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これぞ荒れる七夕賞か!劇的な14番人気アスカクリチャンの優勝!!

 昨年のイタリアンレッドにタッチミーノットと追い込み馬が1、2着だった七夕賞。もっとも1年前は中山だったとはいえ、一昨年の1、2着ドモナラズにアルコセニョーラと、直線鋭く追い込んできた馬が大攻勢をかけているのが、この伝統のハンデ戦、七夕賞なのです。
 その傾向を踏まえて、今年も後方待機の軽ハンデ馬に注目していました。ところが、今年は週末の天気予報が、ことごとくはずれて、まるで馬場状態が読めない状況。金曜と土曜日が雨で、日曜日もその流れで雨及び曇りの予報。土曜は朝から福島競馬場は土砂降りで、日曜も馬場の悪化は避けられない状況でした。
 以前から福島を走らせたかったダイワファルコンは、この雨で大きな減点。一番強いと考えていたトーセンラーも雨で△印。そこで、休養明けでも早くからこの七夕賞出走に意思表示をしていたエクスペディション◎を打ったらこれが3番人気。昨年暮れの中日新聞杯で休養明けながらコスモファントムの差のない4着だったことから、55Kのハンデを味方に直線追い込んでくるはずだとシュミレーションしたのですが・・。
No1  当日の日曜日は雨がすっかりと上がり、雲の間から太陽が垣間見られるような天気。そのせいか芝重、ダート不良からスタートした馬場状態は、午後になると夏の太陽がサンサンと照り付けて、7レースには芝がやや重。そしてダートが重にまで急激に回復。
 私の描いた天気とはかけ離れた状況になってしまいました。その上で、七夕賞の展開も少し違った感じになったのです。
 好枠を引き当てたイケドラゴンが主導権を取り、ケイアイドウソジンとミキノバンジョー、サンライズベガが続き、小回りの福島を意識して、各有力馬が早め早めに仕掛けて動いてくるのに違いないと見ていたのですが、実際はこうでした。
No2_2 No3_2
 ミキノバンジョーが好スタートからポンと先頭に立つと、外からジワっとケイアイドウソジン。石橋脩騎手は2番手でミキノバンジョーを行かせて、折り合いに専念。引っかかるように3番手に進出したシンゲンの田辺騎手も背中を丸めて手綱を懸命に抑える仕種。最内のゲシュタルトも好位置で折り合いに専念。2番人気のタッチミーノットと内にアスカクリチャンが並んで追走。今回は前に行きたいといっていたダイワファルコンが、上原師の思い伝わらなかったのか中団。エクスペディション、1番人気トーセンラー、アニメイトバイオにトップカミング、ニシノメイゲツなどが続く展開。
No4  4角のコーナーも快調に逃げるミキノバンジョー。これをピッタリと追うケイアイドウソジン。それをマークするように追っていたゲシュタルトの脚が重い感じ。外のタッチミーノットも同様で前との差を詰めるようにグイグイと伸びる脚が見られず。
 そんな中から、ゴール前の間隙をついて一気に伸びてきたのが内田博騎手のアスカクリチャン。先行2頭に一気に並びかけると、あっという間に抜け出し、ゴールへまっしぐら。そのとき大外から矢のように伸びてきた1番人気のトーセンラーが、猛然と追い込んでゴール寸前で馬体をピタリと併せて飛び込んできました。
No5  結果はハナ差届かず2着。抜群の仕掛けどころが、まさしくジャストだった内田博アスカクリチャン。見事な手綱捌きでした。
 考えてみれば、きさらぎ賞でオルフェーヴルを破って優勝し、菊花賞では3番人気に推されて3着だったトーセンラー。25戦目で初めて重賞の栄冠を手にした5歳・14番人気のアスカクリチャンに敗れてしまうのも、七夕賞という特異なレースの持つ不思議な魔力の所以でしょうか。

ああ、オッシーイ!出遅れて大外強襲した◎スプリングサンダー!!

 土曜日の開幕初日が7本。翌、日曜日が3本。1週間で10本のレコード。文字通りレコード・ラッシュだったのが中京競馬。3月に満を持して全面改装オープンとなったニュー中京競馬場でしたが、当時は悪天候と芝の発育不足が重なって考えていたよりも平凡な水準以下のタイムに終始。直線に坂も出来て、以前よりも時計を要するのが中京競馬と判断していたら、今回のレコード・ラッシュには正直驚かされました。
1  そういった中で行われた注目のCBC賞。小雨が降り続き、馬場は重馬場のコンディション。初めて背負う59Kのダッシャーゴーゴーの優勝は厳しいと予測。2月の阪神で行われた阪急杯再現と見て、ハンデ54Kと恵まれたスプリングサンダーの末脚に◎。阪急杯優勝のマジンプロスパーを○として、▲がダッシャーゴーゴーと予想したのです。
2  ところが、その◎スプリングサンダーがスタートでポツンと取り残される形で大きな出遅れ。スタートに難があったものの1200mでは致命傷で、思わず天を仰いでしまいました。
3  予想通りに好枠を引いたエーシンダックマンが飛び出し、これをホットチリペッパーが追う展開。すぐ外にマジンプロスパーが抑えきれないくらいの手応えで追走。さらにエーシンヒットマン、ドラゴンファング、最内からグランプリエンゼルがいつもより前々で強気策。オウケンサクラに1番人気ダッシャーゴーゴーが中団。後方にはシゲルスダチやその後ろにリーチザクラウンに、サンダルフォンとスプリングサンダー。
4  快調に飛ばしたエーシンダックマンは、前半の3ハロンを33秒7で入り、半マイルが44秒9という緩みないペース。4角では手応え十分にマジンプロスパーが進出態勢。これを見てダッシャーゴーゴーもじんわりとスパート。最内からグランプリエンゼル、その外にエーシンヒットマンが浮上。
5  直線で懸命に粘らんとするエーシンダックマン目がけて、マジンプロスパーが一気に並びかけるとゴールへまっしぐら。それを外から追い上げたダッシャーゴーゴーでしたが、今ひとつ迫力不足。そこを4角で大外に持ち出したスプリングサンダーの伸び脚が際立って良く、ダーシャーゴーゴーを並ぶところなく抜き去ると、マジンプロスパー目がけてグイグイ肉迫。馬体を並びかけたところがゴールでした。
6  優勝したマジンプロスパーは見事なレコード勝ち。57.5Kのハンデで勝ち上がったことも大きな財産になるはずです。
 一方でダッシャーゴーゴーは、さすがに59Kのトップハンデで重馬場のレコード決着は厳しく0秒2差3着は順当だったような気もします。
7  惜しかったのは、なんといってもスプリングサンダー。2馬身くらい出遅れたミスは、ゴール前での勢い、着差を考えても実にもったいなかった気がします。馬単、3連単は大きな配当が見込めただけに本当に惜しかったです。
 今回の中から何頭か新潟のアイビスサマーダッシュに出向きそうですが、新潟独特の直線1000mで、また違ったドラマを展開してくれるはずです。