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それぞれの自慢の末脚にかける、それぞれのドラマがあった!

【ドラマその1】
 1月28日、土曜日。京都競馬場。この日のメインは、来るGI高松宮記念を睨んだ「シルクロードS」。注目の圧倒的な人気のロードカナロア。4月の小倉から4連勝中。そのスピードと成長力に期待するファンの見つめる目を一心に集めていたのですが、その期待に見事に応えてくれました。
No1  レースは中団の馬込みの中で末脚を温存。直線に入ると福永騎手が外に出し、そこから時が止まったかのようなケタ違いの豪脚で、あっという間に前を捉えたと思ったら、一気に突き抜けて圧倒!ラスト3ハロンがメンバー最速のラスト33秒6。
 「一瞬でしたね。抜け出してから遊んで外に逃げていたけど、それはまだまだ良くなる余地があるということですよ。このまま順調に成長していければ、短距離の頂点に立てるくらいの馬になると思います」と、福永騎手から力強いコメント。課題は初めての左回りとか。克服して堂々の頂点に立って欲しいものです。
 トップクラスの短距離馬といえば、安田隆きゅう舎にはカレンチャンにダッシャーゴーゴーも健在。高松宮記念を独占?可能性は十分です。

【ドラマその2】
 1月28日、東京競馬場では、あのペルーサが登場した「白冨士ステークス」。オープン特別ではまず負けられない、圧勝、楽勝のシーンがあるかも知れない、と言うことで、人気はグングンと跳ね上がり、単勝1・4倍で断然ムード。それもそのはずで、長期休養明けの秋の天皇賞で、レコードに0秒2差まで迫る3着。GIクラスの強烈な末脚が最大のセールスポイント。有馬記念を取り消し、いわば仕切り直しの一戦でしたが、とてもトップクラスとは呼べない顔ぶれの中にあっては、天皇賞と同じ東京コースの芝2000mで、かつ別定戦でもあり、まず負けられない、負けてはいけない戦いだったはずです。
 ところが、結果はヤングアットハートの2着に敗退。福島記念14着→ステイヤーズS9着だった大敗続きの馬の後塵を浴びてしまいました。
 直線入り口で最後方。大外を回ってはさすがに届かない、という気持ちからか、安藤勝騎手が開いたところを狙って、ゴール前鋭く伸びてきてところがゴールで届かず。無念の結果となりました。
 普通に考えて、なんで弱敵相手にあんなにも最後方から行くのだろう、という疑問が一般のファンからも出ています。安藤勝騎手は「重かった(プラス8K)こともあって、1度もガツンとくるものがなかったな・・。地力で最後は差を詰めてきたんだが・・」と、歯切れが今ひとつ悪く感じました。追い込みのヤングアットハートが中団の前に付けられる展開。以前のように出遅れ癖が解消してきているゆえ、今回の競馬にはなんともシックリいきません。

No2 【ドラマその3】
 ラスト33秒台の切れ味をセールスポイントにしていた追い込み型のドナウブルーが、凄い女、牝馬になってきました。それは何かが吹っ切れたかのような変身ぶりです。その水先案内人となったのがMデムーロ騎手。11月の京都1000万で1番人気。なんと不良馬場を意識したのか、一転した2番手の積極策で、4角では先頭に立ち、そのまま3馬身差の横綱相撲。
 このレースがキッカケとなったのか、1月29日の「京都牝馬S」ではCデムーロ騎手が好位置の直後で折り合いに専念。4角では先頭に並びかける感じで進出。直線もシッカリした足どりでショウリュウムーン以下を完封。明け4歳馬、少女から大人の女になったことを証明した一戦でもありました。
 「兄からいいアドバイスを受けて、それが結果に出せて嬉しいです」とCデムーロ騎手。今年の大活躍が大いに期待できそうです。
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【ドラマその4】
 典型的な追い込み馬シルクフォーチュンが見事な追い込み劇を見せてくれました。1月29日の東京競馬場。この日のメインである「武蔵野S」は、最終日に行われるGI「フェブラリーS」の前哨戦。
Photo_3  1番人気ダノンカモンは照準をフェブラリーSに絞っているような印象があって、加えて早めに先頭に立つとソラを使う、気を抜く癖がありことから、いわゆる危険な人気馬でもありました。
 そこをついて一気に台頭したのがシルクフォーチュン。プロキオンSで劇的な直線一気の末脚でダノンカモン、ケイアイガーベラを圧倒。9番人気で◎に推した私も当時は歓喜の美酒に酔いしれたものです。更に南部杯では7番人気で再び◎。惜しくもトランセンドの3着でしたが、3連複を中心とした馬券をゲット。金運をもたらす素晴らしく私にとっては相性のいい馬なのです。
Photo_4  根岸Sは前半3ハロンが35秒3、まずまずの平均ペース。最後方にいたシルクフォーチュンにとっては、とくに恵まれた展開ではなかったのですが、直線で外に出しゴール前の伸び脚がケタ違い。あっという間に取り付Photo_5 いて、あっという間に抜け出していました。ラスト3ハロンが傑出した34秒9。東京ダート1400mという条件が、まさにピッタリ。1600mのフェブラリーSも南部杯から目を離せなくなりました。
 さて、私はこの根岸Sで◎がトウショウカズン(9番人気)。全6勝がダート1400m。根岸Sはベストの距離で全力投球。先行馬が残る展開なりそうだと考えていたものですから、この2着はしてやったり。シルクフォーチュンと本線で馬連1万5660円は実に美味。やはり今回もシルクフォーチュンは私と相性のいい馬です。

