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やっぱり、ハイペースだよな~。わかっていたのに行ったK騎手にはガッカリ!

 西園調教師が「何が何でも行きます。他が来るなら玉砕を覚悟できなさい」と、今回も逃げ宣言をしていたシルポート。逃げこそ我が命のオースミスパークにタイキパーシヴァルが参戦してきて、先行争いは熾烈だと考えていました。これに人気の中心のカレンブラックヒルがGIを制した芝のマイル戦同様に早めのスパートをかけるだろう、これは相当なハイペースだぞ。私はそう読みました。

 差し追い込み型の競馬のパターンと考えて、狙いはそういう末脚温存の競馬をしてくる馬を主力に取り上げたのです。なかでも、逃げて3連勝し、京都牝馬Sでは大外を回るコースロスをしながらハナズゴールの2着に最後方から追い込んだエーシンメンフィスに注目していたのですが、これが呆れるくらい見当違いの予想になってしまいました。

 今回のマイラーズCはシルポートを筆頭に速い馬が揃ったので、相当なハイペースになると、各ジョッキーも考えていたはずです。できるだけ末脚を温存して、直線勝負だ!というエーシンメンフィスの川須騎手の脳裏にも当然あったはずでした。

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 レースはダッシュ良くタイキパーシヴァルが飛び出し先頭。シルポートの松岡騎手も仕掛けて行ったら相手がシルポートとわかって、控えてくれるに違いないと考えたかも知れません。ところがタイキパーシヴァルの川田騎手は、まったく引く考えがなく、仕方なく松岡騎手のシルポートは2番手。

 そのときでした。大外18番のエーシンメンフィスがシルポートに並びかけてきたのです。「エー!そんな馬鹿な。川須騎手はなにを考えているのか。ハイペースだって。間違いないって!」私は思わず口をついて出ました。

 オースミスパーク、カレンブラックヒル、マジンプロスパーの先行勢も遅れまいと急追して、前半の半マイルが45秒8、やや水分を含んだ馬場コンディション。激しい流れで突き進んでいきます。

 タイキパーシヴァルの直後をシルポート。その2頭を前に見てカレンブラックヒル。エーシンメンフィスは仕方なく控えたものの5、6番手の外。内にダノンシャークが展開して、クラレントがそれを追う形。背後にはグランプリボス。フィフスペトルにダノンヨーヨー。その直後にサンレイレイザーとファイナルフォーム。

 4コーナーをまわったところでシルポートが前に出ようとします。その外にマジンプロスパー。直後にカレンブラックヒルとエーシンメンフィスが外に進路をとろうとします。

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 直線力強く抜け出したのがカレンブラックヒル。一気にゴールまで突っ走りそうな勢いでしたが、外に出したグランプリボスの脚色が抜群。それに内からダノンヨーヨー。大外からサンレイレイザーの追い込み。

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 ゴール寸前でカレンブラックヒルを捉えたグランプリボスが、外から迫るサンレイレイザーを振り切り優勝。休養明けは走らないので、というきゅう舎側でしたが、GI馬の迫力をまざまざと見せつけました。

 もっとも、4着に敗れたカレンブラックヒルとて、わずか0秒1差の大接戦。速いペースを急追して、この粘り腰ですからGI・NHKマイルCを制した東京コースに変わり、当然巻き返してきそうです。

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 それにしても、優勝したグランプリボスから最後方のタイキパーシヴァルまで1秒2差。このハイペースでバタバタにならなかったのは立派。エーシンメンフィスの川須騎手は「次の東京が楽しみです」とコメント。今回は流れを考えて、もう少し落ち着いて対応して欲しかったような気がします。

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オー!あんびりーばぁぶる的な衝撃の1勝!!

 3戦目にして未勝利を勝った馬が、いきなり重賞で1番人気。それも重賞で2着、3着と上位争いを演じてきた馬を相手に堂々の1番人気。しかも、日曜日になり本番が刻々と近づくにしたがってグングン人気が上昇。初めての左回りの東京、長距離輸送と課題はあったもののお構いなしに株価は上がり続けました。

 その名はデニムアンドルビー。父がディープインパクトで母の父がキングカメハメハ。今や日本競馬生産界を席巻する馬同士の配合。その血筋の良さをアピールしたのが、前走3月の阪神での未勝利戦。距離が芝2000m。

スタートでモタつき最後方。スローペースで展開しラスト2ハロンが11秒8-11秒3で、後方で待機した馬には厳しい競馬となったのですが、この馬は違いました。直線外から凄い勢いで急接近。それもつかの間、あっという間に先頭に立って2馬身も突き抜ける神業的破壊力。2分1秒1、ラスト34秒3は、前日の古馬1000万、仲春特別を1番人気で制したラブイズブーシェと、わずか0秒2差しか違わなかったのです。もう少しペースが上がっていたら1秒くらいは楽々詰まっていたような迫力がありました。

これは凄い。大変な牝馬だ。オークスに出してあげたいが、1勝馬では無理なので、どうしてもフローラSで3着に入り、出走権を掌握しないと・・・。また、それだけの芸当が出来るポテンシャルの持ち主に違いない。さしあたりフローラSは全力投球で内田博騎手に騎乗依頼したのだろう。

私の狙いはもちろん迷わずデニムアンドルビー。ところが、日曜の午後になってからデニムの単勝が、ビックリするような勢いで買い手市場。5倍を越えていた単勝オッズも4倍、そして3倍台へと突き進んだのです。

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スタートで後手に回ったデニムアンドルビーは、内田博騎手が「位置取りはこだわらず、末脚を生かす競馬をさせようと考えていた。道中はまわりからあまり離されないように気をつけただけ」と、さすがこの落ち着きと達観した戦術観。

馬場はやや重のコンディション。先手を取って逃げたタガノミューチャンが前半の1000mを63秒1という超スローペース。最後方にはデニムアンドルビー。2番人気のエバーブロッサム中団の外目を追走。中団のインには3番人気のスイートサルサ。ただし、この馬の場合は前脚を前に突き出す綺麗な走法。道悪馬場は疑問でした。武豊騎手の4番人気イリュミナンスは好位置のイン。

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デニムアンドルビーが動いたのは3コーナー過ぎ。馬群の外目をスルスルとスパート。4角手前では中団の外に進出。その内にエバーブロッサム。スイートサルサはここで2頭から置かれる厳しい形。

直線は逃げるタガノミーチャンを追ってグッドレインボー、セキショウ、エクスパーシヴでしたが、エバーブロッサムとデニムアンドルビーの末脚が明らかに他を圧しており、外から2頭が抜け出て、なかでも凄い勝負強さでデニムアンドルビーが真っ先にゴールへ飛び込んでいました。役者が違うと、とばかり見下したような勝ちっぷり。ラスト3ハロンが34秒2。ゴールは11秒2-11秒4という実にハイレベルな決着。

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「折り合いがついたし、ゴーサインにも直ぐに対応してくれる。本当に賢い女の子ですよ。これならオークスにも自信を持って臨めます。いつまでも外人騎手にいい顔をさせてられません。日本人ジョッキーもいるというところを、この馬で認識させてやりたいですね」と、顔を紅潮させていました。

内田博騎手が自信を持って臨める馬、彗星のように現れたデニムアンドルビー。オークスで桜花賞組との対決が楽しみです。

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