Archive for 2020年5月15日
NHKマイル男のM・Dが会心のGI制覇!!
3歳マイル王決定戦「NHKマイルカップ」。昨年に続き1分32秒台の決着となりました。東京は今回も無観客レース。東京の2日目と同様に春の強風が白い砂埃を舞い上げて芝コースに降り注ぎます。
誰もいないサイレントなスタンドに場内アナウンスが響きます。1番人気は阪神ジュベナイルFでレコ―ドで独走したレステンシア。鞍上にGI請負人・ルメール騎手を配し、願ってもない3番枠。左回りが初めてというウイークポイントがあるとはいえ、圧倒的な阪神JFのスピードから、難なく押し切れるはず、多くのファンはそう考えたようでした。
スタートと同時に内から当然のように先頭に顔を出して来たのが、予想通りレシステンシア。他の馬たちはこのレシステンシアの直後を狙って内、外から殺到。このとき内のタイセイビジョンとプリンスリターンが接触。
結局、2番手を占めたのがデムーロ騎手のラウダシオン。そしてストーンリッジ、タイセイビジョン、プリンスリターン、ギルデッドミラーが、ごちゃついた3番手グループを争います。
中団にサクセッション、シャインガーネット。さらに出負けしたルフトシュトローム、さらに遅れたサトノインプレッサは、ウイングレイテストと同様に後方グループ。
マイペースで一人旅の手に出たルメール・レシステンシア。半マイルが46秒0。5ハロン通過が58秒0。強風の影響があったとはいえ、レコードホルダーのレシステンシアにとっては願ってもない平均したペースで流れて行きます。
そして直線に入りまだまだ快調な逃げ脚を打つレシステンシア。その直後2番手で追い出しを待つラウダシオンのデムーロ騎手の手応えが抜群。その直後の内に2番人気のタイセイビジョン。その外にストーンリッジ。さらに背後からギルデッドミラーにプリンスリターン。4番人気のルフトシュトロームは最後方で馬群の後ろ。3番人気のサトノインプレッサは最後方で大外をまわります。
抜群の手応えで2番手からラウダシオンがラスト200m手前から仕掛けます。あっという間に先頭のレシステンシアに並びかけると一気に先頭。勢いは断然ラウダシオン。2番手に下がりながら懸命に頑張るレシステンシア。
そこへラチ沿いにいたギルデッドミラーが、前のタイセイビジョンの外に出すと、先行2頭に迫りましたが時すでに遅し。
また馬込みの中を割るように進出して来たルフトシュトロームが、鋭く迫って来ましたが5着まで。
一方で最後方から大外に出したサトノインプレッサ。ようやく追い出しにかかりましたが、なんとも歯車が狂ったような走りで13着。その後が5番人気のサクセッション。
勝ちタイムが1分32秒5。昨年優勝したアドマイヤマーズが1分32秒4。ラスト3ハロンも同じような34秒台のタイム。奇しくも2年続けて鞍上はM・デムーロ騎手。
彼、デムーロ騎手はNHKマイルCで3年連続連対。まさにNHKマイル男の形容にピッタリの騎手です。
大きなマスクをしながら「スタンドにファンがいないので、ガッツポーズが出来なかった」と、少し悔しそうな表情でした。
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今年もゴール前の魔術師が見せたハナ差のドラマ!!
3200mの長距離戦、GI伝統の「天皇賞(春)」。161回目とあって、それなりの過去のデータは盛りだくさん。なかでも、前年以来の実戦で、ぶっつけ本番となった馬はまず厳しい。つまり有馬記念以来のフィエールマンは、データによれば危ない人気馬と言うことになるのでした。
ところが、事実は小説より奇なり。1番人気に推されたフィエールマン。有馬記念以来132日ぶりの実戦。優勝すると136日以来となったマルタケ(1941年)から、なんと79年ぶりの偉業になるのです。
鞍上のルメール騎手は、昨年このフィエールマンで優勝。連覇がかかっていたのですが、こと天皇賞では春秋含めて一昨年秋の天皇賞をレイデオロで優勝。昨秋がアーモンドアイで連覇。なんと、なんとJRAでは初となる天皇賞4連覇という奇跡が生まれることになるのです。
レースはダンビュライトの逃げを、同じ音無厩舎のスティッフェリオが追走。武豊騎手に乗り替わったキセキが、菊花賞優勝のイメージを背に感じて外から3番手をキープ。私はキセキが出来るなら主導権を主張して、キセキのペースで走らせた方がいい、と考えていましたが、無駄な脚を前半から使わせたくない、と考えたのか武豊騎手が3番手をキープ。
中団の内ラチを2番人気のユーキャンスマイル。それを見る形で外にフィエールマン。ここにはミッキースワローがいます。
2週目の1コーナーでキセキが動きました。ダンビュライトに変わってキセキが先頭に立ちます。2、3馬身離れてダンビュライトとスティッフェリオ。モズベッロとハッピーグリンが続きます。前半の5ハロンが63秒0。予測通りスローで流れて行きます。
そして最終4コーナーを先頭でまわったキセキ。ダンビュライトとスティッフェリオが続いています。後方にいた馬たちも前に接近して来ました。
最内からラチにピッタリとユーキャンスマイル。好位3番手でジッとしていたスティッフェリオ虎視眈眈。その外からミッキースワローが迫って来ました。
また1番人気のフィエールマンは、後方待機から直線で一番外に出すや猛然と先行馬に迫ります。
そして、ゴール前で先頭に立ったスティッフェリオ。勢いと後続との差から優勝のシーンがチラつきましたが、さすがフィエールマンが矢のような末脚でグングン肉迫。内で頑張るスティッフェリオ。外から迫るフィエールマン。3番手以下の馬たちが離れます。内か外か。ピッタリと馬体を重ねてゴールイン。
軍配はフィエールマン。ハナ差でした。ゴール前の魔術師と異名をとるルメール騎手。してやったり昨年春のクビ差に続き、ハナ差で楯獲りの栄冠。そして史上初の天皇賞4連覇。また新しい歴史の1ページに記されることになりました。
11番人気のスティッフェリオが大健闘の2着。ミッキースワローは4着。阪神大賞典を制した2番人気のユーキャンスマイルは4着。そしてキセキは6着。ユタカ・マジックは起きませんでした。
とはいえ3分16秒5の時計は平凡。良馬場で行われた天皇賞(春)では過去10年で一番遅いタイム。3番手で進めたスティッフェリオ以外は先行馬が全て直線でジリ貧。
ルメール騎手が「休養明けでトップ・コンディションではなかったけど、勝てるだけの悪くない状態だった」とコメント。
本調子でもなかったフィエールマンがスティッフェリオにハナ差勝ち。スティッフェリオの健闘が光りましたが、3番手以下の馬たちもベストの調子を欠いたような気がします。
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