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レコード勝ちの反動が不安視された新潟2歳Sでやはり・・!

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 中間の降雨などもあって、まさかレコード決着にはならないだろう、と考えていた私は電光掲示板を見て、思わず目をこすってしまいました。

 “1分33秒4”レコード。昨年の優勝馬ハープスターよりも1秒1も速い文字通りの怪物級のタイム。これには私も驚きでした。

 過去、1分33秒台で走った優勝馬は3年前のモンストール。そして2年前のザラストロ。ともにその後は大不振に陥り、モンストールが3勝目を上げたのが今年4月の東京、1000万の石和特別。一方、ザラストロも1000万まで格落ちして、なかなか勝てるまでには至らない不振のどん底状態。

 昨年の新潟2歳S優勝馬ハープスターは、札幌記念でゴールドシップを打ち破り、世界の頂点、凱旋門賞を目指します。そのハープスターの新潟2歳Sの勝ちタイムが1分34秒5。今年のタイムはそれよりも1秒1も速いのです。

 同じ日の準メイン、オープンの朱鷺Sで優勝したサクラアドニスが、1400mを1分20秒8でフィニッシュ。仮にあと1ハロンを12秒9要したとすると、1分33秒7で新潟2歳S組は古馬オープンよりも断然速いタイムで決着したことになります。

 そして、残念ながら不安視が的中。新潟2歳Sの優勝馬ミュゼスルタンは、左橈側手根骨骨折を発症。休養を余儀なくされました。

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 レースは戸崎騎手が騎乗したカシノハリウッドが主導権。これを内からニシノラッシュが一瞬競りかけて行きましたが、外からグラスエトワールが来ると、ニシノラッシュが控えて好位に控えます。すぐ後ろには岩田騎手に乗り替わったブリクスト。その真後ろにミュゼスルタン。コメートが好位置をガッチリとキープ。1番人気のアヴニールマルシェが中団で、その後方に2番人気のナヴィオン。ゴッドバローズや出遅れたハナモモは最後方。

 前半3ハロンが35秒2で半マイルが47秒1。主導権を取ったカシノハリウッドに外からグラスエトワールが並びかけようとしたあたりが4コーナー。ワキノヒビキやコメートが好位置。ニシノラッシュが真後ろのイン。その後ろにブリクストで直後にミュゼスルタンがインを追走。そして、後方にはアヴニールマルシェでその後ろがナヴィオン。

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 1000m通過が59秒1で、これは明らかにスローに近いペース。先行馬向きの流れです。

直線インをピッタリに再加速して逃げ切りを策すカシノハリウッド。ブリクストが最内から前を追います。

ところが、好位置で展開したニシノラッシュと内から迫って来たミュゼスルタン。その外にコメートの3頭が並んで激しい叩き合い。

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4コーナーで置かれたアヴニールマルシェが大外に出すと、もの凄い勢いで前を追ってきます。2番人気のナヴィオンはそのまた後ろで大外に進路。

「勝負ところでゴーサインを出したのですが、頭を上げて躊躇するような仕草。ここで置かれたのが結果的に痛かったですね」と北村宏騎手。

先頭に立ったニシノラッシュを、内から馬体を併せにきたミュゼスルタンの脚色が良く、アッサリと抜けて優勝。

2番手を死守しようと懸命の粘りを見せるニシノラッシュ。そこを外に出したアヴニールマルシェが外から激しく詰め寄り、なんとか2番手を確保。3着には粘ったニシノラッシュがコメートやブリクストの追撃を退けて確保。大外からナヴィオンが6着。意外に順当だった今年の新潟2歳S。

レコードが飛び出したものの、ラスト33秒台の馬が沢山いて、そこには例年にない2歳馬の資質の高さを感じられました。

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故障したミュゼスルタンには、早期の回復と共に、是非とも来年のクラシックに乗り入れてくれることを期待してやみません。

 

王者を打ち砕く女傑に凱旋門に馳せる夢!!

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 この秋、競馬ファンに大きな夢のプレゼントの期待を乗せて50回「札幌記念」が行われました。

 宝塚記念を圧倒した王者ゴールドシップ。3歳牝馬の代表格、桜花賞馬ハープスター。昨年の札幌記念・優勝馬トウケイヘイロー。

 降雨で緩い馬場、かつ洋芝に良績があるゴールドシップが、直前の宝塚記念独走の勢いからも単勝1.8倍という圧倒的な人気。

 対するハープスターは初めての洋芝でしたが、52Kという恵まれた斤量。これに多くの支持者が賛同して3.7倍。今年も単騎逃げが望める3番人気のトウケイヘイローが、離れた7.5倍。

 まさにゴールドシップとハープスターの一騎打ちムード一色でした。この2頭はレイティング世界1位のジャスタウェイと共に渡仏。最高峰の凱旋門賞を目指します。

 ゴールドシップは皐月賞以来の2000m。ハープスターは初めて経験する洋芝。他の馬にもツケ入るすきはあると考えていた私は、皐月賞で圧勝したロゴタイプに期待して1票投じたのでした。

 札幌は週末の雨で、土曜、日曜は晴れたものの洋芝は水分を含み、良馬場の発表でしたが時計を要する馬場コンディション。明らかにゴールドシップ向きの馬場で、人気に拍車がかかりました。

 そして、スタートです。当然のように躊躇なくトウケイヘイローが飛び出して行きます。最内からロゴタイプ。並びかけるようにムーンリットレイク。これにピッタリとトウカイパラダイス。好位置の内にタマモベストプレイ。エアソミュールとルルーシュが続きます。

ラブイズブーシェとホエールキャプチャが並んで中団。後方にはハープスター。そして取り残されるようにゴールドシップ。場内から驚きの歓声が上がります。

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 トウケイヘイローがペースダウンすることなく思い切った逃げを打ったことから、2番手以下が離れ気味。

 前半の3ハロンが34秒9-半マイル46秒5。さらに1000m通過が58秒4。この時計を要する馬場では明らかにオーバーペース。

 そして、3角手前で後方2番手のハープスターの川田騎手が、後ろのゴールドシップを振り返って見て、あまりにもライバルが後ろなので、これはマズいと判断したのか、外からジワジワとゴーサイン。それを待っていたようにゴールドシップがもの凄い脚で急接近。3コーナー過ぎのことでした。007

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 4角手前では懸命に逃げるトウケイヘイローに外から並びかけるロゴタイプ。その外にトウカイパラダイス。さらにその外からハープスター、その外へゴールドシップが接近して、今にも飲みこみそうな勢いで迫って来ました。

 4角を先頭でまわったトウケイヘイローが懸命の応戦をしますが、外からのハープスター、ゴールドシップの脚が格段に上回り、直線入り口ではハープスターが先頭に躍り出て来ました。外から迫るゴールドシップ。

 52Kのハープスターの勢いは衰えることなくゴールを目指します。そうはさせまいとゴールドシップ。完全に2頭のマッチレース。抜け出したハープスターがそのままゴールドシップを押し切り優勝。凱旋門賞に弾みをつけました。

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 52Kとはいえ、これまではゴール寸前でもの凄い脚で追い込んで来るのがハープスター。今回は早めに直線入り口で先頭という新たな面を披露。明らかにまた一段と成長してきています。

 凱旋門賞は3歳牝馬が斤量で恵まれることから、ハープスターにとっては今回の札幌記念で得たことが大きく結果に結びつきそうです。洋芝を克服したことも嬉しい材料。ゴールドシップも距離が延びる凱旋門賞では、本領発揮という期待値があがります。ジャスタウェイも含めて、今年の日本軍団は強力布陣でフランスに乗り込むことになりそうです。