圧倒!ケタが違った評判の大器!ムーアJも絶賛!!

「こんな素晴らしい馬に乗せてもらえて光栄です!」と、クールな表情で語るRムーア騎手。注目の今年の2歳チャンプを争う「朝日杯フューチュリティS」。

サウジアラビアRCで圧倒的な強さでレコード勝ちしたサリオス。むろん下馬評通り断然の1番人気。初めての右回りの阪神と課題があったにもかかわらず、彼の評価を引き下げる材料にはなり得ませんでした。

  持ち前のダッシュ力で内からさっと先頭に立ったビアンフェ。本来であればこの馬のペース、一人旅に楽に持ち込めるはずでした。

  ところが、本馬場入場前に転倒するアクシデントがあったとされるメイショウチタンが、外から必死に松山騎手が手綱をしごきながら並びかけようとします。これでグンとペースアップ。前半3ハロンが33秒8。ここ3年が35秒台。ケタ違いに速いペース。そして前半の半マイルが45秒4。先々週の「阪神JF」をレコードで独走したレシステンシアと、同じようなペースで流れて行きます。もっとも、2週レースを消化して、高速馬場でもいくらかコンディションが劣化したような印象。

この超ハイペースでもサリオスはトリプルエースと共に3番手の正攻法策。対して2番人気のタイセイビジョンは中団の外をキープ。内には3番人気のレッドベルジュール。それらの前には内ラチ沿いにペールエール(4番人気)。ルメール騎手のラウダシオンは外枠から3コーナーで中団の内に取りつきました。

  5ハロン通過が57秒2。ペースが落ちません。そして4コーナーを先頭でまわるビアンフェ。2番手のメイショウチタンがここでギブアップ。それを見たサリオスが一気に動きます。そして直線中程でビアンフェに並びかけると、ここから次元の違う脚で突き抜けて行きます。

中団から直線外をまわり追い上げて来たのがタイセイビジョン。とは言えサリオスの前には明らかに力負け。内でしぶとく頑張るビアンフェでしたが、プリンスリターンの外から外に出したグランレイ、タガノビューティーが肉迫。結局、そこがゴールでした。

優勝したサリオスの勝ちタイムが1分33秒0。むろん逃げたビアンフェの速い逃げによって、もたらされたものですが、過去の朝日杯FSのレコード。

また、同年代でサリオスの538kを越える馬が、重賞を勝ったケースの記憶がありません。異例ずくめのサリオス。このままクラシックロードを走り続けることが出来るのか、鞍上のムーア騎手は「このまま今の状態をキープ出来ていければ、将来的にも大変期待できると思う」とコメント。

先週のレステンシアといい今回のサリオスといい、2歳戦線はこれまでの競馬との分岐点に差しかかって来ているのかも知れません。

衝撃!あのウオッカのレコードを粉砕!劇的な独走劇!!

  事実は小説より奇なりです。初めてのマイル戦で4番人気のレステンシアが、よもや後続に5馬身差のワンサイドで、レコード勝ちを演じるなどと誰が予測しえたでしょうか。

2歳牝馬の頂点「阪神ジュベナイルF」で、内枠からレステンシアが抜群のスタート。躊躇なく主導権を取り、前半32秒7―45秒5の短距離戦並みのハイペースに持ち込み、直線はバテるどころか、逆に後続に5馬身差も水を開けて、まさにワンサイドの独走劇を演じました。

  今年の「阪神ジュベナイルF」は、もっか2連勝のピカイチの逸材、リアアメリアが単勝1.8倍。圧倒的な支持に支えられました。

ところが、どうしたことか最後方で展開し、直線は大外から追い上げ態勢を見せたものの真骨頂だった持ち前の末脚が不発。優勝したレシステンシアから10馬身も離された6着に惨敗。 一方、新潟2歳Sを強烈な末脚で制した2番人気のウーマンズハート。今回はビュイック騎手が騎乗し、展開を考えて好位3番手の正攻法で臨んだものの、直線でいざ追い出されると、伸び脚どころか自らの位置をキープするのがやっと。4着と敗退しました。レシステンシアから7馬身半差。これまた内容的には凡退となりました。

また、サウジアラビアRCでレコード勝ちした2歳牡馬陣の大将格サリオスを相手に2着に頑張ったクラヴァシュドール。3番人気に推されて中団から追い上げたのですが、5馬身・ハナ差と大きく水を開けられてしまいました。

逆に6番人気のマルターズディオサが、半マイル45秒5のハイペースを追走し、3番手の積極策からクラヴァシュドールを振り切り2着に頑張った二枚腰には敬服。 あのウオッカの持つ1分33秒1のレコードを、自らのペースで更新したレシステンシア。しかも、1分32秒7の時計に加えて、メンバー最速のラスト35秒2で再加速。とてつもない世界のポテンシャルの持ち主です。

ハイペースで飛ばして、かつラストが最速のタイムというスーパーホースのようなレベル。こんなレースを簡単に演じることが出来るのであれば、守備範囲の距離であれば負ける要素が見当たりません。 いずれにしても、激しい究極の争いの中で、追走した馬も後方待機の馬たちもゴール前はネッキリ状態。それが後続と5馬身も水が開いた印象です。

さすがにゴール前の1ハロンは12秒5と減速したものの、いずれにしても1分32秒7は破格のレベルです。この時計は今年の桜花賞を制したグランアレグリアと、まったく同じタイム。

1番人気に推されたリアアメリア、そして2番人気のウーマンズハート。ともに速いペースが未経験。スローの展開で持ち前の切れ味を生かすことが出来た芸当が、究極の激しい流れでは瞬発力が半減するということを実感した一戦でもありました。