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今年もゴール前の魔術師が見せたハナ差のドラマ!!

  3200mの長距離戦、GI伝統の「天皇賞(春)」。161回目とあって、それなりの過去のデータは盛りだくさん。なかでも、前年以来の実戦で、ぶっつけ本番となった馬はまず厳しい。つまり有馬記念以来のフィエールマンは、データによれば危ない人気馬と言うことになるのでした。

ところが、事実は小説より奇なり。1番人気に推されたフィエールマン。有馬記念以来132日ぶりの実戦。優勝すると136日以来となったマルタケ(1941年)から、なんと79年ぶりの偉業になるのです。

鞍上のルメール騎手は、昨年このフィエールマンで優勝。連覇がかかっていたのですが、こと天皇賞では春秋含めて一昨年秋の天皇賞をレイデオロで優勝。昨秋がアーモンドアイで連覇。なんと、なんとJRAでは初となる天皇賞4連覇という奇跡が生まれることになるのです。

レースはダンビュライトの逃げを、同じ音無厩舎のスティッフェリオが追走。武豊騎手に乗り替わったキセキが、菊花賞優勝のイメージを背に感じて外から3番手をキープ。私はキセキが出来るなら主導権を主張して、キセキのペースで走らせた方がいい、と考えていましたが、無駄な脚を前半から使わせたくない、と考えたのか武豊騎手が3番手をキープ。

中団の内ラチを2番人気のユーキャンスマイル。それを見る形で外にフィエールマン。ここにはミッキースワローがいます。

2週目の1コーナーでキセキが動きました。ダンビュライトに変わってキセキが先頭に立ちます。2、3馬身離れてダンビュライトとスティッフェリオ。モズベッロとハッピーグリンが続きます。前半の5ハロンが63秒0。予測通りスローで流れて行きます。 そして最終4コーナーを先頭でまわったキセキ。ダンビュライトとスティッフェリオが続いています。後方にいた馬たちも前に接近して来ました。

最内からラチにピッタリとユーキャンスマイル。好位3番手でジッとしていたスティッフェリオ虎視眈眈。その外からミッキースワローが迫って来ました。

また1番人気のフィエールマンは、後方待機から直線で一番外に出すや猛然と先行馬に迫ります。 そして、ゴール前で先頭に立ったスティッフェリオ。勢いと後続との差から優勝のシーンがチラつきましたが、さすがフィエールマンが矢のような末脚でグングン肉迫。内で頑張るスティッフェリオ。外から迫るフィエールマン。3番手以下の馬たちが離れます。内か外か。ピッタリと馬体を重ねてゴールイン。

 軍配はフィエールマン。ハナ差でした。ゴール前の魔術師と異名をとるルメール騎手。してやったり昨年春のクビ差に続き、ハナ差で楯獲りの栄冠。そして史上初の天皇賞4連覇。また新しい歴史の1ページに記されることになりました。

 11番人気のスティッフェリオが大健闘の2着。ミッキースワローは4着。阪神大賞典を制した2番人気のユーキャンスマイルは4着。そしてキセキは6着。ユタカ・マジックは起きませんでした。

とはいえ3分16秒5の時計は平凡。良馬場で行われた天皇賞(春)では過去10年で一番遅いタイム。3番手で進めたスティッフェリオ以外は先行馬が全て直線でジリ貧。

ルメール騎手が「休養明けでトップ・コンディションではなかったけど、勝てるだけの悪くない状態だった」とコメント。 本調子でもなかったフィエールマンがスティッフェリオにハナ差勝ち。スティッフェリオの健闘が光りましたが、3番手以下の馬たちもベストの調子を欠いたような気がします。

ごうごうと強風が吹く中で沈着な若き獅子の騎乗が光る!!

開幕した春の東京競馬。春うららとは一変した天候に、走っている馬たちがビックリしていたようにも感じました。

ごうごうと内馬場からスタンドに向かって吹く風。つむじ風並みのものすごい強風です。そして直線は真っ白な砂埃で、直接に競走馬、そして騎手を襲います。

しかも、直線は向かい風で、キャリアの浅い3歳牝馬たちには気の毒でした。その3歳牝馬によるオークストライアル「フローラS」。2着以内に入ればオークス優先出走権。優勝したのが4番人気のウインマリリン。絶好の3番枠を引き当てて、当然ながら前に出て行き、直線早めに先頭に立つと、横山武騎手は構わず早めのスパート。そのまま後続の追撃を振り切り優勝。若き横山武騎手は初重賞制覇となりました。

主導権を手にしたのがシャンドフルール。内から好スタートのウインマリリンは直ぐに控えて4番手のインで折り合いに専念。これに2番人気のホウオウピースフル、レッドルレーヴ(3番人気)が好位を形勢。そして1番人気のスカイグルーヴはこれらをマークする形。

その背後に外からショウナンハレルヤとフアナが追走。シャレード、ヴォリアーモも差なく続きます。前半の5ハロンが58秒6。スタート直後は追い風気味でペースに緩みはありません。

4コーナーをまわると、ごうごうと砂塵まじりの強烈な白い強風が馬たちを襲います。逃げるシャンドフルールを風よけにしていたウインマリリンが2番手から、直線で早めに一気に抜け出しました。 そして2番手にレッドルレーヴ、その外からスカイグルーヴが迫って来ました。好位で満を持していたホウオウピースフルは前が開かず追い出しを待たされましたが、ようやく開くとレッドルレーヴと、スカイグルーヴの間から割るようにして伸びます。

その時でした。スカイグルーヴの外からフアナとショウナンハレルヤが肉迫。ゴール前でウインマリリンの外からホウオウピースフル。そしてフアナが猛然と強襲。3頭並んでゴールイン。からくもウインマリリンに栄冠。クビ・クビ差でホウオウピースフル、フアナの順。ショウナンハレルヤが4着で5着がスカイグルーヴ。レッドルレーヴは7着。

ウインマリリンとホウオウピースフルがオークス優先出走権を手にしました。16番枠、直線で前が詰まる不利がありながら、外から迫ったフアナは1勝馬で残念ながらオークス出走は絶望的。また1番人気のスカイグルーヴはマイナス14k。強風もあって小型の馬には応えた印象。

距離的に楽しみにしていたヴァリアーモはスタートで後手。2コーナー過ぎに他馬と接触。馬込みの中でほとんど力を出しきれないままで10着。残念でした。

1、2着した2頭は前半の位置取りが見事。なかでもまた若き獅子、横山武騎手の判断が素晴らしく、見事な初重賞勝ちにつなげました。