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スケールが一枚も二枚も違った衝撃の圧勝!!

  2歳チャンプの決定戦「朝日杯FS」。圧倒的な1番人気に推されたダノンプレミアムが、まさに次元の違った強さで後続をちぎり捨てました。まさに独壇場のワンマンショー。

1番枠からポンと出ると楽々3番手。少し行きたがる仕草を見せたものの終始好位の内々で余裕の追走。逃げたケイティクレバーが前半の半マイルを47秒2、1000m通過が59秒3。スローペースで流れて行きます。

4コーナーを好位でまわると、川田騎手が手応えによほどの自信があったようで、ここが勝負とばかり一気に動きます。直線ではラスト200m手前で我慢しきれないといった具合で一気に先頭。あとは独壇場の強さ。後続に余裕で3馬身半差の横綱相撲で突き放しました。

1分33秒3、ラスト3ハロンがメンバー最速の33秒6。リオンディーズの持つ1分34秒4のレコードを大きく上回る出色のタイム。もし目一杯に追ったら1分32秒台は確実。古馬の重賞クラスの時計です。間違いなくクラッシック級。

「朝日杯FS」の2着争いは大混戦。6頭が並ぶように、どっと入って来ました。その中で、後方に待機し直線外からゴール寸前でグンと伸びたステルヴィオが2着。なかなかのガッツの持ち主です。

そして、ダノンプレミアムに次いで2番人気に推されたタワーオブロンドンが3着。中団を確保。ここまでは予定通り。直線でもしぶとく伸びましたが、迫力は今一息感じられませんでした。これは距離でしょうか。恵まれた馬格でルメール騎手は「短距離向き」とアピール。

私が注目していたダノンスマッシュが5着。スタートで出遅れて最後方。直線は窮屈なポジションの中を、馬込みを掻き分けるように伸びて2着ステルヴィオと、わずか0秒1差。スタートで後手にまわり、結局、この差が最後まで付いて回りました。五分のスタートであれば勝ち負けはともかく、着差から2着は楽にあったと見ています。

いずれにしても、4着ケイアイノーテックを含めて、上位5位までの馬は、すべて人気上位馬が占めました。 来週に迫ったGI「ホープフルS」の結果を待たずして、2歳牡馬の年度代表馬が決定した瞬間でもありました。

石橋脩騎手が感激のGI制覇にヤンヤヤンヤの大歓声!!

 

遂に日本人ジョッキーが勝ちました!  この秋はMデムーロJに、ルメールJ。そしていわゆる出張で来ていたボウマンJにムーアJ。天皇賞のキタサンブラック(武豊騎手)以外は、すべて外人騎手がGIを手にしていたのですから、その差は圧倒的なものでした。

もっとも1番人気に騎乗するジョッキーはほとんどが外人騎手。「阪神ジュベナイルF」もルメールJが騎乗したロックディスタウンが1番人気。この定説化したGIジンクスを打ち破ったのがラッキーライラック(2番人気)に騎乗した石橋脩騎手。

中団の外で末脚を温存。好位のポジションを取ったロックディスタウンに、すぐ目の前に3番人気のリーリーノーブルを背後で眺めながらの展開。こうした流れ、展開の良さもありましたが、その絶妙のタイミングで仕掛けて、直線先頭に立ったリーリーノーブルを、ゴール寸前でキッチリと捉えました。

レースは最内のサヤカチャンではなくて仕掛けてラスエモーショネスが主導権。外からコーディエライトがスルスルと2番手に上がりました。そして、ルメール騎手がなだめるようにロックディスタウンが上位に浮上。ラテュロスが内にいます。好位から中団にかけて内々をサヤカチャン。それに外から馬体を併せるリーリーノーブル。直後の内にマウレア。外にはラッキーライラック。そして後方のインにトーセンノブレス。外に並んでソシアルクラブ。そして最後方にレグルドール。

前半の5ハロンが59秒9。良馬場のマイル戦、遅い流れです。ところが、後半の3ハロンが34秒4。阪神、開幕2週目。間違いなくスローの展開です。そう感じたロックディスタウンのルメール騎手も好ポジション取り。それで掛り気味になるロックディスタウン。初めての長距離輸送も影響していたのかも知れません。 直線で2番手のコーディエライトがゴーサイン。先頭に立ちます。外からすかさずロックディスタウンが並びかけて先頭に立ちます。それを待っていたかのようにリーリーノーブルが猛然とスパート。さらに一番外からラッキーライラックが接近。内からスルスルとマウレア。

直線中程でロックディスタウンが失速。変わって一気に先頭に躍り出たリーリーノーブルが、後続を引き離しかけたところに、一番外のラッキーライラックの末脚がケタ違い。猛然と強襲してリーリーノーブルの外からスパッと差し切りました。

3番手に上がったマウレアも半馬身差まで詰め寄ったところがゴール。ラスト3ハロンが11秒9-11秒0-11秒5で34秒4。昨年の優勝馬ソウルスターリングが勝ったときがラスト35秒2。ソウルスターリングの勝ち時計は1分34秒0でしたが、ラッキーライラックは1分34秒3。ラスト33秒7の切れ味を見せたラッキーライラックは、まさにクラシック級です。

ラッキーライラックに騎乗した石橋脩騎手は、一完歩仕掛けを遅らせてまさに完璧な騎乗。武豊騎手のキタサンブラック以来の日本人騎手によるGI制覇となりました。 1番人気のロックディスタウンは9着に敗退。来年も折り合いが大きな課題になりそうです。

また、今回は登録したものの無念にも抽選で除外されたサウンドキアラ。1勝馬ですが血統もさることながら凄い逸材だと見ています。