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Archive for 競馬

12万の観衆が酔いしれた「オルフェーヴル」という馬の迫真の演技!!

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「オルフェーヴルが引退だろう?!有馬記念に行こうぜ!ラストランを応援しようぜ!」

という競馬ファンが多かったせいか、12月23日、日曜日の中山競馬場は昨年を上回るファンが詰めかけて、場内はその熱気でムンムン。師走の空に向かい湯気が立っているように感じたほどでした。

この日の主役、オルフェーヴルにとって有馬記念は最終戦。「オルフェーヴル物語」の最終章、完結篇で主役は主役らしい走りをしなくてはならない、負けることは絶対許されない、多くのファンはそう考えたはずでした。

ところが、そのオルフェーヴルの追い切り動向を伝えるマスコミが、あるスポーツ紙などは1面で「オルフェは負ける」と大見出しで伝えます。それに調教師が80点と評価したと報道。これを受けて体調不安説が流布。

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そんな状況下でもオルフェーヴルの人気は1.6倍。ファンの目の確かさ、思いは揺るぎませんでした。過去に坂路調教でヨレながら走っていたときでも、3冠を積み上げてきたオルフェーヴル。一方で真っ直ぐ坂路調教で走ったにもかかわらず敗れてしまったオルフェーヴル。そんなオルフェーヴルの姿も現実にあったのです。そういった過去を覚えているファンには不安説など一笑ものだったと思われます。

今年の有馬記念は典型的な逃げ馬が不在。強敵オルフェーヴルと相対するには同じ位置にいてはダメ。前で競馬させよう、他が来なければ主導権だと、福永騎手のルルーシュが思い切って飛び出します。これを金鯱賞と同じく2番手を私の◎カレンミロティックがすんなりと確保。最内枠のダノンバラードが3番手。ラブリーデイ、ナカヤマナイトも接近。中団の内にウインバリアシオンがいて、その真後ろにムーア騎手がしごき詰めでゴールドシップ。そしてオルフェーヴルがそれらを見ながら後方でのんびり追走。

前半の1000m通過がおよそ60秒7、1200m通過でおよそ1分13秒3。時計を要する馬場としては比較的早めの流れ。そんな流れの中で、並ぶように先頭に躍り出たのがカレンミロティック。3角手前でした。これを見てナカヤマナイトが2番手に進出。3番手は5頭が横一線に並ぶ形。ゴールドシップが早めの仕掛けで中団の外に進出態勢。その後ろにウインバリアシオンとオルフェーヴル。

状況が激変したのが3角過ぎのことでした。快調に逃げるカレンミロティックに何かを感じたのか、オルフェーヴルの池添騎手が外をまわって一気にスパート。それはゴールを1ハロン間違えたのではないかと思うくらいグングン上昇。

そして4角ではあっという間に先頭のカレンミロティックに並びかけているのです。しかも、ここで脚を温存することなく、懸命に追い出しをかけました。これには他の騎手も唖然。直線で早々に先頭に立ったオルフェーヴルは、後続を1馬身、2馬身、3馬身とみるみる差を広げて行きます。直線中ほどでは他の馬と決定的な差。独走状態となったのでした。

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「菊花賞でも同じような競馬をしたので、差されることはないと思って行きました」と池添騎手。

続けて「僕はオルフェーヴルが世界で一番強い馬だと今でも思っています。今日もそう思って乗りました」と、スタンドに向かって高らかに勝利の宣言!その顔にはキラキラと自信が満ち溢れていました。

結局、8馬身差のワンサイド。「オルフェーヴル物語」の最終章・完結編は8馬身差の独走劇という記憶に深く残る見事なストーリーとなりました。スタンドの観衆はオルフェーヴルのコールと、池添コールで大合唱。我らがオルフェーヴルと池添騎手を称えたのでした。

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ダービー、菊花賞とオルフェーヴルと一時代を築き上げた同期のウインバリアシオンが懸命に2着。オルフェーヴルのラストランに花を添える形となりました。

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500万より遅い朝日杯FSは例年になく低レベルだったという話

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 おそらく今年の朝日杯FSは過去10年を振り返っても最弱クラスの一戦だったような気がします。もっとも、来年に大きく成長するようなことでもなれば別ですが、今回の朝日杯FSはあまりにも低レベル過ぎました。

