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人気馬総崩れの桜花賞トライアルは先が見えない“煙霧”的様相!?

  3月10日の中山競馬場は、スタンドから向う正面の外に見える武蔵野線の電車が、まったく視界に入らず、黄色やピンク色にも見える煙のような土埃、砂埃が競馬場を覆い、強風に煽られて、目や口の中に飛び込んできました。この状況を当初は中国本土から襲来している黄砂?とも考えたのですが、正式的には“煙霧”だということです。

 この日、阪神では桜花賞トライアルの「フィリーズレビュー」が行われました。すでにこの日までに「チューリップ賞」、フィリーズレビューの前日に中山で行われた「アネモネS」が終了。

 チューリップ賞では1番人気のレッドオーヴァルが7着。2番人気で阪神JFの優勝馬ローブティサージュが9着というショッキングな敗退。アネモネSでは1番人気のサクラディソールがクラウンロゼの3着。そして、フリーズレビューを迎えたわけです。

 1番人気が芙蓉Sを圧勝し、阪神JF2番人気に推されたサンブルエミューズ。岩田騎手が騎乗し期待が集まりました。2番人気は阪神JFで3番人気ながら不利もあって大敗したもののファンタジーSでローブティサージュを寄せ付けなかったサウンドリアーナ。今回初めてコンビを組んだ戸﨑騎手は、1週前の調教にも栗東に出張して騎乗。当然ながらこの2頭に期待が集中。

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 レースは主導権を取ったサマリーズ。内からナンシーシャインとサンブルエミューズ、そして大外からダートを専門に使われていた11番人気のティズトレメンダスが急追。サウンドリアーナがこの直後を追走。ノーブルコロネットもいます。中団の馬込みの中にメイショウマンボ。

 3角で逃げたサマリーズに外からティズトレメンダスが並びかけて先頭に立ちそうな勢い。サンブルエミューズと外にラトーナが続きます。ナンシーシャインが内で外にはニシノモンクス。サウンドリアーナも好位置のイン。その直後にノーブルコロネットで、外にシーブリーズライフ。これを見る形でインにメイショウマンボ。

 前半3ハロン通過が34秒9。ここ2年が34秒1、34秒3ですから、やや先行馬に有利な流れ。

 そして4角手前の5ハロン通過が58秒0。先頭がディズトレメンダス。2番手に下がったサマリーズとラトーナ。その直後には内にナンシーシャイン、その外にサンブルエミューズ、ニシノモンクス。後ろではインにサウンドリアーナが進路を探しています。内を狙ってノーブルコロネット。外にシーブリーズライフ。中団内からメイショウマンボが仕掛けていますが、なかなか一気には詰まりません。

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 快調に逃げたディズトレメンダスにナンシーシャインが直線並びかけて一気に先頭。2番手にサンブルエミューズが進出したものの脚色がよくありません。好位置で追い出しを待っていたサウンドリアーナの戸﨑騎手が懸命に前を追います。

 そのときでした。直線でうまく外に出したメイショウマンボの末脚が抜群。あっという間に前を捉えると力強くゴールを駆け抜けて、こぶし賞に続き2連勝。

 2着は内から早目に先頭に立ったナンシーシャイン。前半主導権を取ったディズトレメンダスが、窮屈な最内から鋭く迫ったノーブルコロネットをハナ差振り切り3着。ノーブルは新馬勝ちした強いインパクトから◎で応援したのですが、前の馬が邪魔になり実に惜しい4着でした。1勝馬で残念ながら桜花賞出走が絶望的。

 1番人気サンブルエミューズが11着。2番人気サウンドリアーナが7着と大敗。ともに不本意な結果で桜花賞を迎えることになり、クラシック戦線が一段と混沌としてきました。

7 8 9

 一方で、中山で行われた「アネモネ賞」は、直線で1番人気サクラディソール、3番人気ジーニマジックの外からグイと伸びた2番人気のクラウンロゼが優勝。これで新馬→フェアリーSに続く3連勝。新馬10番人気、フェアリーSも10番人気。まったく見向きもされなかった馬が、本番の桜花賞に堂々胸を張って乗り込んで行きます。

桜花賞戦線に異状あり!1、2番人気が凡退したチューリップ賞(-_-;)

