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一直線1000mの競馬は名人芸に達した柴田善騎手のスゴ腕!!

016015        こうすれば勝てるという騎乗法を駆使して初重賞制覇を成し遂げたセイコーライコウ。注目の14回「アイビスサマーダッシュ」は、1番人気に推されたセイコーライコウがゴール前で力強く抜け出して快勝。初重賞制覇となりました。

 同じ舞台で行われた韋駄天Sで楽々突き抜けて圧勝。それゆえ騎乗した柴田善騎手も自信があったと思います。

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 距離が1000mで直線だけの競馬では、騎乗者もやや慌てたりするものですが、セイコーライコウの柴田善騎手は、快足を飛ばして離して逃げるアンバルブライベンは眼中になし。それはセイコーライコウに対する「自信があった」という絶対的な信頼なのでしょう。不利と言われる内枠でも微動だにせず。2番手グループに付けたフォーエバーマークの背後を、やや仕掛けながら追走。

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 ラスト200mの地点で楽に馬体を併せに行き、ここで一気に抜け出す作戦通りの競馬で、ライバルのフォーエバーマークをアッサリ置き去り。馬場の外側を走るフクノドリーム、その外の重賞馬アースソニックを抑え込んで見事な初重賞勝ち。

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 これで柴田善騎手は、1000mで24勝というスペシャリスト的活躍。コツを尋ねられても「強い馬に乗せてもらったから」と冷静。

 新潟1000mと言えば、前日の閃光特別で、せっかく好スタートを切りながら、普通のレースのようにガチッと手綱を引いて後方に下げる人気馬に騎乗した某騎手。1000mの高速決着ではこの騎乗ではほとんど無理。それゆえセイコーライコウの柴田善騎手の騎乗を、よくお手本にしたほうがいいと思います。

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 本来、1000mという距離は、カルストンライトオのような絶対的なスピードを持つ馬が強いのですから、ゴール前バテたところを差し込もうとする了見が狭いのです。

 今回のアイビスサマーダッシュは、やや手薄な顔ぶれだったことからも、セイコーライコウにとっては、続く芝1200m戦が最大の試金石となります。軌道に乗った7歳馬。珍しい短距離部門の奥手タイプです。

クイーンSに見る本格化したということは、まさにこのことです!!

 ここ何年かまったくの人気薄の馬が飛び込んで来て、高配当が続出していた「クイーンS」。今年も穴党としては胸をときめかせていました。

 札幌は雨にたたられた開幕週とは一転した好天の夏競馬日和。そういった中で、重賞クイーンSがスタート。

 下馬評は前走のヴィクトリアマイルで堂々1番人気に推されたスマートレイアー。ヴィクトリアマイルでは直線で前がカベになり、やや不完全燃焼の競馬で8着。とはいえ0秒3差だったことから巻き返しに期待する声が強かったようでした。

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 対して2番人気に推されたのがキャトルフィーユ。愛知杯で2着、中山牝馬S2着、福島牝馬S2着。前走のGIヴィクトリアマイルでは一瞬勝ったかな、という惜しい競馬で0秒1差の5着。ここへきて確実に本格化の兆しを見せていました。先行力があって、折り合いにも急激な進境度。去年の函館で特別勝ちして洋芝にも対応できることを実証。

 私はスマートレイアーよりもこの馬が最大の強敵と見ていました。おそらく、ケイアイエレガントの逃げを2、3番手で直線抜け出しをはかるだろう、と言うのが私の予測でした。

 レースは外からオツウが仕掛けて先頭を奪いに行きます。なんと言っても1番枠だし、スンナリと主導権を取れるだろう、と読んでいたに違いないケイアイエレガントの吉田豊騎手は仕方なく2番手。サンシャインも同じ位置を主張。その外にはコスモバルバラ。キャトルフィーユはそれらの直後に付けます。ディアデラマドレは中団の外を追走。ラチ沿いにはアイスフォーリス。後方には中にスマートレイアー。内にマーブルカテドラル、外にはアンアヴェンジドで、最後方にはアロマティコがいます。

 逃げるオツウはペースを落とすことなく、2番手以下を大きく引き離した逃げで、後続を困惑させようとしています。

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 前半の半マイルが46秒4で1000m通過が57秒8。緩みない流れで2番手以下ケイアイエレガントが3角過ぎから動き出します。これにキャトルフィーユもついて行きます。アイスフォーリスが経済コースを通ってジンワリ上昇。中団の外にディアデラマドレ。その真後ろにスマートレイアー。後方のインにいるのがアロマティコ。

 1400m通過が1分21秒1ですからハイペース。直線に入るとさすがに逃げたオツウの脚色が急激に鈍りだし、キャトルフィーユが一気に先頭に立ちます。直線外からスマートレイアーがグイグイ伸びて来ました。

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 ゴール前はキャトルフィーユを目がけて、インから強烈な末脚を見せて詰め寄って来たのがアロマティコ。ゴール前はキャトルフィーユを先頭に3頭並んで熾烈な叩き合い。

 勢いは完全にアロマティコでしたが、ゴール板ではキャトルフィーユが凄い二枚腰を発揮してハナ差勝ち。外のスマートレイアーがアロマティコからクビ差遅れて3着。

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 4着のアイスフォーリス以下が3馬身も離されたように3頭の力が抜けていたようでした。

 時計が1分45秒7のレコード勝ち。新装の札幌競馬場とはいえ、クイーンC史上初めて1分45秒台ですから立派です。しかも、キャトルフィーユは先行馬が崩れた中で、正攻法から力でねじ伏せたもの。内容の高さが光りました。

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 充実、本格化の夏。秋のエリザベス女王杯が大いに楽しみです。