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長期休養明けタンタアレグリアという馬はそんなに強い馬だったのか!?

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驚きました! 昨年の天皇賞(春)以来の実戦だったタンタアレグリア。9ヵ月ぶりの実戦というハンデを跳ね除け、いきなりGⅡ「アメリカJCC」を勝ち上がったのです。ほぼ完璧なレースをした1番人気ゼーヴィントを一蹴。自身は初重賞制覇でした。

タンタアレグリアはそんなに強い馬だったのでしょうか?ダービーでドゥラメンテの7着。菊花賞4着、ダイヤモンドS4着、阪神大賞典2着、そして春の天皇賞で4着。つねにGI、GⅡ戦線で上位争いを演じてきているものの勝ち切るだけのパワー、勝負強さに欠ける2番手グループの馬という印象がありました。

しかも休養明けだった一昨年秋のセントライト記念(中山芝2200)で6着。そして菊花賞以来だった昨年のGⅢダイヤモンドSで10馬身以上離された4着。

今回のAJCCは当日プラス12kと自己最高の馬体重。明らかに分の悪い一戦でした。それゆえファンの思いは7番人気。私も△印の2番手と少し評価を下げて考えたのです。

ところが、この日、中山競馬場の検量室の地下馬道で、国枝調教師と遭遇。7レースに送り出すダイワチャーチル(6番人気)の野中騎手に、あれこれとアドバイス。その国枝師の目の輝きに、なにかオーラのようなものを感じ取りました。結果、ダイワチャーチルは3着でしたが、ハナ・ハナ差の大接戦。

そして、AJCCのパドックに出て来たタンタアレグリアは、休養前よりも盛り上がった筋肉が威圧感を放っていたのです。今回1度使われれば、次は絶対狙えそうだ・・と、私は感じとりました。

とはいえ、それはイキナリやって来たのです。良馬場の中山2200m。外回りでしたが、ピッタリと経済コースを走れる内枠の馬は有利でした。

主導権を取ったのが大外からクリールカイザー。仕掛けて先手を主張。最内のミライヘノツバサが仕方なく控えて2番手。そして2番人気リアファルがかかり気味に2、3番手に浮上して来ました。その内にクラリティスカイ、シングウィズジョイ。外から並ぶヤマニンボワラクテ。

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タンタアレグリアは中団のイン。外から並ぶマイネルフロスト。タンタアレグリアの真後ろのインにワンアンドオンリー。外から並ぶゼーヴィント。ルミナスウォリアーは後方に置かれます。

前半の入りが35秒8。2コーナーにさしかかる半マイルが47秒7。そして5ハロン通過が59秒6。比較的緩みない流れです。

そして、4コーナーをまわり直線に入ると、クリールカイザーの外からミライヘノツバサが先頭に立ちかけます。外からゼーヴィントに大外から一気に浮上したルミナスウォリアー。

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一方で好位、中団にいたグループがゴチャつき、一番外のホッコーブレーヴの大野騎手が落馬しそうになる不利。中団の馬込みにいたシングウィズジョイ。窮屈になり前の馬に触れて転倒。ルメール騎手も落馬してしまいました。そのあとシングウィズジョイは身動きをしていませんでした。

そして内々の経済コースを走っていたタンタアレグリアは、直線でも最内を狙って浮上。直線で先頭に立ったミライヘノツバサ。それを目がけてゼーヴィントが動きました。ゴール前でゼーヴィントが先頭に躍り出たとき、最内からジッと我慢していたタンタアレグリアが力強く伸びて来ました。それでも外のゼーヴィントが盛り返します。そして半馬身差まで詰め寄ったところがゴールでした。タンタアレグリアが初めての重賞制覇。とくに不利もなくラッキーでした。時計は過去10年で一番速いタイム。

008009 ゼーヴィントは、またしても2着。セントライト記念、福島記念に続く2着でした。果敢に先行したミライヘノツバサ。2番手でシッカリと折り合い、しぶとく3着。ここへ来ての成長が見て取れました。

4コーナーで見せ場十分だったのがルミナスウォリアー。結果は4着でしたが、今年の活躍が楽しみです。

また、注目していたワンアンドオンリー。フットワークの大きなタイプ。やはり、中山よりは東京向きでした。それに瞬発力にやや欠けるので、東京でゆったりと先行するパターンが一番向いていそうな気がします。

1番人気コマノインパルス薄氷の初重賞制覇!!

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  葉牡丹賞で大器レイデオロ(ホープフルS優勝)の2着だったコマノインパルス。顔ぶれに恵まれて1番人気に推された京成杯。同じ舞台で同じ距離を走る皐月賞。そこに繋がるのではと思われた注目の一戦でした。

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良馬場発表ではあったものの少し時計を要する馬場コンディション。スタートで僅かに遅れて出たこともあって後方2、3番手で折り合いに専念。終始外をまわる展開ながら手応えは十分。勝負どころの3角過ぎにじんわりと上昇。4角をまわったところで先行馬を射程圏。前で展開していた馬たちがゴチャつく間に、外からスーと抜け出し、一瞬、圧勝か、と思わせたのですが、ゴール寸前で猛然と追い込んで来たのがガンサリュート。道中コマノインパルスをマークする形で追走。直線外から鋭くクビ差まで肉薄しました。

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直線で内から外に出したマイネルスフェーンの伸び脚も良く、一緒に伸びた2着ガンサリュートと半馬身差で渡り合いました。

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また後方追走から直線でゴチャつきながら、外に出し再加速してきたジュニエーブルが4着。スタートでダッシュがつかず、1角では一番外をまわるハメになったアサギリジョーがしぶとく5着。

上位5頭はすべて後方待機組。逃げたメリオラが13着。2番手で進めたベストリゾート、3番手のポポカテペトルが11着、10着と直線失速。同じ位置にいたバリングラが6着。

前半の5ハロン通過が61秒6。数字の上では決して速いペースではなかったのですが、生憎の馬場コンディションで、このペースでも先行馬にとっては厳しい流れになってしまいました。

実際、優勝したコマノインパルスの勝ちタイムが2分2秒5(ラスト35秒6)は、過去6年で一番遅いタイム。これは全体的なレベルが少し低かったと言うことも出来ますが、やはり馬場の巧拙が大きかったようにも思います。

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私が注目したイブキ。新潟2歳S以来の実戦でしたが、馬体がひとまわり大きく成長。スタートも良く出てインの3、4番手をキープ。ところが、4角をまわってゴチャつき、先行した馬が前にいて、邪魔になり、結局前に出られないままゴールしたような印象がありました。最後は鞍上の柴田善騎手が手綱を抑えたままゴール。力を発揮できないまま不完全燃焼だったように思います。次の東京では必ず巻き返してくれると信じます。