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ラスト33秒0の決着にただただ唖然の前残り!

   

よく競馬では「行った行ったの競馬」とは言われますが、2歳馬が新潟外回りの競馬では無理だろう、という予想を、見事に裏切る結果となった「新潟2歳ステークス」。

1番人気は6月の東京、デビュー戦を圧倒したムスコローソ。私はきっとスローになると言う読みでしたが、実際は予想以上の超スロー。前半3ハロンが36秒6。これは過去10年で一番遅いペース。それゆえ後続各馬も前について行きやすいものですが、それぞれが外回りを意識したのか、じっくり末脚を温存。

1番人気のムスコローソも中団のインで、なにか窮屈そうな走り。これで楽な逃げになったコーディエライト。2番手がフロンティア。好位インには私が期待したテンクウ。その後ろがムスコローソでした。

前半の5ハロン通過が61秒6。この遅い流れに気づいた北村宏騎手のテンクウが内から早めに3番手に上がって来ます。

ところが、ラスト3ハロンが11秒4-10秒4-11秒2と、究極のハイレベルの争いで33秒0の決着。

直線も快調に逃げるコーディエライトを、2番手のフロンティアが外から馬体を併せに行きます。そして、内からじわじわ伸びて来るテンクウ。後の後続は置かれます。中団のインにいたムスコローソは、どうしたものか走りがバラバラ。

争いは完全に前の3頭に絞られました。ゴール前で抜け出しかけたフロンティアが、そのままコーディエライトを捉えて優勝。最内のテンクウも差を詰めたものの自身の上り3ハロンが32秒6。こんな脚を使いながら3着。上位2頭のしぶとさを誉めるべきでしょうか。そしてムスコローソは、まったく見せ場なしの12着。消極策が裏目に出た格好でした。

勝ちタイムの1分34秒6は、稍重、良馬場で行われた過去9回のうちで一番遅いタイム。

とはいえ、上位馬の驚異の二枚腰。今後が楽しみになりました。ムスコローソはデビュー戦で騎乗した戸崎騎手が、改めて騎乗してくるかが、ひとつの評価のターニングポイントになりそうです。

ああ!これは悪夢なのか!真夏の札幌で何が起きた!!

注目していた函館記念で9着と惨敗したサクラアンプルール。休養明け?道悪?出遅れ?すべてが敗因だったような気がしました。 「こんなもんじゃない。中山記念でロゴタイプやアンビシャス、ヴィブロスといったGIレベルの馬に先着。それも厳しい位置から最速のパンチ力で、優勝したネオリアリズムに肉薄した力は相当なものだ。狙いはひと叩きした今回の札幌記念だ。札幌記念こそが勝負なのだ。よし倍返しだ、10倍返しだ!大勝負に出るぞー!」私は手ぐすね引いて待っていた一戦でした。

相手は別定戦だから常識的に見て、まず実績からヤマカツエース、エアスピネル、サウンズオブアースの3頭。他はアングライフェンとマウントロブソンかな。 私は単勝、馬単、馬連はヤマカツエースの1点。3連単が1番サクラアンプルールの1着固定。そして念のため3連複も抑えれば万全だろう。はやる気持ちは勝利の勝鬨状態でした。

1番枠を引いたサクラアンプルール。中山記念でインの馬込みを割って強襲した走りから内枠はありがたい。私はそう考えました。

そしてスタートをうまく出たサクラアンプルール。中団のインをキープ。逃げるロードヴァンドール。2番手に控えるマイネルミラノ。タマモベストプレイの外からじわじわとエアスピネル。それを直後でピッタリとマークのヤマカツエース。この2頭を警戒して背後で脚を温存するサウンズオブアース。それらの動きを中団のインでじっと我慢するサクラアンプルール。

4コーナーでマイネルミラノが逃げるロードヴァンドールに並びかけて先頭に立つか立たないかの時に、馬体を併せて来たエアスピネル。すると外からヤマカツエースが肉薄。それに続くサウンズオブアース。

そんなときに中団インから4コーナーで外に出したサクラアンプルールが猛然とスパート。

そこでお疲れ気味のマイネルミラノが脱落。エアスピネルが先頭に立つと、待っていたとばかりにヤマカツエース。この2頭はいつもより早めの印象でしたが、サウンズオブアースも続きます。

そして、外で満を持していたサクラアンプルールが、中山記念で見せたような末脚が炸裂。外からヤマカツエースに並びかける間でもなく一気に捉えると先頭に立ちます。そして突き放しにかかりましたが、なんと外から猛然と追い込んで来る馬がいました。なんだあれは?それがナリタハリケーンでした。近況不振の8歳馬です。先頭に立ったサクラアンプルール目がけてグイグイ肉薄。 なんとかクビ差、サクラアンプルール(6番人気)が先着して初重賞勝ち。2着がナリタハリケーン。そして1番人気ヤマカツエースが3着。サウンズオブアースが4着。2番人気のエアスピネルが5着でした。

それにしても、ブービー人気だったナリタハリケーン。成績的に近走はパッとしなく、しかも8歳馬。それで別定の57k。この程度の馬がGIで良績あるヤマカツエースやエアスピネル、サウンズオブアースに先着するとは、騎乗した藤岡康騎手もビックリの快走でした。

時計が2分0秒4、2年前のディサイファが1分59秒0。3年前のハープスターが1分59秒1。良馬場ではこれくらいの決着でしたが、今年は例年よりも平凡な時計になってしまいました。そこにナリタハリケーンの度肝を抜く好走があったように思います。

私が購入した馬券には「1・2・3・7・13」の電光掲示板だけが空しく点滅しておりました・・。