 2戦目の未勝利戦をケタ違いの末脚でレコード勝ち。続く紅梅Sも役者が違いを見せつけて独走。レッドオーヴァル陣営にとっては、チューリップ賞で弾みをつけて本番の桜花賞に向いたいところだったはずです。

一方で昨年の2歳牝馬の総決算、阪神ジュベナイルFを制したローブティサージュ。レッドオーヴァル同様にチューリップ賞をゲットして、意気揚々と本番に臨みたかったことでしょう。いずれにしても、この2頭が1、2番人気を分ける形で迎えた桜花賞トライアル・チューリップ賞。

 私はアルテミスSで本命に指名し、阪神JFでもイチオシの◎に推した関東馬アユサンを三度本命。阪神JFはショック的な7着敗退。敗因は18番枠で出負け。4角では大外に出したら凄い向かい風。馬格のあるアユサンでもこれには応えたようでした。

 「アベコー先生、アユサンはダメだったじゃないですか!」と、当時、ガチ馬のAKBの生徒たちからは責められる始末。

 「こんなはずではないので、次に出てきたときには必ず巻き返してきますからね」と彼女たちと約束。

1_1 2_1 3_1

 年明けの東京、アルテミスSと同じ舞台のクイーンCで汚名返上だ、とばかり注目していたのですが「それがね、私もクイーンCに照準を合わせてきたのだけど、寝違えてしまったようで、使えないこともなかったんですが、ここで無理してもしょうがないし、チューリップ賞に向うことにしました」と手塚調教師。

 そんな事情もあって、私とアユサンとのコンビは、いずれにしても引くに引けない3歳牝馬戦線に突入することになったのでした。

 さて、チューリップ賞は典型的な逃げ馬が不在。おそらくクロフネサプライズが主導権を取って一人旅に持ち込めるかも知れない。阪神JFでもクビ差2着だ。そう考えてアユサンの相手を○クロフネサプライズ。

 実際、スタートで躊躇なしに武豊クロフネサプライズが先頭。驚いたのがいつも出負けしていたアユサンが互角のスタート。外からウインプリメーラが2番手に進出。プリンセスジャックとアユサンがそのあと。アユサンはいつもとは違うポジションに、やや戸惑ったのか少し掛かり気味。

グッドレインボーが好位で、ウリウリ、ヴィルジニアあたりが中団。そのあとの後方には人気のローブティサージュとレッドオーヴァルが追走。

前半の3ハロン通過が35秒9。昨年のハナズゴールが勝ったときが35秒7で昨年と同じようなスロー。半マイルが48秒0で、1000m通過は60秒2。2ハロン目から12秒台で流れます。しかも、後続はとくに目立った動きはなし。

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4コーナーを先頭で回ってきた手応えバッチリのクロフネサプライズ。ウインプリメーラも手応えは上々。3番手の内にいたプリンセスジャックの脚色が怪しくなり、その外にから我らがアユサンが前を射程権に入れます。内からグッドレインボー、その外からヴィルジニアもジリジリと接近。後方のローブティサージュは今ひとつ迫力が乏しく、大外に出したレッドオーヴァルも前を行くクロフネサプライズとは絶望的な位置。

先頭のクロフネサプライズは直線で再び再加速。そのまま突き抜けて3馬身半差の圧倒的な強さで優勝。ウインプリメーラも2番手でしぶとく懸命の粘り腰。直線3番手に進出したアユサンが、一瞬、前を捉えるかのような勢いをみせたのですが、アルテミスSで見せたケタ違いの豪脚は見られず、ウインプリメーラに馬体を併せようとしたところがゴールでした。アユサンは手前の走法がなんとなくスムーズでなく、阪神の馬場が向かない印象のようにも思えました。

騎乗した丸山騎手は「前走よりもマシでしたが、どうも右回りは上手ではないですね。本来はあそこから突き抜けるくらいの脚を使う馬なんですが・・」とコメント。

となると、桜花賞よりも東京のオークス向きなのか・・。もう一度検証して見る必要がありそうです。

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さて、結局1番人気のレッドオーヴァルはゴール寸前で大外から鋭い脚を見せましたが7着。またローブティサージュも9着に敗退。圧倒的な1番人気馬が掲示板にものれない凡退。同じ舞台、同じ距離の桜花賞まであとひと月。とくにレッドオーヴァルはデビューから馬体が減り続け、446Kあった馬体が今回は426K。あと1ヵ月で回復するのか、再び黄色の信号が点っているように思えます。