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◎レッツゴードンキ!4馬身差の驚き桜のドラマ!!
「顔ぶれを見ると強力な逃げ馬が不在。スローで展開する可能性が大。好位で自在に対応できる器用さは魅力。楽しみです」と、私は桜花賞の予想でそう書きました。
まさに、それは予想外のドラマの結末に私も驚きでした。その結果は後続に4馬身差の独走というドラマで締めくくられたのです。
今年のクラシックの先陣を切って桜が満開の下、阪神競馬場で「桜花賞」が行われました。
圧倒的な1番人気は、直前のきさらぎ賞で牡馬を相手に圧勝した3戦3勝、無敵のルージュバック。1.6倍というオッズで他を圧していました。マイナス6Kという馬体でしたが、落ち着きがあり、醸し出す雰囲気は、さすがにクラシック最有力候補、という印象を受けたほどです。
ただし、阪神が未経験で、初めてのマイル戦。前日までの雨の影響も気がかりでした。そこで狙っていたレッツゴードンキは、札幌2歳3着のスタミナ、ステップ台のチューリップ賞が重馬場で3着。阪神のマイル戦を2度続けて走って来ている魅力が、私の脳裏では大きなポイントを上げていたのです。
そして、注目のスタートです。外のローデッドが大きな遅れ。クルミナル、キャットコインもアオリ気味のスタート。
内からムーンエクスプレス、ノットフォーマルが自然に前に出て行きますが、互角に出たレッツゴードンキが3番手。ところが、前の2頭が手綱を引く形を見て、レッツゴードンキの岩田騎手が、外からスーと無理せず先頭に立ちます。ここで、好位グループの馬は妥協。極端なスローペースが始まりました。
一方、1番人気のルージュバックは互角に出て好位をキープできそうだったのですが前の馬が折り合い重視で下がって来ると、真後ろのルージュバック戸崎騎手が手綱を締めます。そのとき外からゾロゾロと前に出て来て、ルージュバックを包み込む形。仕方なく位置取りを下げざるを得ませんでした。
3コーナーに向かうときには後方から数えて4頭目まで後退。前半3ハロンが37秒1。魔の桜花賞ペースとは、よく言われたものでしたが、今年は異常とも思えるくらいのペース。過去10年で一番遅かったダイワスカーレットが優勝した8年前の桜花賞が、3ハロンで35秒7、それよりも1秒4も遅い流れ。半マイルが50秒ジャスト。ここで勝負ありでした。抜群の手応えで先頭を走るレッツゴードンキ。引きつけた逃げでしたが、好位、後続の馬は動かず。
そうこうしている間に、すでに4コーナー。先頭で楽々手応えのレッツゴードンキ。その直後にノットフォーマル。外にアースライズが進出。ムーンエクスプレスの外にレオパルディナ。中団の前にいたイン狙いのクイーンズリング。その真後ろにコンテッサトゥーレも内ラチ狙い。そのまた直後にクルミナル。外にはココロノアイ。その後ろが内にルージュバック、外にキャットコインが並んで前を追います。
抜群の手応えで4コーナーをまわって来たレッツゴードンキ。直線の中程、あと200mで追い出すと、ここから一気に再加速。後続馬を突き放しにかかります。ルージュバックを警戒したのか、岩田騎手も手綱を緩めずそのまま一目散にゴールを目指し、4馬身差に広がったところでゴールイン。ラスト3ハロンを33秒5という素晴らしい二枚腰。圧巻の独走でした。
左手で軽くガッツポーズの岩田騎手。そして頭を左右に振り、自己陶酔のパフォーマンス。まさにワンマンショーの趣きでした。
出負けしたクルミナルが外に出してグンと伸びて2着。最内からコンテッサトゥーレと迫って来たクイーンズリングが、3、4着。
一方で、注目のルージュバックは、4コーナーで4番手。ラスト33秒台の逃げ切り勝ちとあって、まったく末脚が不発。9着に敗退。同じように2番人気のココロノアイも後方で伸びを欠き10着と凡退してしまいました。
関東馬が1、2番人気と、最近になかった桜花賞でしたが、関東馬はノットフォーマルの5着が最高。
さあ、次は東京競馬場が舞台のオークスです。距離が2400mに延びて、かつスタンド前からの発走。どんなドラマが待つのか胸がどきどきします。
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◎ラキシスでかしたぞー!王者キズナを撃破!!
大阪杯で単勝1.4倍の圧倒的人気に支持されたキズナ。本当に大丈夫なのだろうか?私には、そんなに容易いことではない、と考えていました。
昨年の春の天皇賞以来だった京都記念で3着。この辺は能力の高さを示したのですが、逆にいきなり目一杯に走った反動は?いわゆる2走ボケは出ないのか気になるところでもありました。
それよりなにより、馬場の悪化は最後の瞬発力を生かすキズナにとっては、決して有利な舞台ではなかったと思います。
それに、いつものように後方に控えて4角大外から追い込みに賭ける、それがズバリと決まれば、これほど強さをアピールできるドラマはないのですが、道悪馬場を意識して早めに動いて来る可能性は否定できません。
早めに動いて出ると、道悪馬場巧者に叩きのめされる可能性がある、それらのことが気がかりだったのです。
で、私の選んだのがラキシスでした。昨秋のエリザベス女王杯で勢いのある3歳ヌーヴォレコルトを完封。そして有馬記念に駒を進めて、優勝したジェンティルドンナと0秒2差。ゴールドシップ、ジャスタウェイ、そしてエピファネイアといった大将格のGI馬を相手にクビ・ハナ・アタマ差。互角に渡り合ったのです。
仮にこの大阪杯に上記の3頭が出てきたら、キズナとて1番人気に推されたか、微妙なところです。
私はルメール騎手が騎乗するラキシスに、大きな信頼を寄せていたのです。間違いなく本格化してきている、その証しが有馬記念。だとすると、打倒キズナは十分計算できる、私には確信のようなものを感じとっていました。
大阪杯はゼロスが主導権、そのあとにカレンブラックヒル。ラキシスは有馬記念と同様に好位置に付けて進むだろう、と予測したのですが後方待機は予想外でした。
引っ張るのは予想通りゼロス。ぐんぐんと2番手のカレンブラックヒルを引き離して行きます。
3番手のトラストワンとロゴタイプ。内にエアソミュール。後方にはラキシス、そしてキズナ。最後方に2番人気のスピルバーグがポツンと追走。
この順位で4コーナーに向かって行きます。そしてゼロスに外からカレンブラックヒルが並びかけると、ロゴタイプそしてエアソミュールも接近。
ラキシスの外からキズナが直線外に進路を取り、いつものように直線勝負に賭けます。ラキシスのルメール騎手はキズナが通った内側に入り前を追います。直線中程で形成が一転。ロゴタイプがカレンブラックヒルの外から先頭。それを一番外のキズナが並びかけます。そのときでした。キズナの内側からラキシスが猛然と伸びて来ました。
先頭に立ったキズナにラキシスが並びかけると、これをあっという間に置き去り、先頭に躍り出て突き抜けて行きました。
2馬身差。大きすぎる勲章です。左ステッキを立てて、今度はステッキを前に突き出すラキシスのルメール騎手。大好きな日本で騎手免許を取得。規律違反でいきなり騎乗停止。そこから復帰して初重賞制覇。世界のルメールを改めて、競馬界にみせしめた貴重な一戦となりました。
そしてスピルバーグは直線だけで4着にノシ上げ、貫録を見せつけた格好でしたが、勝ち馬とは5馬身半差。休養明け、不良馬場。マイナス点は割り引いても、大きな課題を残した印象です。
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