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新潟から2008年のチャンプに輝いたセイウンワンダーは間違いなくクラシック級の器か!?

 今年の2歳チャンプを決定する「朝日杯FS」は、2番人気のセイウンワンダーが直線で一気に仕掛けると、あっという間に先頭。さすがに一瞬の脚は2歳ピカイチ。進路を内側に突っ込み、ゴールを目指してそのまま踏ん張りきりました。直後からブレイクランアウト(1番人気)、その外からもの凄い勢いでフィフスペトルが肉薄しましたが、からくもセイウンワンダーが頭差振り切り、2008年、2歳チャンプの座を射止めたのです。
 それにしても、この1勝は強烈に大きい1勝でした。というのも、セイウンワンダーにとっては、ここが新潟2歳S以来、3ヶ月半ぶりの実戦。中間、順調さを欠き、朝日杯FSに、やっとなんとか間に合った、という状態。従って馬体重が新潟2歳Sよりもプラス10K。成長分を見込んでもやや急仕上げという印象は拭えませんでした。加えて、唯一2着に敗れた右回り。急坂の中山も初めての経験。内容は着差以上のものです。
 恐らく、今回の顔ぶれでは一枚抜けた能力の持ち主なのでしょう。ただし、時計がやや平凡。勝ちタイムの1分35秒1は、昨年のゴスホークケンの1分33秒5と比較しても遅すぎます。レースの上がりタイム36秒3も、昨年の35秒2に対して1秒も遅い平凡さ。今年を含めて過去10年で1番遅い勝ち時計でした。馬場状態が見た目以上に時計を要する馬場だったのか、首を傾げるところです。
ちなみに、前日の500万ひいらぎ賞の勝ちタイムはメジロチャンプで1分35秒3ですから、その馬とわずか0秒2差。この不可解さが残ります。
 朝日杯FS2着のフィフスペトル。直線まで追い出しを我慢。ゴール前に賭けて一気に追い込んで来ました。前走の京王杯2歳Sで1番人気。休養明け、初めての左回り、という課題を抱えて惜しくも2着。今回は初めてのマイル戦、急坂の中山、それで頭差2着は大いに楽しみになりました。
一方、武豊騎手の復帰戦に彼が選んだブレイクランアウトは、意外にも1番人気。あと一息伸び切れませんでしたが、前走の東スポ杯2歳Sのときよりも、馬体重が10K増。デビュー以来最高の計時量。で、頭・半馬身差は大いに楽しみになりました。
 主導権を取らないとモロさがあるかな、と考えていたホッコータキオン4着。好位置で折り合ってしぶとく食い下がりました。
 ところで、期待していたミッキーパンプキンが6着。1番枠で無理に鼻争いに加わることなく、インコースの内枠で手ごたえ十分。ところが、あまりにも脚をペリエ騎手が貯めすぎ。外からワーと、来られて走りにリズム感なし。手前のギアチェンジもバラバラ。この辺は、スーと先手を取って楽に競馬をしてきた過去2戦とは違いました。恐らく疲れはないはずです。萩S優勝の勝ちっぷりがことの外良く、改めて、主導権を取ったミッキーパンプキンを追いかけたいと思います。

やや!? 時計がイマイチ伸びなかった阪神JF圧倒のブエナビスタの資質は・・??

 いやあ、ブエナビスタは強いのなんのって独演会的強さでしたね。今年2歳女王の決定戦「阪神ジュベナイルF」芝1,600m。
 一昨年の優勝馬があのウオッカ。昨年がトールポピー。方や翌年は64年ぶりの牝馬によるダービー制覇。トールポピーは今年のオークス馬に輝いた馬。しかるに来年のクラシックに重要なカギを握る一戦なのです。
 出遅れて最後方に置かれた1番人気のブエナビスタ。大丈夫か、といったファンのささやきがあるなか、4コーナーで外に出すと、まるで他の馬とはエンジンの次元が違う迫力で、理想的なレース運びで一旦先頭に立ちかけたダノンベルベール(3番人気)を、並ぶところなく捉えると、一気に突き抜けました。その差が2馬身半差。非の打ちどころがない能力の違いだったようにとれます。
 ところが、時計が予想していたよりも下回っていたのです。ちなみに、今年は1分35秒2で、レースの上がり3ハロンが35秒6。昨年のトールポピーは1分33秒8で上がりが35秒7。一昨年のウオッカは1分33秒1で、上がりが34秒8と、ここ3年の中で、格段に平凡に近い時計。2着以下が水準以下だったから、余計にブエナビスタの強さが目立っていた、とも考えられるところです。
 なるほど、ファンタジーSで圧倒的1番人気だったワイルドサファイアが出ていなし、私が出てきたら本命にしようと狙っていた連勝中のプットリーも不参加。
 それにキャリア1戦で、休養明けながら3着だったミクロコスモス。これからデビューする馬を含めて、来年の3歳戦線はまだまだ霧の中です。
 とりあえず、今回の阪神ジュベナイルFはブエナビスタ1頭が、現段階では抜きん出た能力の持ち主であることは確認できました。
 私が楽しみにしていたワンカラットは、岩田騎手にバトンで力が入ったのですが、スタートを切ってから、岩田騎手が好位置に付けようと試みたところ、もう完全にギンギンに戦闘モード。完全に折り合いを欠いてしまいました。唯一、マイル1分33秒台の時計があった馬で、これからレースを覚えてくると、大駆けの要素は十分。来年も追いかけたい1頭です。
 2番人気のジェルミナル(6着)は黄菊賞の優勝馬。ウオッカ、トールポピー(いずれも2着)が、阪神ジュベナイルFの前に通ってきたレース。1,800mで力強いレースから距離が延長されるオークス向きなのかも知れません。
 今年の桜花賞2着、オークス2着のエフティマイアは、昨年の阪神ジュベナイルFがなんとブービーの17着でした。