安泰のダート戦線に異状ありか!?決戦は王者トランセンドが待つフェブラリーS!!

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 東京開催の最終日に行われるGI「フェブラリーステークス」の前哨戦ともいえる「平安ステークス」。優勝したのはなんと10番人気のヒラボクキング。速い流れで逃げたトウショウフリークの2番手を進む正攻法。このレースの圧倒的1番人気(1・3倍)のエスポワールシチーが外枠ということもあって、仕方なく3番手で前2頭を追いかける形。
 ところが、この日は前日の雨の影響であいにく不良馬場。ダートはかえって脚抜きが良くなり高速決着は見えていましたが、それでも、よもやエスポワールシチーがヒラボクキングに完敗するとは思えませんでした。実際、前走のみやこSではエスポワールシチーに6馬身も突き放されているわけですから、同じ京都の同じダート1800mでの逆転劇。本当に競馬はゲタを履くまでわからないものです。
 エスポワールシチーのダート1800mの持ちタイムが1分48秒4、今回は1分48秒3。自己ベストを更新しているのです。たった1頭だけ58Kを背負い、そして7歳という年齢を考えてもスコブル優秀な時計。
 とはいえ、3着で6番人気のシルクシュナイダーがエスポワールシチーとクビ差。連戦連勝だった当時に比べて、さすがにその勢いに陰りが見えてきたことも事実。やはり7歳という年齢からの衰えなのでしょうか。目標としてきた「フェブラリーS」で本来の力を発揮できるのか、エスポワールシチーにとってフェブラリーSは背水の陣ということになりそうです。
 同じダートの舞台で快進撃を続行中のスマートファルコン。1月25日の川崎記念を勝ち、目下、無敵の9連勝中。ところが、前々走の東京大賞典では楽々安泰かと思われながら、これをピッタリとマークしたワンダーキュートに、ゴール前で外から馬体を併せられて大ピンチ!結果、僅か3・5センチの差で、スマートファルコンが優勝。単勝1・0倍という記録的な人気に応えました。
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 それにしても、帝王賞でエスポワールシチーを、JBCクラシックではあのトランセンドを撃破してきたスマートファルコン。川崎記念で休養明け、南部杯6着のランフォルセを相手に圧勝したものの東京大賞典のハナ差勝ちという大接戦は、何を物語るのか、今後の動向に注視したいと思います。3月のドバイ遠征で世界制覇を目論みます。
 ただし、スマートファルコンに対しては、あまりいい印象を持っていません。というのも、JRAに所属して、栗東トレセンで調教し、レースは地方競馬ばかり。中央競馬は3年半前、平成20年の8月の小倉、KBC杯から走っていないのです。母屋を無料で貸しているJRAにとっても、なんとも歯がゆい思いでしょう。昨年のジャパンCダートに出走か、トランセンド、エスポワールシチーとの再対決!というアドバルーンが上がりましたが、結局、空振りに終わりました。彼が中央競馬で走ることは、もう二度と見られないのかも知れません。