皐月賞で4着に敗退したGI馬アドマイヤマーズにとって、
NHKマイルCの選択は当然であったように思われます。それはGI馬にとって、まさにひとつの背水の陣とも言える一戦でもありました。
ところが強力なライバルが参戦して来ました。ここ一番でことごとくGIを手中に収めてきたルメール
騎手。その彼が騎乗する圧倒的1番人気のグランアレグリア。
桜花賞を圧倒した強力な手ごわい相手でした。
とはいえ、事実は小説より奇なり。2番人気のアドマイヤマーズにとって、勝利の女神は
ブーメランのように戻って来ていたのです。競馬は下駄を履くまでを分かりません。
抜群のスタートを決めたワイドファラオを、内からクリノ
ガウディー、プールヴィル、そしてイベリスが、逃げ争いを演じて飛び出して行きます。イベリスがなんとか先頭に立つと、前半3ハロンを33秒9と短距離戦並みのハイペース。その勢いで半マイルが45秒8。この緩みない流れの中で、グランアレグリアは好位インでついてまわります。それをマークする形で背後にダノンチェイサー、その外にトオヤリトセイト、これに並びかけるアドマイヤマーズ。

その後ろに内から
グルーヴィット、ヴァルディゼール、ファンタジストが追走。これを見る形でカテドラルとケイデン
スコール。ヴィッテルスバッハは後方。

4コーナーをまわり5ハロン通過が57秒8。先頭でまわったイベリスにクリノ
ガウディー、プールヴィルが並びかけようとしています。外にワイドファラオ。

直線中程で先行馬の脚色が鈍って来たときに後続勢が、どっと押し寄せて内、外横一線に広がります。先行勢の直後で展開していたグランアレグリア。内の間隙を抜けようとしていましたが、厳しいと見るや、勢い外に進路を取ります。そのとき外にいたダノンチェイサーに接触。

抜群の手応えでグランアレグリアの背後でマークしていた私の本命
グルーヴィットは、フラフラと前で走るグランアレグリアの影響をモロに受けて馬込みの中をさまよいます。
直線坂を上がるとダノンチェイサーの外からスパートしたアドマイヤマーズ。内でゴチャツクつく馬たちを尻目にゴールを目指して駆け抜けて行きました。

そして一番外から猛然と追い上げたケイデン
スコールの伸び脚が目立ち、半馬身差まで肉迫し2着。内から馬込みの中を抜け出たカテドラルが3着。
グランアレグリアは4位入線でしたが、裁決の判断は走行妨害と裁定して、被害馬ダノンチェイサーが繰り上がり4着。グランアレグリアは5着に降着となりました。

グランアレグリア騎乗したGI請負人ルメール
騎手は、
ダービーまで実行6日間の騎乗停止。クラシック戦線の動向から一刻一刻、目を離せなくなりました。
ところで、私の◎
グルーヴィットは、ほとんどゴール前で追えず、無念の不完全燃焼で10着。とはいえ勝ち馬から0秒5差。不運でしたが次回で巻き返しを狙います。
