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大一番のグランプリでオスカーものの名演技!!
平成27年の締めくくりの大一番、グランプリ「有馬記念」は、人馬とも初のGI制覇だった吉田隼人騎手とコンビのゴールドアクターが、真っ先に栄光のゴール前のテープを切ってトップで飛び込みました。第60回目の記念すべきその歴史に、8番人気のゴールドアクターの名前を刻むことになったのです。
有馬記念は歴代獲得賞金が第3位のゴールドシップが登場。休養明けのジャパンCをひと叩きして、得意の右回り。かつ、ゴールドシップにとってここがラストラン。鞍上はかつて主戦だった名コンビ内田騎手がカムバック騎乗。ゆえに単勝4.1倍の1番人気に推されていました。彼のラストランを知る多くのファンは、ここが最後の一番でもあり、応援の単勝を求めたような気がしました。
今年の有馬記念は典型的な逃げ馬が不在。昨年同様にスローの展開が考えられました。そこで好スタートを決めたのが内からゴールドアクター。すぐにキタサンブラックとリアファルの3歳馬コンビの2頭が前に出ます。内からラブリーデイ。その外にサウンズオブアース。中団の外をマリアライト。その内側にはルージュバック。注目のゴールドシップはダッシュが付かず最後方で予想された位置取り。
2週目、向こう正面でもキタサンブラックが先頭。外から並びかけんとするリアファル。そして内からゴールドアクターが虎視眈眈。その外側にはラブリーデイ。好位内からサウンズオブアースがじんわりと進出。
一番外から口を割り気味にマリアライト。内のサウンズオブアースに並んでいました。ゴールドシップは最後方で機を窺います。そして、この主役は3コーナーの前でイチカバチカの勝負に打って出ます。
このスローペースで後方待機、じっとしていてはお手上げになってしまう。予測されたとは言えゴールドシップの内田騎手が、3コーナー手前から外をまくり気味に上昇。そして2番手グループの外に取りつきました。この時点でハロン12秒台から11秒台にアップしていました。
4コーナーです。先頭はキタサンブラック。外に並んだマリアライト。ゴールドアクターはこの直後でゴーサインを待っています。その外にゴールドシップ。ここでリアファルが無抵抗で少し後退気味。内からラブリーデイ、外にサウンズオブアースが接近。ラストインパクト以下の待機組が遅れます。
先頭はキタサンブラック。なんとかついて行こうとするマリアライト。その外から満を持していたゴールドアクターが力強く伸びて、キタサンブラックに迫ります。そして、外から一番の伸び脚でサウンズオブアースが猛然と肉薄。ゴールドシップは伸び脚がなく後退。ラブリーデイも歴戦の疲労からか鋭さが見られず白旗状態。
そして、ゴールドアクターの外からサウンズオブアースがクビ差まで詰め寄ったところが栄光のゴールでした。3着に粘ったキタサンブラック。マリアライトも頑張って4着。2番人気のラブリーデイは5着がやっと。ラストランのゴールドシップは無念の8着。
リアファルは、やや故障か!?直線はルメール騎手が追うこともなく16着。期待していた馬で残念無念です。
上位3着は菊花賞好走馬。優勝したゴールドアクターは昨年の菊花賞3着、サウンズオブアースはそのときの2着。キタサンブラックは今年の菊花賞優勝馬。それゆえ今年の菊花賞で一番のレースで3着だったリアファル。スローで流れて抜群のポジションを占めていただけに悔しいです。
ちなみに、私の予想が◎リアファル 〇サウンズオブアース ▲キタサンブラック ☆ゴールドアクター △ラブリーデイの順。実に惜しまれる一戦でした。
何度も何度もガッツポーズを繰り返す吉田隼人騎手。初めてのGI制覇がグランプリ有馬記念。喜びもひとしおだったようです。まさに全てがアカデミー賞オスカーものの人馬による名演技でした。
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これぞドラマチック競馬!!ああ、母の血は濃し!!
今年の2歳チャンプの決定戦「朝日杯FS」は、なんともドラマチックな結末となりました。
優勝は2番人気のリオンディーズ。2着が1.5倍、圧倒的1番人気のエアスピネル。ゴール前は2頭の争い。リオンディーズがM・デムーロ騎手を背に力強く抜け出しました。
リオンディーズは父がキングカメハメハ。母が女傑シーザリオで、10年前のオークス優勝馬でもあります。
一方で、2着のエアスピネルは父がリオンディーズと同じキングカメハメハ。母が秋華賞を制したエアメサイア。このエアメサイアはオークスでシーザリオの前にクビ差2着。それゆえ2頭にとっては因縁の対決だったのです。
まず、主導権を取ったのは好ダッシュを利かせてウインオスカー。包まれるのを嫌い内からショウナンライズ。外にはアドマイヤモラールが馬体を併せに来ました。岩田騎手が背中を丸くして、手綱を懸命に引くシュウジ。ハミを噛んで引っ掛かっています。その直後にユウチェンジ。中団のインに京王杯優勝馬ボールライトニング。その直後をマークするようにエアスピネル。その後のハレルヤボーイを挟んで、内にイモータル、外にシャドウアプローチ。ダッシュが利かず最後尾に付けたリオンディーズ。
前半の3ハロンが34秒7。時計を要する阪神でこのペースは速い。ちなみに前日のオープン、リゲルSが36秒3だったことからも、先行勢にとっては厳しい流れです。ところが、4、5ハロン目が12秒6―12秒7に大きくダウン。
4コーナーの5ハロン通過が60秒0。ここから11秒9-10秒8-11秒7と一転して流れが急変。先行したウインオスカー、その外のショウナンライズが伸びかけたところを後続が殺到。シュウジがしぶとく伸び、ユウチェンジも接近。そんな中で、馬群の中からエアスピネルが、馬場中央を通って一枚上の脚でグイと抜け出してきました。脚色から完勝か!と思われましたが、4角最後方から直線大外に出したリオンディーズが、次元の違う末脚で強襲。豪快なストライド。エアスピネルに外から馬体を併せる間もなく、一気に突き抜けて栄光のゴールイン。
スタンド前ではM・デムーロ騎手が思わずバンザーイ!2着がエアスピネル。武豊騎手が唯一、勝っていないGI朝日杯FS。非常にも今年も夢が叶いませんでした。
3着が京王杯2歳S1番人気のシャドウアプローチ。エアスピネルから4馬身も離されてしまいました。4着ユウチェンジにハナ差で続いた5着が3番人気シュウジ。先行した組では引っ掛かりながら良く頑張りぬきました。
4番人気ボールライトニングが11着。楽しみにしていたショウナンライズが直線に入ったときも手応えは良かったのですが、どうしたことか伸びを欠いてしまいました。馬体重が12K増の464K。追い切り後に計測した馬体重が455K。美浦からの輸送で増えたのでしょうか。納得いかない敗退です。
とはいえ、10年前のオークスで1、2着したシーザリオ、エアメサイアの子供たちが、GI朝日杯FSで1、2着。母の血は濃し、まさにそんな印象をうかがわせたドラマチックな結末でした。是非、2頭で来年の凱旋門賞に挑戦して、日本初の凱旋門賞馬として帰国して欲しい気がします。
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