと思います。それよりも、それ以上に1番人気、2番人気、ファン投票1番人気の馬たちが総崩れ。あまりにも走らなさすぎたことにショックを受けたファンの方が多かったようです。
有馬記念で単勝2・4倍。断然人気のメイショウサムソンは武豊騎手を配してきたにもかかわらず8着と惨敗。とくに不利らしい不利もなく、直線は前を捉えようとする脚もなく、ただただ疲れきった選手のように、8番目でゴール。敗因は何か、高橋成調教師はレース前、報道のコメントで「きっちり仕上げられた。レースで思う存分走って欲しい」と。
それなら何故、8番目だったのか。私はメイショウサムソンの敗因は、2つあると思います。ひとつは昨年の有馬記念で5着。4角で大きな不利があったドリームパスポートに突き放されたように、寒季はよくないように思います。
もう1点はサムソンが疲れきった蓄積疲労によるものだと思います。前走のジャパンCで圧倒的な人気で3着。内から抜け出したアドマイヤムーンを追って、ゴール寸前で一瞬2番手、その内から馬群を割ってポップロック。その外へ後方からウオッカ。激しい叩き合い、凄いデットヒート。サムソンはデビュー以来2度目のラスト33秒台。昨年のジャパンCよりも時計を1秒2も更新する激アツ走。これで有馬記念に臨んでくることが、正解なのかどうかはわかりませんが、このジャパンCの蓄積疲労が出たことにより、それがこの結果に繋がったと私は見ています。
そもそも、サムソンは春の天皇賞で優勝したとはいえ、エリモエクスパイア、トウカイトリックといった程度のクラスの馬と、鼻・首差だったわけで、秋の天皇賞は2着以下が大きな不利を受けたレース。武豊騎手の腕で勝った、といっても過言ではありません。それゆえ抜けた馬ではないのです。
疑問!体調は本当にわかっているのか?
さて、ファン投票1位のウオッカ。なんと11着と大惨敗。ファンの悲鳴が聞こえるようでした。私に言わせれば、これもジャパンCの疲れによる凡走だと思います。ダービー優勝とはいえ3歳の牝馬。かかる負担は想像以上だったように思います。それに大きな走法から中山は明らかに不向き。
レース前の関係者のコメント「精神面で本当に成長しているし、すべて順調。この秋一番のデキといえます」が、なんとなく空しい。日々、担当する馬を見ている関係者にも、本当の体調はというのは、わかりづらいのかも知れません。
それにしても、このウオッカ、ダービーで最高のパフォーマンスを披露したあと不運続き。究極はなんの意味があったのかわからない宝塚記念の無意味な1戦がありました。あのあとから歯車が空回りしているように思います。
優勝したマツリダゴッホは、中山の2500mが最適だったことと、ラッキーな雨で馬場がマツリに向いたこと。蛯名騎手が3番手に付けたら、流れが前残りになったことも幸運。ジャパンCで15着。レースをしていないことも結果的にプラス。昨年暮れの中山から連勝。AJCCでは5馬身ちぎる優勝。寒い時季は強い馬なのでした。
2着のダイワスカーレットはチョウサンに外から行かれたときに、口を割り、難しい面を見せましたが、初めての中山、初めての2500mでこの快走。3歳牝馬、素晴らしい馬です。同様に、スカーレットの兄ダイワメジャー。いつもより消極的なレースながらしぶとく3着。見事なラストラン。拍手拍手です。
ダイワメジャーの引退式で上原師とばったり。「3着だけどよく走ってくれました。彼のような馬を、また作らないと、食べていけないから」と、皮肉も忘れませんでした。
で、私の本命ラインは◎ロックドゥカンブ、○ポップロック。4着、5着でした。ロックドゥカンブは、キネーン騎手が大事に乗りすぎた印象があります。ダイワメジャーを目標に乗ったそうです。メジャーがもっと前に行くと考えたのでしょう。それでも、後方から直線よく伸びてきました。3歳馬、立派です。
ポップロックも中団で折り合っていましたが、もう少し位置取りが前々でも良かったように思います。
また、復活を期待していたドリームパスポートは4角で躓く不利。昨年と同じ場所で同じ不利を重ねてしまったようです。この件と高田騎手を乗せたことからか、ドリームパスポートは馬主側の強い要望により関東の稲葉きゅう舎に移籍。まさに人生の縮図をみているようです。