優勝馬はアジアエクスプレス。初めての芝、初めての中山。ダートで2連勝してきた馬にとっては、決して楽な条件ではなかったはずです。終始中団のインで末脚を温存。4角で馬群の外目に出だすと、直線の坂を上がってからグイグイと接近。ゴール寸前で前の馬を捉えると一気に抜き去って快勝。見事な無傷の3連勝を達成。今年の2歳チャンプの栄冠を手にしたのです。おそらく今年の年度代表馬に選出されることは間違いなし。

といっても、今回の朝日杯FSの勝ちタイムが1分34秒7、レースの上がり3ハロンが36秒1と、あまりにも平凡なタイム。降雨がなくパンパン馬場の条件下にしては、来年のクラシックを云々するような時計ではなかったと思います。

ちなみに、前日のひいらぎ賞・500万を制したのがミッキーアイル。朝日杯FSにも登録があり抽せんで惜しくも除外の適用。そのミッキーアイル。2戦目に未勝利を脱出。レコードで圧倒したことからも、当然ながらひいらぎ賞は圧倒的な1番人気。内枠からすーっと先頭に立ち、スローに持ち込んで余裕で3馬身半差のワンサイド劇。このときマイル1分34秒2の勝ちタイムで、ラストが余裕綽綽に34秒7。ひいらぎ賞のミッキーアイルの時計が朝日杯FSのアジアエクスプレスよりも0秒5も速かったのです。しかも驚いたことに上がり3ハロンが34秒7のミッキーアイルに対して、レースの上りが36秒1の朝日杯FS。メンバー最速の末脚を見せたアジアエクスプレスがラストが35秒3だったことを考えると、明らかに朝日杯組のレベルには首を捻りたくなります。

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3年前の朝日杯FS優勝馬グランプリボスが1分33秒9で優勝。一昨年のアルフレードが1分33秒4、昨年のロゴタイプも1分33秒4。それらに比べて大きく見劣りするようなタイム。過去10年で9番目に遅いタイムだったのです。

何故これほどまでに時計が伸びなかったのでしょうか。主導権を取ったのが3番人気のベルカント。牝馬ながら牡馬陣恐れるに足らずとばかり、果敢に挑戦してきたのです。しかも、中山マイル戦の最内枠と実にラッキーな枠。

外からウインフルブルーム好スタートを決めたものの最内からポンと飛び出したベルカント。少し外に寄れて他馬に迷惑をかけたものの他の馬が控えたこともあって楽に主導権を取って一人旅。内からマイネルディアベル、外にエルカミーノレアルが2、3番手。好スタートから引いたウインフルブルーム下げます。代わって2番人気のプレイアンドリアルがかかり気味に進出。枠順もあって1番人気のアトムが中団のイン。ショウナンアチーヴが外から前をのぞむ位置。4番人気のアジアエクスプレスが中団馬群の内で追走。

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3コーナーを先頭で通過するベルカント。前半の3ハロンが35秒1、半マイル通過が46秒8。昨年が33秒9で速かったのですが例年34秒台前半。この引きつけたペースはベルカントの形でしたが、プレイアンドリアルが3番手、直後にはウインフルブルーム、その後ろにはショウナンアチーヴが虎視眈々。アトムが中団からインを通って前を窺います。そのアトムの直後にアジアエクスプレスが抜群の手応えで追走。

最終4コーナーを先頭でまわったベルカント。そこを目がけて追い出しに入ったプレイアンドリアル。それを見てウインフルブルーム、その外からショウナンアチーヴが追い出しをかけました。4角内からアトムが前を狙いますが、先行した馬が邪魔になって追い出しを待たされます。

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直線でベルカントを捉えたプレイアンドリアルの外に馬体を併せたウインフルブルーム。その外にピッタリとショウナンアチーヴが馬体を寄せています。そのとき外からグイグイと迫ってきたのがアジアエクスプレス。

ゴール前お叩き合いはプレイアンドリアルが脱落。ウインフルブルームの白い鼻が顔を出しましたが、懸命食い下がるショウナンアチーヴ。そこへ猛然とアジアエクスプレスが外からやって来て前を捉えると一気に突き抜けました。前日のひいらぎ賞をミッキーアイルで優勝したR・ムーア騎手がそこにはいました。

ゴール板を過ぎてから2着ショウナンアチーヴの後藤騎手に握手を求められるとニッコリ微笑むムーア騎手。

時計が平凡だったとはいえ、ダートで2連勝。いきなりの芝でGI制覇。来年の活躍が大いに楽しみな1頭であることには違いがありません。

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